眠れない!更年期以降増える悩みは「睡眠休養感」が鍵

2024年04月26日

睡眠休養感を高めてスッキリ目覚めを手に入れよう#1

眠れない!更年期以降増える悩みは「睡眠休養感」が鍵

あなたは今朝、スッキリとした気分で起きられましたか? 実は長時間眠っているつもりでも、睡眠の「質」が低いと、健康を害するリスクが高くなることが最近の研究でわかってきました。まずは、あなたの睡眠状況をチェックしてみましょう。

教えてくれた人:栗山健一(くりやま・けんいち)さん

教えてくれた人:栗山健一(くりやま・けんいち)さん

医師。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部部長。1999年、筑波大学医学専門学群卒業。2003年、東京医科歯科大学大学院修了。米国ハーバードメディカルスクール留学、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所、滋賀医科大学精神医学講座准教授などを経て、19年から現職。専門は睡眠障害。日本睡眠学会理事を務める。

更年期以降、眠りの悩みはなぜ増える?

更年期以降、眠りの悩みはなぜ増える?

寝付きが悪い、途中で目が覚める、熟睡できない……。更年期以降、こんな訴えが増えるのはなぜでしょうか。

「まず女性ホルモンの減少が考えられます。更年期以降は眠りを深くする女性ホルモンのエストロゲンが減るため、睡眠が浅くなりがちです。さらに加齢とともに体内時計の機能も弱まり、昼間は起きて夜は眠るという覚醒と睡眠のメリハリも小さくなってきます。

このため夜中に何度も目が覚める半面、昼間に眠気やだるさが生じ、ぐっすりと眠れる時間が減ってきます」と国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長の栗山健一さんは話します。

65歳以上で健康を害す!ダメな睡眠習慣とは? 

65歳以上で健康を害す!ダメな睡眠習慣とは? 
国立精神・神経医療研究センターなどの研究グループが、40歳以上の5804人を対象に睡眠休養感と床の中で過ごす時間、死亡リスクとの関係を調べた(追跡期間は平均約11年)。
※上のグラフは65歳以上の人の結果
出典:Scientific Reports; doi: 10.1038/s41598-021-03997-z

栗山さんらは2022年、睡眠習慣と健康に関する興味深い報告をしました。65歳以上の人を調べた結果、床の中で過ごす時間が長く、「睡眠休養感」が低い人は、そうでない人に比べ死亡リスクが高いことがわかったのです(上グラフ)

睡眠休養感とは、朝起きたときに睡眠によって体が休まったと感じられることで、睡眠の質を表します。

「加齢とともに必要な睡眠時間は短くなりますが、若い頃と同じようにたくさん眠ろうとする人が少なくありません。床に入ってもなかなか寝付けないので寝床で過ごす時間が長くなり、朝の睡眠休養感も得られにくくなる。そんな睡眠習慣が不安やストレスを高めたり、不眠を招いたりして健康を害するリスクになると考えられます」(栗山さん)

良い眠りに必要な3つの条件

よい眠りには、睡眠の質(睡眠休養感)と量(必要な睡眠時間)に加え、もう一つ条件があります。睡眠時無呼吸症候群やうつ病、脚の不快感でじっとしていられない「むずむず脚症候群」など、睡眠を妨げる病気がないことです(病気については、次回解説します)。

「これらの病気があると夜に十分眠れないだけでなく、日中に眠気に襲われるなど生活にも支障が出ます」と栗山さん。

まずはあなたの睡眠状況をチェックしましょう

まずはあなたの睡眠状況をチェックしましょう

1.今朝起きたとき、昨晩より体がスッキリしていると感じましたか?

(A)感じる  → 睡眠休養感あり

(B)感じない → 睡眠休養感を高めましょう

2.昨晩は5~8時間眠りましたか?

(A)はい  → 睡眠時間は足りている

(B)いいえ → 睡眠時間を増やしましょう

3.日中、急な眠気に襲われて困っていますか?

(A)いいえ → 病気の可能性は低い

(B)はい  → 睡眠を妨げる病気の可能性があります【受診を!】

まずはあなたの睡眠状況をチェックしましょう

1.睡眠休養感あり、2.睡眠時間は足りている、3.病気の可能性は低い。この3つがそろうと「よい眠り」といえます。

次回は、眠りに悩む大人のための「正しい眠り方」についてお伝えします。

取材・文=佐田節子、イラストレーション=かわべしおん、構成=大矢詠美(ハルメク編集部)

※この記事は雑誌「ハルメク」2023年7月号を再編集しています

■もっと知りたい■
次回:【2】更年期以降“眠り”に悩む人のための「正しい眠り方」
【3】目覚めスッキリ「睡眠休養感」を高める8つの生活習慣



 

雑誌「ハルメク」
雑誌「ハルメク」

女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら

みんなの コメント
【限定コラボ】職人技が光る!ハルメク×マエノリのセーター誕生秘話

子どもに残すべきはお金?不動産?どちらがお得?

子に遺すべき資産は?

「現金」か「不動産」か…どっちが得?メリット・デメリットは?相続や親族間のトラブルに悩まされないためにしておくべき準備とは

2024.12.12
【PR】鼻への重量感・違和感のストレスから解放!

「ふわっ」と軽いメガネ♥

メガネがずり落ちる・鼻の頭が重いなど、メガネのプチストレスにサヨナラ!あっと驚く程つけ心地抜群のメガネをぜひお試しください

2024.12.17
【PR】始めるなら相談できる「対面証券」がおすすめ

資産運用の悩み解決!

「よくわからない」「挫折した」そんな人も安心!「対面証券」なら、口座開設から商品選びまで相談しながらカンタンに資産運用できる♪

2024.12.17
【PR】「渋滞の文字で……」トイレ事情あるある

突然の我慢できない尿意

実は多くのハルメク世代が悩んでいる「尿トラブル」…中には上手に対策をしている人も!気軽にできる対策って?

2024.12.10
【PR】個人情報の上手な管理・整理術とは

個人情報管理できてる?

銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が…

2024.12.09
【PR】三井住友銀行アプリにシンプルモードが登場

お金の管理が簡単に!

三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です!

2024.11.29
認知症セルフチェック

認知症セルフチェック

「もの忘れが増えた」「名前が思い出せない」という症状に心当たりがある方は要注意!それ、「認知機能のレベル低下」が原因かもしれません…

2024.11.22
デジタル資産の遺し方

生前親に●●聞き忘れると

老親の契約や登録しているサービス、これらを子が把握していないと将来ムダな出費や面倒なトラブルに発展する可能性が!特に見落としがちなのは…

2024.10.11
【PR】50代からの願いを叶える新しい資金調達術

50代~お金の増やし方

将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか?

2024.11.20
【PR】たった60日で英語が話せる!3つのコツ

60日で英語が話せる!

英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは?

2024.08.29
認知症のリスクを確認してみませんか?

今なら無料でお試し!

将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます!

2024.08.08
【PR】頼れる家族がいない……入院・入居どうする?

おひとり様の備えはOK?

この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生!

2024.07.22