心臓力を上げる新習慣#2
50代以上のほとんどが「心不全」予備軍!?セルフチェックと対策
50代以上のほとんどが「心不全」予備軍!?セルフチェックと対策
公開日:2026年03月12日
教えてくれたのは、心臓専門医の大島一太(おおしま・かずたか)さん

大島一太(おおしま・かずたか)さん
大島医院院長・東京医科大学八王子医療センター循環器内科兼任講師。1996年、東京医科大学卒業。同大学院修了。かかりつけ医と大学病院を兼務する、心臓病のエキスパート。著書に『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』(かんき出版刊)など。
あなたは大丈夫?心不全セルフチェック
息切れ、動悸、手足のむくみなど、「年のせい」と思っている症状は、実は心臓に不具合が起こっているサインかもしれません。下のチェックリストで心不全の症状が出ていないか確認してみましょう。
【こんな症状はありませんか?】

- 息切れ、動悸がする
- 靴を履くときなど、かがみ込むと苦しい
- 夜間に咳が出たり、横になると息苦しく起きていると楽になる
- 夜中にトイレに起きることが多い
- 急激に体重が増えた(週に2kg以上の増加)
- 手足がむくむ(またはむくみがひどくなった)
- 手足が冷たく、慢性的な疲れを感じる
当てはまる数が多いほど心不全の可能性に注意!
上に挙げた7つの症状は、心不全のときに現れやすい症状です。「チェックリストの項目に当てはまるなら、まずはかかりつけ医に相談しましょう」(大島さん)
健康診断もチェック!結果は“縦に見る”ことが大事

血圧、血糖値、コレステロール、中性脂肪などの異常は、単独でも注意が必要ですが、複数が重なると、心臓病のリスクは足し算ではなく、掛け算のように跳ね上がります。
「健康診断の結果は各項目を横に見て基準値と照らし合わせるだけではなく、縦にも見て総合的にリスクを評価し、管理してください」と大島さん。
心臓専門医が教える!今日からできる心不全対策【日常生活編】
「心不全の可能性があったとしても、心臓力を高める“簡単習慣”を取り入れ、運動や食生活を見直すことで改善できます」と話す大島さん。心臓力を高め、寝たきりと突然死を防ぐために、今日から始めたい3つの対策(日常生活編・運動編・食事編)を教えてくれました。
「夏は、熱中症が心筋梗塞の引き金になることがあります。また、冬になると心臓突然死のリスクはさらに高まります。上流意識を持って、今から対策することが大切です」
日常生活にプラスαでOK!簡単習慣で心臓をいたわる
今回は、日常生活編をお伝えします。いつもの生活に、“健康ゆすり”やヒートショック対策など、ここで紹介する5つの簡単習慣をプラスするだけで、心臓力は高められます。
「朝起きたら血圧を測る習慣と、ストレスを回避する意識も大切。また、睡眠もしっかりとりましょう」と大島さん。
1:座り仕事の合間の貧乏ゆすりは“健康ゆすり”

英国の研究で、貧乏ゆすりがエコノミークラス症候群や変形性股関節症を防ぎ死亡リスクを下げるとの報告があります。「座っている時間は、貧乏ならぬ“健康ゆすり”を習慣にすればむくみも軽減します」
2:頭を使う作業は午前中に済ませてストレス回避
精神的なストレスは血圧を上げ、心臓に大きな負担をかけます。「頭を使いプレッシャーのかかる仕事は午前中に済ませた方が、午後は気楽に過ごせてストレスを軽減できます」と大島さん。
3:コーヒーは紙のフィルターで入れるのがおすすめ

エスプレッソなどではなく、紙のフィルターでろ過したコーヒーを1日4杯飲む人が最も死亡リスクが低いとの報告が。ただし、午後3時以降のカフェイン摂取は不眠になるので控えめに。
4:脱衣所と浴室の温度差をできるだけなくす
入浴中の突然死を防ぐには、夏は脱水に気を付け、冬は浴室と脱衣所の温度差をなくすのがポイント。入浴前に水分を補給し、お湯は38~40度が適温。胸までの半身浴で、10分以内の入浴がおすすめです。
5:朝のトイレ後に血圧を測り「隠れ高血圧」を発見!

起床後1時間以内のトイレ後、朝食前に背もたれのあるいすに座って1~2分安静にし、上腕の血圧を測りましょう。健康診断で正常でも夜間や朝の血圧が高い「隠れ高血圧」が見つかる場合も。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
次回は、運動編と食事編の対策をご紹介します。
取材・文=福島安紀、イラストレーション=熊本奈津子、構成=新井理紗(ハルメク編集部)
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年8月号を再編集しています。




