古堅純子の片付けの新常識・4

火と水!キッチン収納を征するものは全収納を征する

公開日:2021/02/05

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幸せ住空間セラピスト・家事効率化支援アドバイザーの古堅(ふるかた)純子さんが、家が散らからない片付けの方法を解説する連載企画。今回のテーマは、キッチン収納。実際の片付けビフォーアフター写真を比較しながら、キッチン収納のコツをご紹介します!

キッチン収納を征するものは全収納を征する
キッチン収納・片付けビフォーアフター

キッチンが散らかる原因は「収納が少ないから」ではない

キッチンが散らかる原因は「収納が少ないから」ではない

散らからないリビングを手に入れる方法として、押入れ収納洗面所収納の見直し方をご紹介しましたが、古堅さんいわく、リビングと同じくらい散らかりやすい場所がキッチンだといいます。

「洗う・切る・煮る・盛り付けるなど、家の中で一番作業するのが多い場所がキッチンです。作業が多いということは、それだけモノが動くため、散らかりやすいのです。さらにキッチンは小スペースの割に、収納するモノの数が多いのが特徴です。片付けの依頼を受けてご自宅に伺い、収納からモノを全部出すとみなさんその量に驚かれます」

百聞は一見に如かず。実際、こちらのキッチン(山田邸)にどのくらいのモノが入っているのかを見てみましょう。

キッチン

パッと見て多少モノが多い印象はあるものの、キッチン収納からモノを全部出すと……

部屋の床が見えないほど、たくさんのモノが出てきました

部屋の床が見えないほど、たくさんのモノが出てきました! 

みなさんこれを見て「キッチン収納にこんなにモノが入ってるの!?」と驚いたと思いますが「山田邸が特に多いわけではなく、このくらいが普通です」と古堅さん。

「キッチンは収納が少ないから散らかる」と思っている人も多いようですが、古堅さんによると、キッチンが散らかる最大の原因は、モノが多いからでも、収納が少ないからでもないそう。

「キッチンという小スペースの中にこれだけのモノが入っているんだから、何の戦略もなく無秩序にモノをしまったら、出し入れのたびに散らかるのは当然です」

難攻不落の難所とも言うべき、キッチン収納。しかし、2つのコツを押さえれば、グンと使いやすいキッチンに変えることができるそう。

「キッチン収納で大切なのは、自分の家のキッチンの特徴をしっかり把握すること、そして作業ラインに合わせてモノを配置することです。少し手間のかかる作業ではありますが、『キッチン収納を征するものは全収納を征する』と言っても過言ではありません」

それでは早速、山田邸の実例写真を元にキッチン収納のコツをご紹介していきましょう!

キッチン収納のコツ1:キッチンの特徴を理解しよう!

キッチン収納のコツ1:キッチンの特徴を理解しよう!

シンクとコンロが壁沿いに一直線に並んだ「I型」や、部屋の壁に沿ってカーブした「L型」、部屋の壁から離れて配置された「アイランド型」など、キッチンの形は家によってさまざまです。

そして、シンクとコンロの距離や冷蔵庫の設置場所も、家の間取りによって違います。そのため、キッチン収納を見直すときに、まず始めにすべきことは、自分の家のキッチンの特徴をしっかり理解すること。

上で紹介した山田邸のキッチンスペースの特徴は、シンクとコンロの間のスペースが狭いということでした。

山田邸のキッチンスペースの特徴

「一般的に、コンロとシンクの間のスペースは70cm程度あることが多いのですが、この家の場合は20cm程度と、作業スペースがとても狭かったんです。さらに通路が広く、作業スペースから収納まで遠いという特徴もありました」と古堅さん。

作業スペースから収納まで遠い

しかし、こうしたマイナスに思えるキッチンの特徴も、視点を変えて工夫することで、プラスに変えることができるそう。

「注文住宅でもない限り、すべて理想通りのキッチンなんて存在しません。いろんな配置のキッチンがあるので、自分の家のキッチンの特徴を生かした攻略法を考えることが何よりも大切です」

料理をしたくなる作業スペースを作ろう!

