「肝臓寿命」を延ばす新習慣#1

お酒を楽しみながら老けにくい体へ。50代からの「100年肝臓」基礎知識

お酒を楽しみながら老けにくい体へ。50代からの「100年肝臓」基礎知識

公開日:2026年03月14日

お酒を楽しみながら老けにくい体へ。50代からの「100年肝臓」基礎知識

何歳になってもお酒は楽しみたい。でも50代になると、肝臓の負担や病気、太りやすさが気になり始めるもの。本記事では、59歳の酒ジャーナリストと肝臓専門医の対話を通して、肝臓を守り、老化や健康トラブルを遠ざける「賢い飲み方」を解説します。

お話を聞いたのはこの2人

教えてくれたのは、浅部伸一(あさべ・しんいち)先生

肝臓専門医。東京大学医学部卒業。自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科講師・准教授。その後、製薬会社に転じ、新薬開発等に携わる。現在は、アシュラスメディカル株式会社所属。著書に『長生きしたけりゃ肝機能を高めなさい』(アスコム)など。

聞いたのは、葉石かおり(はいし・かおり)さん

酒ジャーナリスト。ラジオレポーター、女性週刊誌の記者を経て、エッセイストに。「酒と心身の健康」「酒と料理のペアリング」をテーマに幅広く活動。著書に『酒好き医師が教える最高の飲み方』『名医が教える飲酒の科学』(日経BP、浅部先生監修)など。

「100年肝臓」とは?一生健康でお酒を飲むために

「100年肝臓」とは?一生健康でお酒を飲むために
AomOra / PIXTA

お酒はもはや単なる飲み物ではなく、私(葉石)の人生の中にしっかりと根を張った文化であり、日々に彩りを与えてくれる最高の相棒。だからこそ、「人生100年時代、一生健康でお酒を飲むためにはどうしたらいいか?」を逃げることなく、改めて真剣に思案しました。

そして考えた末に生まれたキーワードが、「100年肝臓」だったのです。これはいわば「肝臓のロングライフ計画」。100年現役で働き続けてもらうために、今からできることをやろう。そんな思いが込められています。

共にそのメソッドを考えてくださった監修者は、肝臓専門の医師であり、飲み仲間でもある浅部伸一先生。浅部先生は、お酒と肝臓のどちらにも深い愛と知識を持つスーパードクターです。

今回は「いかにして肝臓を守るか」という思いを念頭に、健康を維持しながら飲む方法を考案。いずれもお酒好きがお酒好きのために、実体験と最新医学の知見を元にして編み出したものばかり。今夜から早速、実践できるのも魅力です。

肝臓がうまく働かなくなると何が起こる?肝臓の3つの働き

肝臓がうまく働かなくなると何が起こる?肝臓の3つの働き
kiko / PIXTA

葉石 基本的なことですが、肝臓はお酒(アルコール)を分解する臓器ですよね?

浅部 それだけではなく、肝臓はおもに、「解毒」「代謝」「胆汁の生成」という3つの働きを担っています。

葉石 3つも! 「お酒と関係する臓器」という部分ばっかり着目していました。まさに体の「肝」の臓器なんですね。

浅部 その通り。肝臓の最大の役割は、代謝です。三大栄養素といわれる糖質・脂質・たんぱく質を代謝し、摂取した栄養素を一時的に蓄えたり、別の物質へ変換したり、必要に応じてエネルギーとして消費します。

この「調整機能」によって、体内の状態が一定に保たれています。肝臓がうまく働かなくなると、この代謝機能が失われて生命維持ができなくなってしまいます。いわゆる、肝不全です。

腸内環境・メンタルにも影響。胆汁の意外な働き

腸内環境・メンタルにも影響。胆汁の意外な働き
阿部モノ / PIXTA

葉石 肝臓は、体内のバランスを維持するようにフル稼働してるんですね。先生、3つ目は胆汁の生成とのことですが、胆汁って何ですか?

浅部 一言でいうと、脂肪の消化を助ける消化液です。

葉石 おぉ、揚げ物ラブの私にはなくてはならないものですね。

浅部 最近の研究では、胆汁の主成分である胆汁酸の働きによって、腸内環境の維持にも関わっていることが明らかになっています。

葉石 胆汁が腸内環境を整えているとは! 腸内環境は、免疫機能にも関わるといわれていますよね?

浅部 そうです。腸内環境が乱れると、免疫機能が低下して疲れやすくなったり、感染症にかかりやすくなります。人の気分や睡眠に関わるホルモン、セロトニンの90%は腸で作られます。腸内環境の悪化は、睡眠障害やうつ状態も招くのです。

お酒は老化を早める!体の「糖化」「酸化」とは?

浅部 実は、お酒は老化を促進させる一因といわれています。

葉石 えー、ショックです(泣)。お酒の何が悪いんでしょうか?

浅部 まず注目すべきは、体内で糖とたんぱく質が結びついて生成(糖化)されるAGEs、体の「コゲ」といわれる最終糖化産物です。

浅部 このAGEs が老化を促進する物質で、肌のたるみやシワ、骨や血管の劣化に関与しています。アルコールの代謝で生じるアセトアルデヒドは、AGEs の生成を促す要因の一つなんです。

葉石 美容皮膚科の先生が、「お肌のためにも、お酒はなるべく控えてください」と言うのはこのことだったんですね。

お酒は老化を早める!体の「糖化」「酸化」とは?
プラナ / PIXTA

浅部 お酒を飲むことで酸化も促進されます。酸化はいわば体の「サビ」。酸化の主な原因は活性酸素です。活性酸素は本来エネルギー代謝の過程で生じるものですが、アルコールの代謝でも多く発生します。

浅部 活性酸素が過剰に発生すると、体の細胞や組織を傷つける「酸化ストレス」の原因になるんです。 その結果、DNA や細胞が傷つき、AGEs 同様、老化をはじめ認知症や生活習慣病を招いてしまうのです。

老けないおつまみで「最強のアンチエイジング飲み」のススメ

老けないおつまみで「最強のアンチエイジング飲み」のススメ
Key West / PIXTA

浅部 ただ、「お酒を飲んだら即、老ける」わけではありません。大事なのは、飲みすぎないようにすることです。

葉石 酒量がカギなんですね。節酒したことで、肌年齢が若返った理由がよくわかりました。あと糖化や酸化を予防する、おつまみなんてありますか?

浅部 糖化、酸化ともに予防してくれるのは、ビタミンC・E、ポリフェノールなどの抗酸化物質が含まれた食材を使ったものがおすすめです。

葉石 というとお酒だと赤ワイン、食材はブロッコリーやパプリカ、鮭やウナギあたりでしょうか。乾き物おつまみの代表選手・ナッツもよさそう。

浅部 正解です。ビタミンC は「水溶性」なので即効性、ビタミンE は「脂溶性」のため持続性があるので、一緒に摂ることで抗酸化力が相乗的に高まります。

葉石 今挙げた食材をうまく取り入れてワインに合わせたら、「最強のアンチエイジング飲み」になりますね! 今夜、早速試してみます。

次回の記事では、健康診断の数をもとに肝臓の状態をセルフチェックする方法を、肝臓専門医と一緒に確認します。

※本記事は、書籍『お酒がいつまでも飲める「100年肝臓」になる秘訣を教えてください!』より一部抜粋して構成しています。

もっと詳しく知りたい人は

もっと詳しく知りたい人は
『お酒がいつまでも飲める「100年肝臓」になる秘訣を教えてください!』葉石かおり・浅部伸一著(主婦と生活社)

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HALMEK up編集部
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