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- 化粧品、ぎゅっと力を入れてつけていませんか?
優秀な化粧品を正しい順番でつけても、つけ方を間違ってしまうと、その効果は半減することを知っていますか? そもそも正しい付け方って? 化粧品の基本的なつけ方を教えてもらいました。
化粧品は、小鳥の背中をなでるようにつける
「化粧品はどれをどの順番で使えばいい?」とよく聞かれますが、選び方や順番よりむしろ気になるのが、つけ方。とくにクリームは力を加えてマッサージしながら塗りこんでいる人が多いようですが、これは大間違いです。
化粧品は浸透させるもので、圧をかけてすり込んだり、叩きこむものではありません。
化粧水のパッティングやマッサージなど、化粧品の成分を肌の奥まで届けようと思えば思うほど、力が入ってしまう人が多いようです。化粧品は肌にのせれば浸透します。塗りこんでも奥に入ってはいきません。むしろ、肌に圧をかけてすり込むのは、肌を必要以上に刺激するので逆効果です。
化粧品をつけるとき参考にするといいのが、エステティシャンの指先の力加減。彼女たちは、小鳥の背中を軽くなでるぐらいのやさしいタッチで肌に触れます。その圧力はだいたい30〜70g程度。卵を手のひらに一個持つときよりも軽い圧で、指を肌の上に置いているのです。
とくにマッサージというと、指圧や揉みほぐしをイメージしてしまう人が多いようです。ですが、美容のマッサージは筋肉に圧をかけず、やさしく撫でるようにするのが基本。それはクレンジングや化粧品のつけ方でも同じです。
つけながら鏡を見るとよくわかりますが、顔が歪むくらいクリームを塗り込んでいる場合は、300〜500gの圧がかかっています。大半の人は圧がかかりすぎているので、今の10分の1程度の力加減を意識してみるといいでしょう。
硬いものは置くように、柔らかいものは伸ばしてつけるのが基本
化粧品のつけ方は、テクスチャー(濃度)に合わせるのが、一番わかりやすいでしょう。
つけるときは、肌を引っ張って伸ばさないように。伸びた部分は、将来的にたるみます。
シミやシワ用のクリームは硬めの質感のものが多いのが特徴です。これは、クリームをピンポイント(点)で置くために、あえて硬めにつくられています。ですが、この固めの質感、なかなか肌になじまないと強引に肌の上で伸ばして擦り込んでいる人がとても多いです。これは逆にシワやたるみをつくるもとになります。肌の上に置いて、指先でやさしくトントントンと押さえるように肌にのせてください。
逆に、乳液や美容液は、柔らかいテクスチャーのモノがほとんど。顔全体(面)に伸ばしやすいようにつくられているので、指に圧をかけず、まずは顔全体に滑らすようにつけます。すーっと伸ばして、こめかみや鼻の脇などのポイントで止める、これを繰り返しながらつけていくのがプロのテクニックです。
硬い肉にソースは滲みない。それはスキンケアも同じ
化粧水もタイプによってつけ方は異なります。
収れんタイプはコットンでパッティング、保湿タイプは手肌の温度で温めて顔に置くように広げてつけます。
本来、肌にはバリア機能が備わっていて、外から悪いものが侵入しないような仕組みができています。肌になんでも浸透してしまったら、肌だけでなく体がダメージを受けてしまうからです。でも、美容成分は浸透させたいですよね。だからこそ、化粧品が入りやすい状態に肌を整える工夫も必要です。
保湿タイプの化粧水を浸透させたいなら、蒸しタオルやスチーマーで肌を温めてからつけるのが効果的。ステーキを思い出してください。冷えて硬くなったお肉は、室温に戻してから焼きますよね。これはお肉のタンパク質を柔らかくするため。柔らかいお肉の方がソースもよくしみ込みます。これは、肌も同じ。冷たく硬くなった肌より、温まった柔らかい肌の方が、化粧水は浸透します。
また、叩くことで生じるエネルギーが肌を温めるので、軽くパッティングするのもいいでしょう。ですが、パッティングで肌が冷える、という人は、化粧水の量が多すぎです。汗やほてりを抑えるために冷やしたい時は化粧水をたっぷりつけたほうがいいですが、保湿では肌が冷えるのでNG。冷えない量を調節してみてください。また、肌は叩くことで鍛えられたりしませんので、力加減はあくまで軽めが原則です。
フェイスマスク(パック)をのせすぎていませんか?
ところで、フェイスマスクを長時間のせっぱなしにしていませんか?
マスクの湿り気がなくなるまでのせた方がたっぷり美容成分が入る、そう思っている人もいるようですが、それは間違いです。
皮膚には許容範囲があって、フェイスマスクをどんなに長時間のせても入っていく美容成分の量は変わりません。むしろ、皮膚がふやけた状態になるので逆効果。お風呂上がりのふやけた肌は、水分が蒸発して乾燥しやすい状態になります。これは顔も同じで、フェイスマスクで肌がふやけてしまうと、せっかく補給した成分が水分と一緒に抜けていってしまいます。製品に示された時間を守りましょう。
効果を求めると、ついついがんばってやりすぎてしまいますが、スキンケアはやさしいタッチが基本です。スキンケアを長年やっていると、癖で無意識にぎゅっと力を入れ、肌に負担をかけていることもあります。
少し客観的に、どれくらいの力加減でスキンケアをしているか、チェックしてみるといいでしょう。
取材・文=田中優子 メインカット撮影=中西裕人 ヘアメイク=小島けさき モデル=桂智子
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