久しぶりの手芸に心がときめいて

創作意欲を取り戻してくれたブリオンフラワー

公開日:2018.07.03

花やリボン、シナモンなどのスパイスを駆使して作られるブリオンフラワーの創作過程や、作品に込められた思いなどを紹介。今回はブリオンフラワーとの出会いから、壁掛けカレンダーを作った体験、そして立ち上げたサークルについてです。

制作した壁掛けカレンダー
制作した壁掛けカレンダー。

気づけば手芸の時間を失って10年以上

幼い頃から母の影響で手芸が好きだった私ですが、両親の介護等で気付けば10年以上も手芸をしていませんでした。ある日市の公報誌に「ブリオンフラワー講習会」の募集記事を発見。4回の講習で1作品を作り上げて終了という内容と作品が掲載されていて、とても素敵だったのと、幸いに両親の介護もひと段落したこともあり、すぐ応募をしました。

ブリオンフラワーとは

18世紀頃生まれたヨーロッパの伝統ある手工芸を、現代風にアレンジした美しい室内装飾品です。主にドイツ、オーストリアで生まれた伝統を基本に、グローブやシナモン等のスパイスや木の実に、金・銀の飾りワイヤーを巻きつけ、花やリボン、スワロフスキーを加工して作る室内装飾品です。ドイツでは木の実やハーブを中心としたシックな物が多く、オーストリアでは宮廷を中心に華やかな物が多かったようで、インスブルックの博物館には美しく華やかな作品の展示があるそうです。

この手工芸が日本に渡ってきて、「ゲビンデ」と「マインシュテール」という2派にわかれ「マインシュテール」から「ブリオンアート」が生まれたそうです。

ブリオンには、写真のようにバネのような筒状に重なった丸ブリオン、ねじれのある波ブリオンがあります。それを伸ばし過ぎないよう力加減しながらグローブに巻き付けたり、ブリオンにワイヤーを通して作った花びらにリボンを貼ったり、ビーズを入れたり……。ブリオンを使ったパーツはアイデア次第で無限に生まれ、誰も作っていないパーツが作れるかもしれないという楽しみがあります。

 

イヤーにパールやスパイスやつけて、華やかな花に
ワイヤーにパールやスパイスやつけて、華やかな花に。

 

グローブが金色に輝く猫柳の蕾のように

初めての受講作品は壁掛けカレンダーでした。大まかな作り方はこうです。

まずグローブにワイヤーをかけブリオンを巻き付けます。その時ブリオンを伸ばしすぎないよう巻き付けるので、力加減が大事です。するとグローブが、朝日を受けて金色に輝く猫柳の蕾のように変身します。

次は、バクリ(丸くて先端が5つに割れた可愛い木の実)にワイヤーをかけビーズを組み合わせます。2センチに切ったシナモンにはパール3個を巻きます。リボンでバラの花を、パールにワイヤーを通し2種類の花を作ります。

こうして作ったブリオンフラワーを、手のひらに乗る位の大きさの花束にまとめるのですが、作ったパーツは上記のものなど10種類100個余り!

厚紙に布を貼り、金色のブレードで縁取りをした台紙に、ブリオンフラワーの花束を飾ります。そして翌年の日めくりカレンダーをつけ、写真のように壁掛けカレンダーが完成しました。

 

ブリオンフラワーの壁掛けカレンダー
壁掛けカレンダー



久しぶりの手芸はワクワクしました。グローブやシナモンの香りに包まれながらの2時間は、無心で集中でき楽しかったです。時間内にできなかったパーツは家で作るのですが、早く作りたくて翌日には完成したほど。知らないことを学ぶのはとても心ときめきます。

自分たちでサークルを立ち上げ。いつかは作品展を

受講したみんなとは一回だけで終わるのは残念なので、13名程度のサークルを立ち上げました。先生への依頼、公民館への交渉、申し込み等みなさんと話し合いながら決めてゆき、平成30年1月から活動がスタートしました。40~70歳代までと年齢幅も広く、健康、介護、思春期の子どもとの関わり方等、知恵袋がたくさんあるのも嬉しい限りです。

みんなの作品を飾って眺めると、同じ材料を使って作るのに、一つとして同じ表情をした作品がないのです。みんなもっと上達して作品展を開くのが大きな目標です。

この原稿を書いている時期は、春の花「ミモザ」を使ってフラワーポットを作成中です。ミモザの花は鮮やかな黄色で、花言葉は「友情」「秘密の恋」。「秘密の恋」はインディアンの男女が愛を告白する時、アカシア系の花を贈ったことに由来するとか。また毎年3月8日は「国際女性デー」です。イタリアでは「ミモザの日」と呼ばれ、男性が日頃の感謝の気持ちを込め、妻や恋人、身近な女性にミモザの花を贈る習慣があるそうです。ロマンチックですね。こんなミニ知識も共有しながらのサークル活動です。

もしブリオンフラワーに興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、ぜひお近くの教室を見つけてみてください。一度で虜になること間違いなしですよ。

次回は、ミモザを使ったフラワーポットを紹介します。

 

でん

ドイツ、オーストリアで生まれた、永い時を経て作り続けられているブリオンフラワーと言う作品作りに夢中になっている、62歳の主婦です。製作材料の1つにハーブを使うので、香りに癒され、美しいブリオンの光に魅了され、可憐で、しかし難しく一筋縄ではいかない不思議な魅力をお伝えできればと思います。

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