睡眠休養感を高めてスッキリ目覚めを手に入れよう#2

更年期以降“眠り”に悩む人のための「正しい眠り方」

更年期以降“眠り”に悩む人のための「正しい眠り方」

更新日:2025年05月01日

公開日:2024年04月26日

更年期以降“眠り”に悩む人のための「正しい眠り方」

年齢とともに変化する睡眠、お悩みの方も多いのではないでしょうか? よい眠りの3大条件は「睡眠休養感」「必要な睡眠時間の確保」「睡眠の質を低下させる病気がないこと」。今回はこれらの条件を満たす正しい眠り方について解説します。

教えてくれた人:栗山健一(くりやま・けんいち)さん

教えてくれた人:栗山健一(くりやま・けんいち)さん

医師。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部部長。1999年、筑波大学医学専門学群卒業。2003年、東京医科歯科大学大学院修了。米国ハーバードメディカルスクール留学、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所、滋賀医科大学精神医学講座准教授などを経て、19年から現職。専門は睡眠障害。日本睡眠学会理事を務める。

睡眠休養感を高める正しい眠り方

睡眠休養感を高める

眠れないのに床にいるのはやめましょう 

睡眠休養感を高めるには、睡眠の質を低下させる悪しき習慣を改めることが重要。まず見直したいのが床の中で過ごす時間です。

「8時間以上という方は少し床の中にいる時間を短くするよう心掛けましょう。

例えば時間が来たから寝るのではなく、眠くなってから床に就く。途中で目が覚めてしまったら、いったん床から出てリラックスして過ごし、再度眠くなったら寝床に戻る。そして寝床での読書やスマホをやめる、などですね。

床の中での時間を短くすることで、睡眠の質が上がる可能性があります。試してみてください」(国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長の栗山さん)

必要な睡眠時間を確保する

必要な睡眠時間を確保する

最低でも5時間は眠りましょう

睡眠時間は年齢とともに減っていくもの。若い頃のように長時間眠れないのは、ごく自然な変化だと栗山さんは話します。

「必要な睡眠時間は、活動量や成長の度合いに応じて変わります。一般に60歳頃になると6時間程度が標準的。もちろん個人差がありますから、5~8時間の間なら問題ないといえます」

多過ぎる場合は前述の通り、床にいる時間が増えて睡眠の質を低下させている可能性があります。一方、5時間未満の状態が慢性的に続いている場合は明らかな睡眠不足。睡眠時間をもっと増やしましょう。

睡眠を妨げる病気がないか確かめる

よく眠れない、眠りが浅いといった睡眠の悩みに加え、日中の眠気にも困っているなら、睡眠を妨げる病気が隠れている可能性があります。

まずは睡眠時無呼吸症候群。睡眠中に気道が狭くなって、呼吸が浅くなったり止まったりします。

「女性ホルモンの減少による呼吸筋の低下が一因と考えられています。放っておくと高血圧や糖尿病などの病気も生じやすくなるので気を付けて」と栗山さん。

うつ病にも注意をしましょう。不眠や中途覚醒が、うつ病のサインであることも珍しくありません。また脚の不快感から睡眠が妨げられる、むずむず脚症候群も。鉄欠乏性貧血が原因で起こることもあります。これらは更年期以降に増える病気です。

下のチェック表の症状に心当たりがある人は、睡眠を妨げる病気が隠れている可能性があります。心当たりのある方は早めに受診しましょう。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群

  • 睡眠中にいびきをかいている
  • 日中、倦怠感が強い
  • 日中、居眠りしてしまう

うつ病

うつ病

  • 夜眠る時間を確保しているにもかかわらず眠れない(すぐ目が覚めてしまう)
  • 食欲がなく、体重が減った
  • 気力が低下し、家事などをするのも一苦労

むずむず脚症候群

むずむず脚症候群

  • じっとしていると脚がむずむずするような不快感がある
  • 脚を動かさないではいられない
  • 症状は夕方から夜に出る

一人で悩まず睡眠外来で相談しよう

一人で悩まず睡眠外来で相談しよう

「よく眠れなくて昼間の生活にも支障をきたしている方は、一人で悩まず、ぜひ医師に相談を」と栗山さんはアドバイスします。

上のチェック表で睡眠を妨げる病気の心当たりがある、睡眠の悩みをずっと抱えている、睡眠薬が必要なほど困っているといった方は、自己判断でなんとかしようとせず、睡眠外来や睡眠の専門医のいる医療機関で早く診てもらいましょう。

インターネットで「睡眠医療認定一覧」というワードで検索すると、都道府県ごとの「日本睡眠学会専門医」と「日本睡眠学会専門医療機関」がわかりますので、参考にしてください。

取材・文=佐田節子、イラストレーション=かわべしおん、構成=大矢詠美(ハルメク編集部)

※この記事は雑誌「ハルメク」2023年7月号を再編集しています。

雑誌「ハルメク」
雑誌「ハルメク」

女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら