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- 私の「いま」が戻った瞬間――被害者遺族の心の軌跡
世田谷事件の遺族である入江 杏さんは、大きな喪失からの再生を模索する中で、悲しみから学ぶ「グリーフケア」にたどり着きます。入江さんが生きる力を取り戻すきっかけとなったのが、姪のにいなちゃんが遺した1枚の絵でした。
悲、哀、愛……かなしみのさまざまな表し方
以前、批評家の若松英輔さんと対談したときに、「かなしみはさまざまな漢字で表現される」ことを教えていただきました。
「悲しみ」は身がくだかれそうになる思い。
「哀しみ」は他者のかなしみを自分ごとのように感じること。
「愛しみ」は愛する者の喪失による愛の発見。
「美しみ」はかなしみのそこにひそむ美。
「愁しみ」は自己のかなしみを超え、歴史、あるいは人類のかなしみに触れたときの心持ち。
悲しみはひと色ではなく、とても豊かなものなのだと改めて感じます。そしてその豊かさゆえなのか、心の中で、常に揺れ動く感情でもあります。
例えば...
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