料理をしたくなる作業スペースを作ろう

古堅さんいわく、キッチンで一番大切なのは、作業スペースを確保することなのだそう。

「キッチンは物置きではなく、料理をするための場所です。作業スペースがなければ、どんなキレイにモノを収納しても、絵に描いた餅にしかなりません。山田邸の場合は、広い通路幅を生かして、キャスター付きのカウンターを作業スペースにすることにしました」

キャスター付きのカウンターを作業スペースにする

カウンターがなくても、工夫次第で作業スペースは作れます

しかし、これはあくまで通路が広い山田邸の場合です。カウンターがなくても、工夫次第で作業スペースは作れます。

「もし背面に腰高の食器棚があれば、その上を作業スペースにしてもいいですね。電子レンジの上や炊飯器の横のちょっとしたスペースにトレーを置いて、ご飯やお箸をセットしてもOKです。作業スペース選びの条件は、まな板やトレーなどを置ける平らで何もない“更地”であることです」

作業スペースはスタートラインに戻そう

作業スペースはスタートラインに戻そう

そして、作業スペースで注意したいのが、モノを置きっぱなしにしないこと。

「効率よく料理を進めるためには、清潔な環境であること、すぐに作業できることが大切です。作業スペースがないと、料理を作る気にもなれません」

作業スペースに水切りかごや調味料、スーパーで買ってきた食材などを無秩序に置いている人は要注意!

「リビングのテーブルの上を更地にしておくのと同様に、散らからない使いやすいキッチンにするために、作業スペースが更地である必要があります。料理した後は何もないスタートラインに戻すというルールを忘れずに!」

キッチン収納のコツ2:作業ラインに合わせてモノを配置

もう一つのキッチン収納のポイントが、作業ラインに合わせてモノを配置することです。

「山田邸のキッチンは、吊戸棚が高い・引き出しが低いなど、作り付け収納がこの家のママの身長に対して使い勝手が悪い位置にありました」

その結果、腰高から背丈までのゴールデンゾーンに、まんべんなくモノが置いてあるという状態に。

さらに、コンロの下にボウル、シンクの下にフライパンなど、モノを使う場所と収納場所が離れていることもキッチンが散らかる原因でした。

キッチン収納のコツ2:作業ラインに合わせてモノを配置

「キッチンに限らず、家を散らかさないコツは、必要なモノが1秒で取り出せて、1秒で戻せること。その場を動くことなく必要なモノがすぐ取れるように配置することが大切です。手を伸ばす(上)・かがむ(下)・振り返る(背面)の動作だけでモノが取れるように、前面はもちろん、背面も含めたUの字のラインを意識するようにしましょう」

古堅さんによると、使いやすいキッチン収納のポイントは以下の3つとのこと。

  1. 3つのライン(火のライン・水のライン・作業ライン)に分ける
  2. ボーダーラインを意識する

具体的にキッチンのどこに何を収納するのか、古堅さんおすすめの収納方法を紹介します。

古堅式の新常識!火と水の考え方と「3つのライン」

古堅式の新常識!火と水の考え方と「3つのライン」

キッチンには、水を使うシンクと、火を使うコンロがあります。料理をするときは、このどちらかを使うことが多いもの。そこでまず、キッチンにあるものを「火のモノ」と「水のモノ」の2種類に分けていきましょう。

▼火のモノ(火を使う作業と関係するもの)

  • フライパン 
  • 鍋蓋 
  • 調理で使う調味料
  • 調理器具(フライ返し、お玉など) 
  • 食用油 
  • バット など

▼水のモノ(水を使う作業と関係するもの)

  • ボウル 
  • ザル 
  • まな板
  • 包丁 
  • 炊飯器
  • 食器 など

「ただし、あくまでこれは分類の一例。例えば食器も、スープ皿→火のモノ、コップ→水のモノと分けることもできます。実際には、あなたがどこで使うことが多いかという基準で、火のモノ・水のモノを分けることが大事です」

ストック食材も同じように、火のモノ→パスタ、水のモノ→米、といった形で分類できます。

収納するモノを火のモノ・水のモノに分類できたら、次は収納場所を決めていきます。

「作業スペースがシンクとコンロの間にある場合は、そのラインを境として、シンク側に水のモノ、コンロ側に火のモノを配置していきましょう。その際、ゴールデンゾーンには、鍋やザル、カトラリーなど、頻繁に使うものを優先的に配置するようにしましょう」

アイテムごとではなく稼働率を優先しよう!

