50代からのピラティスはじめてガイド・5

腰痛に効くピラティス!50代におすすめ簡単ポーズ3選

腰痛に効くピラティス!50代におすすめ簡単ポーズ3選

更新日:2025年11月09日

公開日:2023年08月09日

腰痛に効くピラティス!50代におすすめ簡単ポーズ3選

ピラティス・ヨガ専門スタジオzen placeのインストラクターが、50代からの腰痛ケアに役立つピラティスをやさしく解説。骨盤の歪みやインナーマッスルに注目しながら、自宅でできる基本のポーズ3選と続けるコツを紹介します。

執筆者プロフィール:zen place pilates エデュケーター Satoko

zen place pilates エデュケーター Satokoさん

所属スタジオ名:zen place pilates 横浜 / BASI Pilates Senior Faculty
東京都出身。幼少期をアメリカで過ごし、現在は茅ヶ崎市在住。

初めてスタジオを訪れたとき、そこにいる人たちの凛とした姿勢と目の輝きに感動し、「私もこんなふうに歳を重ねたい」と思ったのがピラティスとの出合いでした。気付けば人生の1/3以上をピラティスとともに過ごしています。

現在はスタジオレッスンに加え、BASI Pilatesインストラクター養成、社内エデュケーター育成を担当。側弯症や椎間板ヘルニアなど、専門的なケアが必要な方向けのプライベートレッスンも行っています。

なぜピラティスが腰痛ケアに向いているの?

ピラティスは腰痛の予防・痛みの改善に効果的

みなさん、こんにちは! zen place pilates エデュケーターのSatokoです。今回は、「腰痛が気になる方におすすめのピラティス」についてお話しします。

第1回では、50代がピラティスを行う主な目的として、姿勢改善・肥満解消・腰痛改善をご紹介しました。ピラティスはもともとリハビリから生まれたエクササイズで、腰痛の予防や、慢性的な腰の不調を抱える方のリハビリにも多く取り入れられています。

特徴は、背骨を丸めたり伸ばしたりする動きを、呼吸に合わせて繰り返すこと。これにより背骨まわりの筋肉や関節がやわらかく保たれ、同時に体幹が鍛えられていきます。その「背骨の動き」と「体幹の安定」の両方が、腰への負担を減らす鍵になります。

腰痛の大きな原因「骨盤の歪み」とインナーマッスル

インナーユニットのイラスト
骨盤底筋群・腹横筋・多裂筋・横隔膜の4つの筋肉「インナーユニット」を鍛えられる

腰痛の背景には、骨盤の位置や姿勢のクセが関わっていることが少なくありません。腰がつらいと、無意識にかばう姿勢をとってしまい、それがさらに腰や股関節、首・肩など別の場所に負担をかける……という悪循環に陥ることもあります。

ピラティスでは、骨盤を「前に倒しすぎない・後ろに寝かせすぎない」中立の位置に戻す意識を持ちながら動きます。さらに、

  • 骨盤底筋群(骨盤の底をハンモックのように支える筋肉)
  • 腹横筋(お腹の一番深いところでコルセットのように囲む筋肉)
  • 多裂筋(背骨のきわを支える細かな筋肉)
  • 横隔膜(呼吸の要になる筋肉)

といった4つの筋肉=「インナーユニット」を総合的に鍛えることで、骨盤と背骨を無理なく支えられる体づくりを目指します。

この「骨盤の位置を整える」「インナーマッスルを目覚めさせる」という2つの循環が生まれると、腰の負担軽減だけでなく、肩こりや首こりなど全身の不調の改善も期待できます。

ピラティスが腰痛対策に役立つ4つのポイント

ピラティスが腰痛改善に効果的な4つの理由

ここからは、ピラティスが「腰痛が気になる世代」におすすめの理由を、4つのポイントに分けてご紹介します。

1)背骨を支えるインナーマッスルを強くする

年齢とともに、お腹まわりや背中の深い部分の筋肉(インナーマッスル)は少しずつ衰えやすくなります。ピラティスでは、手足を大きく動かすだけでなく、「お腹を薄く保つ」「背骨を長く伸ばす」といった細かな意識を持って動きます。

その結果、筋肉が身体の内側にコルセットのような支えをつくり、背骨がぐらつきにくい状態に。背骨の位置が安定すると、「ずれ」や「反り」からくる腰の違和感が起こりにくくなります。

2)脊椎の動きを取り戻し、負担を分散させる

本来、背骨は1本の棒ではなく、小さな骨が連なったしなやかな柱です。しかし、同じ姿勢を長時間続けたり、運動不足が続いたりすると、背骨まわりの筋肉が硬くなり、一部だけが頑張る状態になりがちです。

