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- 50代から始めて安心!おひとりさまのエンディング
頼れる子どもや親族がいない「おひとりさま」の終活について伺う4回の特集。まずは司法書士法人ミラシア代表の元木翼さんに、おひとりさまが感じる3つの不安について伺います。頼れる人がいないからこそ、元気な50代60代からの終活が必要なのだそう。
教えてくれた人:元木翼(もとき・つばさ)さん
司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表。株式会社ミラシアコンサルティング代表取締役。終活・相続関連の相談実績は累計1000件を超える。豊富な経験をもとにオーダーメードの終活・相続対策サービスを展開。
「おひとりさま」は、元気なうちに備えて安心!
「家族を亡くして一人暮らしだったり、ずっと独身だったり、またさまざまな事情で親族と縁遠くなっているおひとりさまの方が、相談に来られるきっかけで多いのが、頼る相手、託す相手がいなくて困るということです」と話すのは、相続や遺言に特化した司法書士法人ミラシアの代表・元木 翼さん。
例えば、病院に入院、施設へ入所の際の身元保証人、身元引受人をどうしようという相談は典型的な一例と言えます。
現状、病院や介護施設の約9割が、本人が支払えなくなった場合や、本人が亡くなった後の事務処理をどうするかということに備えておくために、入院・入所の際、身元保証人や身元引受人を求めているとのこと。
「最近は有料で身元保証、身元引受契約を引き受ける企業団体がありますが、監督する官庁がないためトラブルが増加しています。依頼先の選定は慎重に行うことが大切」と元木さん。
「また多くの方が認知症になったらどうするか、死後の住まいや遺産の始末をどうするかを不安に思って相談に来られます。認知症に備えるための後見人や死後のことに対応してもらえる死後事務委任契約など、こうした契約を結んでおくと、実は入院・入所の際の身元保証人や身元引受人が必要ないというところもあります」と元木さんは言います。
最近はおひとりさま向けの生前契約も増えている
「健康なうちは見守り、要介護状態になったら財産管理、判断能力が低下したら任意後見、そして亡くなった後のことまで一括で契約できるサービスもあります。弁護士、司法書士事務所、NPO法人などが行っていますが、それには費用もかかってきます」と元木さん。
「まずはお金の不安を解消するため、今70歳の方であれば例えばあと20年生きると想定して、生活費がいくらかかるか、それに対して財産はどれぐらいかなどライフプランを作成することをおすすめします。その上で、自分にとっての不安を解消するための対策を、自分で決めることが大切です」
おひとりさまの終活にとって大事な「3つの不安」
それぞれ元気な50代60代のうちに準備を整えて、老後の不安を少しでも減らしていきましょう。次回はまず、「住まい」についての不安を解消する方法を解説します。
取材・文=三橋桃子(ハルメク編集部) イラストレーション=ねこまき(ミューズワーク)
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年9月号を再編集し、掲載しています。
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