内多勝康さんともみじの家・2

内多勝康|医療的ケア…子どもの命を守る社会をつくる

公開日:2020.12.04

更新日:2023.05.24

元NHKアナウンサーの内多勝康さんがハウスマネージャーとして働く「もみじの家」。重い病気の子どもと家族のための医療型短期入所施設です。日本は世界一赤ちゃんを救う国なのに退院後の医療的ケアの担い手が足りないという現実を、内多さんが語ります。

元NHKアナウンサーが目指す、子どもの命を守る社会
元NHKアナウンサーが目指す、子どもの命を守る社会

「1日1回は死にたいと思います」

「1日1回は死にたいと思います」。NHKに在籍していた2013年、取材で医療的ケアが必要なお子さんを持つ、あるお母さんから聞いた言葉です。

重い病気や障害を抱える子どもを自宅で24時間、365日ケアし続けることは、ご家族、特にお母さんにとってはとても大変なことです。常に気持ちを張り詰め、落ち着いて眠る時間も持てず、心身ともに疲れ果ててしまう。保育所や学校がなかなか子どもを受け入れてくれず、地域の中でも孤立しがち……。

頭ではわかっていたつもりでしたが、「1日1回は死にたい」という言葉を直に聞き、その深刻さに衝撃を受けました。今の日本にそこまで追い詰められた家族がいるのか、と。30年間、アナウンサーとしていろいろな人の話を聞いてきましたが、これほど重いひと言はありませんでした。

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