菅沼薫さんに聞く、今の自分に合う美容法(4)

「コラーゲン配合」に惑わされていませんか?

菅沼 薫
2018/08/29 18

コラーゲンはすべての肌悩みに応えてくれる万能選手。そう思っていませんか? 第4回は、“ハルメク”世代の肌とコラーゲンの関係をクローズアップ。巷に溢れるコラーゲン配合化粧品の効果や、コラーゲンの増やし方を菅沼薫さんに教えてもらいました。

コラーゲン入りを信じるか?
【目次】
  1. 皮膚のコラーゲンのはたらきって? 
  2. コラーゲンは肌の中に入る。これって嘘、本当?
  3. 真皮層のコラーゲンは、食べて増やす
  4. 外からのコラーゲンは保湿、中からのコラーゲンは再構築

皮膚のコラーゲンのはたらきって? 

コラーゲン=お肌プルプル、そんなイメージを持っている方も多いと思います。コラーゲンを化粧品やサプリで補えば、本当に肌はプルプルになるの? その話をする前に、まずはコラーゲンについて簡単におさらいしましょう。

コラーゲンとは、体を構成するタンパク質の一種。19もの種類があって、体のあちこちで細胞同士を結びつけたり、臓器を支えるなどの役割を果たしています。また、皮膚の主要な成分の一つでもあります。

皮膚のコラーゲンは肌の土台部分である真皮層に存在し、ハリと弾力で皮膚を支えています。

皮膚イメージ
※イメージ

上の図からもわかるように、コラーゲンは粒々ではなくコイル(*)のような形状をしています。このコイルは、なんと約1000個ものアミノ酸が繋がった鎖3本でできています。

この形状が似ているためか?皮膚のコラーゲンのはたらきは、よくベッドマットのスプリングに例えられます。スプリングに弾力があれば押しても戻ることができるので、マットはピンと張った状態を保てます。ですが、弾力がなくなると凹んだままに…。これは肌も同じ。皮膚のスプリングであるコラーゲンの量が減ってしまったりヘタってしまうと、弾力とハリがなくなり、凹みやシワ、たるみが生じてしまうのです。

(*)コイル:針金や紐などをらせん状や渦巻状に巻いたもの

 

コラーゲンは肌の中に入る。これって嘘、本当?

加齢に伴う皮膚とコラーゲンの変化
18)Shuster S,et al :Br.J.Dermatol.,93:639-642,1975

皮膚を支えてハリをもたらすコラーゲンは、体内でつくられています。ですが、つくる力は年齢とともに低下。皮膚のコラーゲンは、上のグラフの通り40歳を過ぎると減っていきます。年齢肌にハリがなくなり、シワやたるみができるのはこのためです。

「だからコラーゲン配合の化粧品をつけて真皮のコラーゲンを増やすんですね!」そう思っている人もいるようですが、それは間違い。

現時点の化粧品では、皮膚の外から真皮にコラーゲンを入れることはできません。せいぜい、入るのは表皮の角質層までです。

コラーゲンは分子が大きく、角質層までしか浸透しません。そのため、コラーゲン配合の化粧品をつけても、真皮のコラーゲンを直接増やすことはできません。ではなぜ化粧品にコラーゲンが配合されているのか? それはほとんどの場合が皮膚を保湿するためです。

コラーゲンは、水分を抱え込んで肌をうるおいで満たす保湿成分でもあるのです。

コラーゲンは肌の万能選手!と 思っていた方は、「それだけ?」とちょっとがっかりするかもしれませんが、保湿は美肌維持の要。皮膚は角質層にうるおいがあることで健やかな状態を保つことができ、内側からの動きを活発にすることができます。また、乾燥によってできた浅いシワも解消されます。コラーゲン配合の化粧品は、プルプルの源となる肌のうるおいを維持する上で効果的。

コラーゲン配合の化粧品は、真皮のコラーゲンを増やして深いシワやたるみを解消するものではなく、皮膚を保湿することでハリを保ち乾燥シワを解消するものと考えるとよいでしょう。


ですが、現在の化粧品の進化は目覚ましい!より低分子化したコラーゲンを配合したものや、真皮のコラーゲンのはたらきをよくしたり、よみがえりをサポートする成分配合の化粧品が発売されるようになりました。


真皮のコラーゲン等に直接作用して増やすものではないですが、老化や紫外線、環境のさまざまな刺激によって体内のエラスチンやコラーゲンなどの繊維が分解されるのを抑える効果がある成分が見つかって、この有効成分を含む新しい化粧品が発売されています。

コーセー

 

コーセーコラーゲン成分配合化粧品

 

左から、ルシェリ オイル イン クレンジング ジェル 140g 2700円、同 クリームウォッシュ  140g 2376円、同リフトグロウ ローションⅡ 160ml 2916円、同 リフトグロウ エマルジョンⅡ120ml  3240円、同 リフト グロウ クリーム40g  4320円、同 グロウ エッセンススティック 9.5g  2700円(税込・すべて編集部調べ/コーセー0120-526-311)2018年8月21日発売

