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- 新進気鋭!世界が注目する女性落語家・二葉さん
「おもしろハッピー落語会」の配信チケットを買いました。お目当ては、桂二葉(かつら・によう)さんです。二葉さんは、令和3年度NHK新人落語大賞で見事優勝、ニューヨークタイムズからも取材された、今や上方落語界のスーパースターです。
NHK新人落語大賞って?
1972年に創設された伝統ある大会で、二葉さんは審査員全員が満点という快挙を成し遂げました。しかも女性落語家としては、初の受賞でした。
大会は東西107名が参加、予選を通過した6名で競われました。実は、前年も本選に残った二葉さん、審査員に公開説教をされ、散々な目にあいました。それをバネに、1年間の成長を見てほしいと今回は臨んだのです。
オンライン繁昌亭「第1回おもしろハッピー落語会」
二葉さんは3番手で登場。
まずは「上方落語界の白木みのるです」と、懐かしい名前が飛び出します。確かに、新人落語大賞の時も、その甲高い声から、すぐ白木みのるさんを思い出しました。あの日の演目は、古典落語「天狗刺し」。甲高い声のまま、突っ走るのかと思いきや、途中で声を落とし、登場人物を実に楽し気に、いきいきと演じていました。
「蝦蟇の油」
本日の演目は「蝦蟇(ガマ)の油」です。
これは、ガマの油売りが、話術一つで商品を売り切るというテレビショッピングの元祖のような話で、演者の腕が試される難儀なネタです。二葉さんは、立て板に水、実にあざやかに噺を進めます。グイグイと引き込まれ、あっという間に、サゲまできてしまいました。お見事!
古典落語へのこだわり
10年前に入門した時は「女に落語は無理や」と、先輩から冷たくあしらわれたそうです。覚悟はしていましたが、こんなにも言われるのかと思い、落胆する毎日だったとか……。
それでも、現代の女性が登場する新作落語ではなく、あくまでも古典落語にこだわった二葉さん。高座に上がれば観客からも冷たい視線を浴びました。
人間国宝の故・桂米朝さんも著書『落語と私』の中で(女性落語家を育てる自信はありません。それは新しい芸を一つ創りあげるくらいむずかしいことなのです)と記したほどです。
上方落語協会に属する落語家は250人。うち女性は20人に満たないのです。そもそも落語は、男性が演ずる事を前提に、作られているからです。
新しい時代の幕開け
先日落語協会では「落協レディース只今参上!」という会が、開催されました。何と演者16名全員女性でした。そして落語芸術協会でも「芸協花の女子会」が開かれ、こちらも女性だけで落語会が開かれました。その告知を見た時、私はつくづく時代は変わったと思いました。
上方では、新人落語大賞受賞で、二葉さんが女性落語家に対する偏見を見事に取り除いてくれました。長い歴史を破り、新しい時代の幕が、今上がったのです。
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