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- 「脳のゴミ」をためない!認知症を予防する賢い食事法
認知症を遠ざける上で、一番大切とも言われる毎日の食事。そこで注目されているのが、脳のダメージにつながる要因を増やさせない食事法「ケトフレックス12/3」です。脳を元気にする食事法について、ブレインケア専門医の今野裕之先生に教えてもらいます。
認知症の原因になる脳のゴミとは?
認知症の約6割を占めるアルツハイマー病は、脳のゴミとも呼ばれる「アミロイドβ」という特殊なタンパク質の蓄積が原因の一つとされています。
アミロイドβは「体内の炎症」「栄養不足」「毒素(水銀や化学物質)」などによって増えてくることがわかっていますが、これらと深く関わってくるのが毎日の食事です。
主食として口にすることが多い白米やパン、麺類などの炭水化物中心の食生活は血糖値が高くなりやすく、ビタミンやミネラルなどの栄養素が不足しがちになります。また揚げ物や加工食品ばかり食べていると炎症が起こりやすくなり、血管が傷つき、硬くなります。すると脳に栄養がスムーズに届きにくくなり、脳の機能低下につながります。
そこで注目されているのが、アミロイドβをそもそも増やさせないようにする食事法「ケトフレックス12/3」。脳のダメージとなる要因を取り除く食事法で、脳の元気をサポートしていきましょう。
野菜中心の献立とプチ断食で脳の元気をサポート
「ケトフレックス12/3」は、野菜中心の献立と、12時間のプチ断食で脳の元気をサポートする食事法です。ケトは「ケトン体」、フレックスは「緩やかな菜食主義」、12/3は時間をあらわしています。
ブレインケアクリニック名誉院長・今野先生によると、ケトン体はブドウ糖と同じく脳のエネルギー源になる物質なのだとか。
「アルツハイマー病になると、脳のエネルギー源であるブドウ糖をうまく取り込めなくなり、脳が慢性的なエネルギー不足になります。そのブドウ糖の代わりとなるのがケトン体。体内にケトン体をたくさん作りだせば、脳のエネルギー不足が解消できます。また、ケトン体自体に炎症を抑える作用や神経を保護する作用など、認知症を予防する様々な効果があることがわかっています」(今野先生)
ケトン体はアルツハイマー病の脳でもエネルギーとして利用できる物質。そこで、食事の工夫によって体内のケトン体を増やし、エネルギー源として活用できる状態にもっていこうというのが「ケトフレックス12/3」食事法です。
脳のダメージを減らしつつエネルギー不足も補えれば、脳の活性化が見込めます。認知症が気になる世代はもちろんのこと、まだ若い50~60代からこの食事法を取り入れていけば、若々しい脳を保つのに役立ちそうです!
今日から実践!ケトフレックス12/3食事法5つのポイント
今野先生によると「ケトフレックス12/3」食事法では、どんなものを、いつ食べるかが大切だそう。そこで、「ケトフレックス12/3」を実践するうえで大切なポイントを5つ教えてもらいました!
1.良質な脂質でケトン体を作りやすく
良質な油は、認知機能低下を遠ざけるポイントの一つ。中でもおすすめは、ケトン体の原料となる中鎖脂肪酸を含むココナッツオイルやMCTオイルです。特に、“C8”もしくは “カプリル酸” と呼ばれる中鎖脂肪酸が多いものがケトン体になりやすいのでおすすめです。
摂取量の目安は、1日に大さじ1~2杯。おかずや飲み物にかけるなどして取り入れていきましょう。いきなりたくさん取ると、お腹を壊したりすることがあるので気をつけてください。
他にオリーブオイルやエゴマ油、アマニ油なども良質な油としておすすめです。オリーブオイルには悪玉コレステロールを減らす、エゴマ油やアマニ油には血流を改善する、炎症を抑えるなどの効果が期待できます。
2.野菜中心の献立を!葉物野菜を多く取ろう
野菜中心の献立は、食後の血糖値の上昇を緩やかにし、ケトン体を作りやすくする働きがあります。また、野菜は抗酸化作用や抗炎症作用を持つポリフェノールなどの栄養素を含んでいるため、たくさん食べるとアミロイドβ蓄積の原因になる体の酸化や脳の炎症を抑える効果も期待できます。
中でもレタスやキャベツ、小松菜などの葉物野菜は、アミロイドβの蓄積を抑える葉酸が多く含まれているので積極的に取りたいところ。葉物野菜を中心に、毎食手のひら一杯くらいの野菜を食べるよう心掛けましょう。
さらに、脳の機能維持に役立つとされる働きのある食べ物を取り入れるのもおすすめ。例えばウコンに含まれる「クルクミン」は、記憶力や注意力を維持する働きが報告されています。香辛料として風味づけにも使えるので、気軽に取り入れられますよ。
3.糖質を控え、タンパク質をしっかり取る
糖質の摂取が多いと、ケトン体が作られにくくなることがわかっています。砂糖はもちろん、パン・パスタ・小麦・米などの炭水化物や、お菓子・インスタント食品などの加工食品、糖分の高いフルーツなどは取り過ぎないように注意しましょう。ドレッシングやケチャップなどの調味料にも意外と多くの糖質が含まれている場合があるので、使い過ぎには気を付けて。
そして、糖質を減らしても元気に活動していくために欠かせないのがタンパク質です。タンパク質を多く含む食品には脳内の神経伝達物質の材料になるコリンが豊富で、記憶力などの認知機能を高める働きも期待できます。大豆製品や魚、卵、乳製品などからバランスよくタンパク質を取るように意識しましょう。赤身の肉、とくにハムやソーセージのような加工した肉製品は控えた方が良いでしょう。
4.食べる順番を工夫する
食事の際は、米やパンなどの炭水化物からではなく、野菜などのおかずから食べるようにすると血糖値が急激に上がりにくくなります。さらに、よく噛みながらゆっくり食べることも大切。噛むこと自体が脳の刺激になりますし、消化もよくなって一石二鳥です。
5.寝る3時間前までには夕食を終えよう
「寝る3時間前までに夕食を終える」「夕食から朝食まで12時間空ける」ことで、細胞内をきれいにして体の老化を遅らせるオートファジーというメカニズムが動き出します。
また、絶食時間を設けることにより血糖値が低く保たれていると、ココナッツオイルやMCTオイルを取らなくても体内でケトン体がたくさん作り出され、自然に体がケトン体をエネルギー源とする状態になります。その結果、脳にも栄養が届きやすくなるのです。
「ケトフレックス12/3」食事法は、毎日続けることで認知症発症の予防効果がさらに高まると考えられています。
脳の元気のカギは毎日の食事にあり! 将来の脳の健康のために、50代から賢い食事法を取り入れていきたいですね。
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