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古堅純子の片付けの新常識・5
プロに学ぶ寝室収納のコツ!快適な寝室の作り方
幸せ住空間セラピスト・家事効率化支援アドバイザー
古堅純子
公開日:2021.03.10
更新日:2021.10.31
幸せ住空間セラピスト・家事効率化支援アドバイザーの古堅(ふるかた)純子さんが、家が散らからない片付けのコツを解説。今回のテーマは寝室収納のコツです。片付けビフォーアフター写真で、安心・安全・清潔、三拍子揃った快適な寝室の作り方を紹介します。
快適な寝室の作り方1:寝室の場所を見直す
「寄せる」片付けのやり方でも紹介した通り、家が散らからない片付けのための第一歩は、ライフラインを確保することです。ライフラインとは、「寝る」「食べる」「家事をする」といった、生活に直結する経路のこと。
中でも寝室は、リビングの次に長い時間を過ごす場所です。しかし、「今の暮らしに合う快適な寝室になっていないケースが本当に多い」と古堅さんは言います。
「寝室を片付ける前に、まず考えてほしいのが、『本当に寝室はその位置でいいの?』ということです。子育て中と夫婦二人で過ごす老後。家に住んでいる人の人数も年齢も変わっているのに、ずっと同じ間取りで過ごしている人がほとんどです」
寝室の「当たり前」を疑って生活動線をチェック!
50代・60代になったら、老後を見据えて寝室をリビングの近くに移動させることや、場合によっては、夫婦別の寝室にすることも検討した方がいいそう。
「以前、奥さんの足腰が弱っているのに、リビングから一番遠い場所に夫婦の寝室があるお宅がありました。2つのベッドがくっついて設置されていたので、奥で寝るご主人が外に出るには、ベッドと壁の間をぐるりと回る必要があります。朝起きてトイレに行こうとすると、ドアの前には歩行器の準備をする奥さんが……。二人の生活動線が重なり、歩くのに時間がかかる奥さんにご主人がイライラする日々が続いていました」
この家の場合、夫婦別の寝室にして、リビングに近い場所に奥さんの寝室を新たに作り、2人の生活動線が重ならないようにすることで、夫婦のいさかいがなくなったそう。
「寝室の場所もベッドの位置も何十年も前から変わらず、ずっとそれが『当たり前』だと思って過ごしている人は要注意。生活動線は一度決まってしまうと、それが習慣になって、ストレスフルな動線であっても固定化されてしまうものです。家の片付けを考えるときは、こうした『当たり前』を疑うことから始めるのが大切です」
快適な寝室の作り方2:衣類収納を「寄せる」
寝室にタンスがあるのが「当たり前」と思っている人も多いようですが、これも片付けを機に見直してもらいたいひとつです。
「地震のリスクを考えると、寝室に背の高い家具は置かないのがベター。寝室は快適に眠るための場所。安心・安全が50代・60代からの片付けでは何より大切です」
部屋数にゆとりがあるなら、寝室と衣類収納の部屋を分けるのがおすすめです。
タンスがある生活が「当たり前」になると、そうしたデメリットを感じることすらなくなってしまいますが、いざタンスを移動すると、空いたスペースの広さに驚く人が多いそう。
「この写真のお宅は、タンスとチェストがあることでベッドの間に通路を作ることができませんでした。しかし、ベッドメイクの手間や掃除のしやすさを考えると、ベッドの周りはぐるっと歩いて回れるようにしたいものです」
このお宅の場合、写真のタンスとは別に、寝室内に作り付けのクローゼットがあったそう。
クローゼットには奥さんの衣類、タンスにはご主人の衣類が入っていたため、ご主人の部屋にタンスやチェストを「寄せる」ことで、寝室にスペースができました。
タンスを移動したことで、空間にゆとりが生まれ、ベッドの間に通路ができました。見た目もスッキリお掃除もしやすくなったので、この家のご夫婦は大喜び。モノを寄せただけなのに快適な寝室になりました。
「そもそも、作り付けの寝室収納がちゃんと動いていればタンスなど家具を追加する必要はないはず。押入れ収納の回でも話しましたが、寝室にある壁面収納やクローゼットなど、作り付け収納の稼働率を上げて、その量に見合う量を入れることが大切です」
手持ちの洋服が多過ぎて入らないという人も、寝室にすべての洋服を置く必要はないはず。『寝室=寝るための場所』という点を今一度確認して、使わないものは別の場所に「寄せる」ことを検討しましょう。
ホテルや旅館のような寝室へ!ベッドの上は更地に
寝室は“超プライベートスペース”であるがゆえに、他人の目が気にならない寝室にはモノが溜まりやすいという欠点があります。
「片付けに伺うと、ベッドの周りに洗濯物などの衣類があふれている状態がとても多いんです」と古堅さん。
片付けられない人は、まずはベッドの上や床の上にモノを置かないこと。景色が変わると気分も変わるはずです。