ピラティスでは、背骨を丸めたり、反らしたり、ねじったりしながら、1つ1つの背骨が順番に動くイメージでエクササイズを行います。これにより、頭や上半身を支える力が全体に分散され、腰だけに負担が集中しにくくなります。

3)左右差を整えて「歪みにくい体」に

利き手・利き足があるように、私たちの体には必ず左右差があります。それ自体は悪いことではありませんが、差が大きくなると、片側だけに負担がかかりやすくなります。

ピラティスは、基本的に左右同じ回数・同じ順番で動くのが特徴。バランスよく筋肉を使う習慣がつくことで、片側だけに過度な負荷がかかりにくい体に近づきます。結果として、腰痛の予防・軽減にもつながっていきます。

4)胸式呼吸でリラックス&集中

ピラティスでは、胸全体を広げるような「胸式呼吸」を用います。鼻から吸って、肋骨(ろっこつ)の横や後ろに空気が入るイメージで息を入れ、口から長く吐き出す呼吸です。

深い呼吸に意識を向けることで、自然と体の力みが抜け、リラックス&集中の状態に。呼吸のリズムに合わせてゆっくり動くことで、「今、この瞬間の体」に意識を向けやすくなり、ちょっとした不調にも気付きやすくなります。

腰痛予防におすすめのピラティスポーズ

腰痛対策では、

  • 背骨を支えるインナーマッスルを鍛えること
  • 硬くなった筋肉をストレッチでほぐすこと

この2つをバランスよく行うことが大切です。ここからは、ご自宅でも取り入れやすい3つのポーズをご紹介します。体調に合わせて、痛みのない範囲で行ってくださいね。

キャットストレッチ

キャットストレッチ

背中を猫のように丸めたり、長く伸ばしたりするポーズです。背骨を上下に動かすことで、背中から腰にかけての筋肉をやさしくほぐし、柔軟性を高める効果が期待できます。

  1. 四つん這いになり、肩の下に手首、股関節の下あたりに膝をつきます。
  2. 息を吐きながら、おへそをのぞき込むように背中を丸めます。肩甲骨が離れていくのを感じましょう。
  3. 息を吸いながら、背中をフラットに戻し、背骨を遠くへ伸ばすように意識します。

呼吸に合わせて、ゆっくり5〜10回を目安に繰り返します。首や腰に痛みが出る場合は、無理をせず小さな動きから始めてみてください。

スパインツイスト・スーパイン

腰まわりの筋肉をほぐしながら、股関節の動きもよくしていくポーズです。体幹も使うため、ウエストまわりのシェイプアップや腰の安定感アップにもつながります。

  1. 仰向けに寝て、両膝を90度に曲げます。両腕は肩の高さで横に広げ、手のひらを床に。
  2. 肩甲骨を床から離さないようにしながら、息を吐きつつ、両膝をそろえたままゆっくり右側へ倒します。
  3. 無理のないところまで倒したら、息を吸いながら膝を真ん中へ戻します。
  4. 同じように左側へも倒し、左右交互に繰り返します。

※左右両方で1セットとし、10セットを目安に。腰まわりが心地よく伸びている感覚があればOKです。

レッグリフト

股関節をスムーズに動かしながら、体幹の安定感を高めるポーズです。姿勢が安定してくると、日常の立ち姿や歩き方で腰にかかる負担も自然と軽くなっていきます。

  1. 骨盤を逆三角形にイメージしながら、足を骨盤の幅に開いて、まっすぐに立ちます。
  2. 右足を持ち上げ、膝が90度になる位置で少しキープします。このとき、お腹を軽く引き入れ、背筋を伸ばしたまま保ちます。
  3. 足が床につかないように、ゆっくり元の位置へ戻し、再び90度まで上げます。
  4. 反対側の左足も同様に行います。

※左右の足で1セットとして、1日に5セットを目安に。ふらつく場合は、壁や椅子の背もたれに軽く手を添えて行いましょう。

腰や股関節まわりが心地よく「使われている」感覚があれば◎。痛む場合や違和感が強いときは、無理をせず中止してください。

腰痛対策では、筋肉や関節の柔軟性を高めつつ、インナーマッスルで「支える力」を育てていくことが大切です。心も体も軽くなるピラティスを、日々のセルフケアとして少しずつ取り入れてみませんか。

※効果の感じ方には個人差があります。動かしてみて強い痛みや違和感がある場合は無理をせず中止し、必要に応じて医療機関を受診してください。急な痛み(ギックリ腰など)のあるときは、自己判断で行わないようにしましょう。

協力:zen place

 

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