モノを配置する場合、アイテムごとにまとめるよりも、同時に使用するモノでまとめると、作業するときのモノの稼働率が上がります。

「例えば、水のラインに炊飯器を置いたときは、ゴールデンゾーンにお茶碗、しゃもじ、お箸などをまとめて収納すると、食事の支度をするときにモノの稼働率が上がるため、とっても便利です」

また、稼働率を上げるために、毎日飲むお薬を配置しておくのも一つのアイデアです。

「コップで水を汲んでお薬を飲むといった一連の動作がスムーズに行えるので、参考にしてみてください」

ボーダーラインを意識しよう!

また、キッチンで注意すべきポイントは、ボーダーラインを意識する、ということ。

「キッチンは必ずしも料理する人だけのものではありません。ご主人や、お孫さん用の食器など、家族みんなで使うものは、料理をする際に生活動線が重ならないよう「ボーダーライン」を意識して配置しましょう」

冷蔵庫やウォーターサーバーとコップや取皿など、家族みんなで使うものは、なるべく「ボーダーライン」側となるキッチンの入口側において、家族がキッチンの中まで入らなくても用事が済むように配置するのもおすすめです。

家族みんなで使うものは、なるべくキッチンの入口側におく

生活動線が重ならないよう「ボーダーライン」を作る

なお、今回わかりやすく説明するために、山田邸の実例を元に紹介してきましたが、人の家の配置をそのままマネするのはNG!

「同じモノでも収納スペースの位置や間取り、家族構成や使う人の背丈によって、収納に適した場所は変化します。基本のルールを覚えて、自分の作業ラインに合うように応用することが何より大切です」

自分の家のキッチンの特徴をしっかり把握すること、そして作業ラインに合わせてモノを配置すること。火と水の考え方と「3つのライン」を意識して、自分なりの使いやすいキッチン収納を目指しましょう!

次回は、寝室の収納方法についてご紹介します。
 

■教えてくれた人

古堅純子さん

家事効率化支援アドバイザー:古堅純子さん

ふるかた・じゅんこ 1998年、老舗の家事代行サービス会社に入社。20年以上現場第一主義を貫き、お客様のもとへ通っている。5000軒以上のお宅に伺いサービスを重ね、独自の古堅式メソッドを確立。整理収納アドバイザー1級。個人宅や企業内での整理収納コンサルティング、家事効率化支援事業を展開。テレビ・ラジオ・雑誌などメディア取材協力も多数。

取材・文:竹下沙弥香(ハルメクWEB)

■もっと知りたい■


Youtube動画でも古堅式キッチン収納のコツを紹介!

Youtube動画でも古堅式キッチン収納のコツを紹介

古堅さんのYoutubeチャンネル「週末ビフォーアフター」では、家が散らからない片付けの方法を動画で紹介しています。今回ご紹介した山田邸のキッチンの片付けについても2本の動画でわかりやすく解説しているので、記事とあわせてチェックしてみてくださいね♪

>>【動画】片付かない原因は○○にあった!古堅式キッチン収納攻略法
>>【動画】収納力を限界まで引き出す!失敗しないキッチン収納

取材協力:

▼古堅純子さんが監修したフロアコーティングスプレーもおすすめ!

参考書籍:シニアのためのなぜかワクワクする片づけの新常識 (朝日新書・刊)

シニアのためのなぜかワクワクする片づけの新常識 (朝日新書・刊)


 

ハルメクWEB編集部

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