50代からの女性のための人生相談・69

人生相談:いつまで通える?一人暮らしの親が心配です

公開日:2022/04/20

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「50代からの女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が回答するQ&A連載。今回は53歳女性の「一人暮らしの父親の介護」についてのお悩みに、介護・暮らしジャーナリスト、太田差惠子さんが回答します。

人生相談:いつまで通える?一人暮らしの親が心配です

53歳女性の「一人暮らしの父親の介護」についてのお悩み

一人暮らしの父親の介護

私は一人っ子で、父が実家で一人暮らしをしています。

新型コロナウイルスの影響がなく帰れるときは、月4日ほど実家で掃除やご飯作りをしていますが、この先行けなくなったらと思うと心配です。

父は他人が家に入るのを嫌がるのです。どうしたら良いのでしょう。

(53歳女性・ビビアンさん)

太田差惠子さんの回答:介護サービスの利用を嫌がる親は多い

介護サービスの利用を嫌がる親

高齢の親の一人暮らしは、何かと心配ですね。ここ2年間はコロナの影響で、移動することが難しい時期が長かったため、離れて暮らす子どもにとって頭を抱える状況でした。

他方、ホームヘルプサービスの利用を拒む親はとても多いです。それだけでなく、通って介護を受けるデイサービスなども、親世代に不人気……。

この傾向はコロナ禍だからというわけではありません。そのずっと以前から変わらず、「介護保険なんて申請するな」「サービスなど使わない」「デイサービスは年寄りが行くところだ」など、親世代の“拒む声”を挙げ始めると枚挙にいとまがありません。

かかりつけの医師からすすめてもらう方法は成功例が多数

かかりつけの医師からすすめてもらう

お悩みの内容からは、現在の父親の心身状態がわかりませんが、本人にできないことが増えてきたら、介護保険を申請しましょう。介護保険以外でも、自治体ではさまざまなサービスを用意しています。詳細については、親の地元の地域包括支援センターで相談できます。

介護保険の申請やサービスの利用について、本人の拒否感が強い場合、子どもではなく、他人から言ってもらうとうまくいくことがあります。地域包括支援センターのスタッフから本人に話してもらってもいいでしょう。

成功例で多いのは、かかりつけの医師から助言してもらう方法。ビビアンさんから医師に「先生から、本人に『ヘルパーさんに来てもらう方がいいよ』とすすめてください」とお願いしてみるのです。「先生が言うなら、仕方ない」と渋々ながら受け入れる親は結構います。

“嘘も方便作戦”で親がサービスを受け入れた例もある

サービスを受け入れる親

ホームヘルプサービスにしても、デイサービスにしても、実際に利用してみると次第に心待ちにするようになる親が少なくありません。おしゃべりできるなど、生活にリズムが生まれるようです。そういう意味では、「嫌だったらやめたらいいんだから、1か月だけ試してみよう」とちょっと強引にすすめてみるのも手。

また、個別配食など、人が家にあがらないサービスから始めるのもいいでしょう。

嘘はよくないですが……、「85歳以上は、全員、週に1回ヘルパーを利用することになった」とか、「私は体調が悪くて、2か月ほど帰れない」などと言って、サービスを入れることに成功した人もいます。推奨するわけではありませんが、“嘘も方便”という言葉もあります。

家族だけで親を支えるのは困難!今から少しずつ慣れてもらうこと

今から少しずつ慣れてもらう

ビビアンさんは月に4日ほど帰省して、掃除やご飯作りをしているとのこと。いずれコロナは収束するとしても、また、どんな事情で通えなくなるかわかりません。自分自身や現在の同居家族が病気になったり、自然災害が生じたりすることもあります。

今は、月に4日でよくても、今後親が年齢を重ねるに従い、本格的な介護が必要になる可能性もあります。「父親が嫌がるから」とサービスを利用しないままでいると、そのうち、何もかもビビアンさんが行わなければならなくなります。そうなると、“介護離職”などの課題が出てくることに……。

そんなふうにならないよう、今から少しずつ、サービスを利用することに慣れてもらいましょう。

回答者プロフィール:太田差惠子さん

回答者プロフィール:太田差惠子さん(介護・暮らしジャーナリスト)

おおた・さえこ 介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ理事長、AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)。京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」 等の視点でさまざまなメディアを通して情報を発信する。著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと』(翔泳社)など多数。最新刊は『子どもに迷惑をかけない・かけられない!60代からの介護・お金・暮らし』(翔泳社)。

構成:渡邊詩織(ハルメクWEB)

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