「衣類を別の場所に『寄せる』ことで、ホテルのベッドルームのように、ベッドの上を何もない更地にして、おしゃれな寝室を目指しましょう」
快適な寝室の作り方3:ワークスペースと分ける
また、意外と多いのが、寝室がワークスペースと一緒になっているケースなのだそう。
「実は、この写真はうちのスタッフの寝室だったんですけど、作業机がベッドの横にあると聞いたときはびっくりしました。こういう光景を見ると、寝るって行為が軽んじられている気がしてなりません」
その後、古堅さんのアドバイスを元に、主寝室とワークスペースを分けたそう。
「今はコロナ禍でテレワークをするために、仕方なく寝室で作業しているという人もいるかと思いますが、奥さんがベッドで寝ようとしているのに、ご主人が夜遅くまでパソコンの前で作業しているなんて、睡眠の質を低下させる最悪のパターンです。なるべく、寝室とワークスペースは分けるように心掛けたいですね」
どうしても部屋を分けるのが難しい場合は、本棚などで作業机を囲うなど、ベッドで寝る人と机で作業する人の生活動線が重ならないように工夫しましょう。
快適な寝室の作り方4:一人でリラックスできる空間を
生活動線を分けるという点について「部屋が余っている場合は、夫婦それぞれの寝室を作るのもおすすめです。誰にも邪魔されずぐっすり眠って、一人で趣味に没頭できるスペースを作ることは、生活のゆとりにつながります」と古堅さん。
特に、新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が続く今は、一人でリラックスできる寝室、落ち着く寝室作りが大切だと言います。
「長引く外出自粛でつまらない、楽しみがないと感じているのであれば、あなた好みの快適な寝室を作ることを強くおすすめします。昼間はリビングで家族と過ごして、寝室のテレビで韓流ドラマを見る。家族の時間と個人の時間、どちらも快適に過ごせる家がWithコロナ時代の理想になっていくのではないでしょうか」
快適な寝室の作り方5:結露&カビを防いで清潔に
最後に、寝室ならではの注意点&対処法をご紹介します。
「寝室は湿気が溜まりやすいため、片付けに伺うと、タンスの裏や窓枠などがカビている場合が多いんです。でも、みなさん意外と気付いていない。なんだか寝室の空気がよどんでいる気がすると感じる人は、換気や掃除など早めの対策を。特に窓が結露する冬場は、窓のそばにモノを置かないように注意しましょう」
ベッドやタンスなど大型の家具は、大掃除などでも動かすことがないので、カビやホコリに気付かないケースも多いとのこと。健康のために大切な睡眠を取るための寝室に、知らず知らずのうちに汚れがたまって、健康に悪影響が出たら元も子もありません。
「余計なモノがない、風通しが良い場所であること。それが快適な寝室作りの大切なポイントです。寝室の掃除には、汚れやカビを抑制できるスプレーを活用するのがおすすめです」
以上、寝室収納のコツと快適な寝室の作り方でした。この記事では3つの家の片付けビフォーアフター写真をご紹介しましたが、あなたのイメージに近い寝室はありましたか?
「オシャレな寝室、落ち着く寝室など、寝室に求めるものは人それぞれ。片付け・収納の正解は1つではありません。いろんな角度から寝室のあり方を考えて、我が家はこうしたいな、というイメージを膨らませてみるのが大切です」
これまで「寄せる」片付けのノウハウを場所別にご紹介してきましたが、次回はいよいよ実践編。古堅さんがハルメク読者の自宅に訪問して、片付け・収納のお悩みを体当たりで解決します。
■監修者プロフィール:古堅純子さん
ふるかた・じゅんこ 幸せ住空間セラピスト・家事効率化支援アドバイザー。1998年、老舗の家事代行サービス会社に入社。20年以上現場第一主義を貫き、お客様のもとへ通っている。5000軒以上のお宅に伺いサービスを重ね、独自の古堅式メソッドを確立。整理収納アドバイザー1級。個人宅や企業内での整理収納コンサルティング、家事効率化支援事業を展開。テレビ・ラジオ・雑誌などメディア取材協力も多数。
取材・文:竹下沙弥香(ハルメクWEB)
Youtube動画でも古堅式・寄せる片付けのコツを紹介
古堅さんのYoutubeチャンネル「週末ビフォーアフター」では、家が散らからない片付けの方法を動画で紹介しています。今回ご紹介した寝室片付けのビフォーアフターも、動画でわかりやすく解説しているので、記事とあわせてチェックしてみてくださいね♪
参考書籍:シニアのためのなぜかワクワクする片づけの新常識 (朝日新書・刊)
■もっと知りたい■
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- 【1回目】ラクしてキレイ!捨てる片付けから「寄せる」片付けへ
- 【2回目】押入れ収納のコツは空間の使い方!寄せる&動く収納へ
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