8月にデビューしたコーセーの新ブランド「LECHÉRI」(ルシェリ)。ふっくらとハリ・ツヤのある肌へと導く「うるおいコラーゲンケア成分」を配合。肌への吸着力・浸透力に優れたコーセーの新技術「イオン化カプセル」が、うるおいと美容成分を角層の奥深くまで届けます。注目は、うるおいレスキューアイテムのスティック。メイクの上からでも使えるので、サッとひと塗りするだけで、いつでもどこでも手軽に保湿ケアできます。


ところで、ここまで読むと、化粧品で真皮層のコラーゲンを増やしてハリを取り戻し、シワを改善するのは不可能なのか…と思ってしまうかもしれませんが、ご安心ください(笑)。

真皮層のコラーゲンを増やすサポートをする成分や、コラーゲンのはたらきを強化する成分は別にあります。その代表的なものが、ビタミンC誘導体(※1)」「ナイアシン(※2)」「レチノール(※3)」。アイクリームやほうれい線ケアの化粧品などによく配合されています

また、嬉しいことに、年齢肌の悩みであるシワ改善の化粧品も進化! 昨年は、真皮層のコラーゲンを増やすのではなく、真皮成分の生成と分解のバランスを整えることでシワを改善する化粧品が発売され、大変な話題となりました。

ポーラ

 

ポーラコラーゲン配合化粧品

日本で初めて、シワ改善 医薬部外品有効成分として認められた『ニールワン』を配合した、ポーラの薬用化粧品。昨年の発売から17か月間でなんと約134万個も売れ、リピーターが続出。今なお大ヒット中の商品です。
リンクルショット メディカル セラム [医薬部外品] 20g  14580円(税込/ポーラ 0120-117111)
 
 

真皮層のコラーゲンは、食べて増やす

コラーゲンを含む食品

肌のバリア機能はとても優秀で、異物を入れないことで身体を守っています。異物が入ってトラブルが起きることはたくさんありますが、逆はほとんどありません。でも、コラーゲンは肌の奥に入れたい、増やしたいですよね。その場合は、コラーゲンの材料となる魚やお肉のタンパク質を摂りましょう。

コラーゲンは体内でつくられる物質。その材料となるが、魚やお肉のタンパク質です。タンパク質は体内に入ると分解されてアミノ酸になり、合成されてコラーゲンになります。この合成に必要なのがビタミンCです。

フカヒレや手羽先のコラーゲンを食べた方が効率的な気がしますが、分解される過程はタンパク質と同じ。どちらもコラーゲンになるまでに、1〜3か月程度かかるといわれています。

“フカヒレやモツ鍋で翌朝お肌プルプル”は、実は、前日のフカヒレやモツでコラーゲンが増えたおかげ♡ではないのです。血行がよくなって、皮脂が出やすくなっているからそう感じるのでしょう。

外からのコラーゲンは保湿、中からのコラーゲンは再構築

これまでお話ししたように、真皮にあるコラーゲンと化粧品のコラーゲンは別のものです。化粧品のコラーゲンで皮膚を保湿し、食事で体内のコラーゲンを増やして肌の弾力を維持する。これが、“ハルメク”世代にあったコラーゲンとの付き合い方でしょう。

ところで、猛暑のせいか食欲がなくて……という方は、補助的にドリンクやサプリメントでコラーゲンを補うのもオススメです。これらには、コラーゲンを分解し低分子化したコラーゲンペプチドが入っているので、体内への吸収が早く、吸収率も高いと言われています。

ですが、食べて内臓を動かしてコラーゲンをつくるのが基本。とくに“ハルメク”世代は、年齢肌だけでなく健康のためにも“食事で増やす”を心がけてください。また、紫外線はコラーゲンをつくる細胞を壊します。日焼け止めでしっかりUVケアするのもお忘れなく! 

※1 ビタミンC誘導体:水溶性のビタミンの一種。肌に吸収されにくいビタミンCを、吸収されやすい形に変えたもので、いくつかの種類がある。コラーゲン合成のほか、美白、抗酸化などにも作用する。刺激を感じやすく、肌が乾燥しやすくなることもある。
※2 ナイアシン:ビタミンB群の一種で水溶性、コラーゲン合成や肌の代謝を活性化して皮膚や粘膜を健康に保つ働きがある。ビタミンC誘導体やレチノールに比べて刺激が少ない。
※3 レチノール:もともとヒトの身体にある油溶性ビタミンAの一種。コラーゲンを増やし、ターンオーバーを促進する作用がある。効果が高い分、刺激は強め。目元の浅いシワにとくに有効とされていて、アイクリームによく配合されている。シミにも効果的。

 

次回、(5)化粧パフ、いつから使っている? 洗い方は?

 

取材・文=田中優子


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菅沼 薫

すがぬま・かおる ビューティ&ライフ サイエンティスト、武庫川女子大学客員教授、sukai美科学研究所代表。日本顔学会会長をはじめ、日本化粧品技術者会役員、日本香粧品学会評議員などを務める。美容雑誌「VOCE」における化粧品比較実験を長年手掛ける。化粧品と肌のスペシャリストとしてメディアでも活躍中。

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