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- 坂東眞理子さんが「終活」より「老活」をすすめる理由
昭和女子大学の総長であり、ベストセラー『女性の品格』の著者としても知られる坂東眞理子さん。第一線で働きながら、2人のお子さんを育て上げた経験を持つ坂東さんに、70代の今考える、女性の老い方についてお聞きしました。
「わたし」を大切に生きていますか?
国家公務員を57歳で退官。59歳のとき、時代が移り変わっても大切にしたい女性の振る舞いについて書いた『女性の品格』が大ベストセラーとなり、60歳で昭和女子大学学長に就任するなど、50代、60代から新たな挑戦を続けてきた坂東眞理子さん。
74歳となった今、「もう年だから、なんて自分を粗末にしないで。いくつになっても自分を大切に挑戦しましょう」とメッセージします。
坂東眞理子さん(昭和女子大学総長)
ばんどう・まりこ
1946(昭和21)年、富山県生まれ。東京大学卒業。69年、総理府入省。内閣広報室参事官、男女共同参画室長、埼玉県副知事などを経て、98年、女性初の総領事(オーストラリア・ブリスベン)。2001年、内閣府初代男女共同参画局長を務め退官。04年、昭和女子大学教授となり、07年、同大学学長。16年から理事長・総長、23年から現職。06年刊行の『女性の品格』(PHP新書)は330万部を超えるベストセラーに。『70歳のたしなみ』(小学館刊)など著書多数。
"ありのままの自分"より一歩先へ
私自身が70代になって感じるのは、60~70代は、世間の目や自らにかけていた呪縛から自由になって、新たな人生のステージに入る出発点ということ。いい子を育てなくちゃとか、主婦としてちゃんとやらなきゃとか、それまで自分を抑えつけていた責任から解放されて、でもまだまだあふれる力があって、のんびり好きなように過ごすにはもったいない――そんな時期だと思うんです。
私たちの人生は「学生期(がくしょうき)」「家住期(かじゅうき)」「林住期(りんじゅうき)」「遊行期(ゆぎょうき)」の4つに分けられます。学校を出て、社会人として一人前になるまでが「学生期」。次の「家住期」は働き盛りで、女性だったら子育てをして家庭の主婦としてがんばる時期です。これまで日本では、一番の盛りである家住期が終わると、あとは一足飛びで、趣味や旅行などをしてのんびり過ごす「遊行期」に移行してしまう人がほとんどでした。
でも人生100年時代といわれ、高齢期が長くなった今、60歳前後までが家住期で、そこから80歳前後までは、社会とちょっと関わりながら自分が本来やりたかったことをする「林住期」だと私は考えています。60代からは人生下り坂……なんて大間違い。上り下りではなく、新たなステージとして、この期間をどう過ごすかがとても大切です。
そこで私が必要だと思うのが、人生をしまうための終活ではなく、充実した老いを迎えるための「老活」です。次回は、そのコツをお話ししましょう。
『老活のすすめ はじめること 続けること見直すこと』
人生100年時代の長い長い後半戦に備えて、これから何を準備して、どう心構えをすればいいのかを説く坂東さんの最新著。1100円/飛鳥新社刊
取材・文=五十嵐香奈(編集部) 撮影=中西裕人
※この記事は「ハルメク」2020年11月号を再編集して掲載しています。
坂東眞理子さん×海原純子さんの特別対談を視聴してみませんか?
50代からの人生を前向きに生きるための覚悟と知恵とは――。
2022年11月に開催した、昭和女子大学総長の坂東眞理子さんと心療内科医の海原純子さんが、「幸せな生き方」をテーマに対談を動画で視聴してみませんか?
寄せられた夫、嫁、子どもなど家族との人間関係の悩みや、自分らしく生きるための心の持ちようについて、お二人がこれまでのご自身の経験をもとにアドバイスします。ときにユーモアを交えたお二人の軽快なトークは、必見です!
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