- ハルメク365トップ
- ハルトモ倶楽部
- 健康部
- 兄、無言の帰宅
職場で倒れそのまま亡くなってしまった兄は、一日警察で解剖されることに。その間、私は母にどう話したら良いのか悩み抜いたうえ、伝えることに。その時の母の様子は……。そのお話です。
兄の死因
職場で倒れ亡くなったことで、兄は病院から帰宅できず警察で解剖されることに。次の日家族が警察に出向き、ようやく帰宅できることとなりました。
死因は「急性心筋梗塞」。
職場で胸が苦しいと言いながら、職場の医務室まで自分の足で行き診察を受けていた時に、大きな発作が起きたそう。救急車で都内の大きな病院に運ばれたのですが、病院に着いたときにはもう意識はなかったという状況、とにかくあっという間だったとのことでした。
母に伝える
頭が回らない状態でしたが、兄が実家に戻ってくることになりその準備をしなくてはいけないため、早く母に伝えなければなりませんでした。
「あのね、聞いて驚いちゃうと思うんだけれど」
そう言ったとたん、私は涙が止まらなくなり、その姿を見た認知症の母は「あら、なに、どうしたの! 何があったの?」と、心配そうな顔して私を見つめてきました。その母の顔を見たらさらに号泣してしまい、隣にいた主人が代わりに伝えてくれました。
「お兄さんが、昨日突然亡くなっちゃったんです」
母の言動
「ええ?? 何で?」
母はそう一言言って、言葉を失っていました。
ここまでの経緯を話し、兄が今ここにお義姉さんと向かっているから支度しようねと、伝えます。
止まらない涙を拭きながら、まさか亡くなった父が眠ったお布団にまた真っ白なシーツを敷く時がこんな早く来るとは。しかも兄のために敷くとは思いもしなかった現実を受け止めることを誰もできぬまま無言で支度をしました。
そこに兄とお義姉さんを乗せた車が実家に到着し、今にも起きだしそうな顔をした兄が運ばれてきました。
「なに、邦浩(くにひろ)じゃない! 何で? 亡くなったのはお父さんじゃないの?」
アルツハイマーの母は、先ほどの会話を忘れてしまっており、目の前に現れた亡くなった息子の顔を見て驚き、泣き出しました。それを見たお義姉さんも、張っていた糸が切れたように泣き崩れました。
「がんばろう!がんばろうね、これからがんばろう!」
アルツハイマーの母は、お義姉さんの背中をさすって、そう声をかけていました。
■もっと知りたい■
- 介護がきっかけで、兄妹仲を深めたのに…兄の急死
- 「兄が心肺停止」と突然の連絡
- 母の介護で頼りになっていた兄の話
- 亡き父のお話~父との別れ
- 亡き父のお話~少しずつ良い方に変わっていったのに…
- 亡き父のお話~毎日の暴言電話からの面会禁止発令
- 亡き父、突然の介護~施設選びから入所まで
- 亡き父のお話~せん妄という恐ろしい病
- 亡き父のお話 ~突然の介護
-
プレゼント!ひざケア飲料
歩くたびに不安なひざの違和感。サプリメントで挫折したという方へ、「関節ケアドリンク グルコサミン」をぜひお試しください! -
尿トラブルの放置は厳禁
一人で悩みがちな尿トラブル。尿モレまで行かないレベルだからと放置していませんか?軽い症状のうちに対応しないと悪化の危険も! -
楽しすぎるニコボとの毎日
話題のコミュニケーションロボット「ニコボ」をご存知ですか?一緒にいると思わず笑顔になる、そんな毎日をハルメク世代が体験! -
病院の巻き爪治療がスゴイ
巻き爪でお悩みの方、「治療は痛そう」と思っていませんか?でも病院の治療は思いの他楽で短時間。巻き爪治療のリアルとは? -
視力ケア専用の卵が登場?
毎日食べる「卵」。実は目の健康を守る「ルテイン」が豊富な卵があるんです。最近視力が……と思っている方は要チェック! -
突然の出費はこれで解決!
住宅ローンや子の教育費などお金がかかる50~60代。一方で親は高齢となり、その金銭面の援助も不安。解決策を探ります。