ちょっと仕事辞めてみました……

退職を機に一変した生活を俯瞰してみます

公開日:2022.02.15

仕事を辞めることについての考えは人それぞれで、多くの助言もいただきました。しかし、最終的には自分の気持ちに素直になる、それが今できることだと考えました。これからの自分の生き方を自分らしくする、何よりのスタートですから。

【1】仕事ってなに?

昨年(2021年)、仕事を辞めることを選択した私の思いと現在の生活を、味わい慈しみながら、俯瞰し考えていきます。

総務省の「労働力調査」によれば、60~64歳の女性の就業率は59.7%。10人のうち6人は何らかの形で働いているとのことです。人生100年時代、働ける間は働いて稼いで老後の生活に潤いをといわれています。

仕事とは何かと検索すると「生きていくためのお金を得る」「自己実現、成長」「社会貢献」「人との出会いのため」「休日を楽しむため」等々教えてくれます。

なるほど、長年仕事をしていたことを振り返ると、そうだな……と頷けます。多くの人と出会い、やりがいや達成感、仲間との心地よい関係性等々、有形無形それぞれかけがいのない体験をしました。

また贅沢こそできなくても、幸せな生活が送れました。長年働いてきたことで、良い人間関係もでき、職場が自分の居場所のようになっていたことも事実です。いい意味で仕事とはいいながら「自由」を感じていいたのです。

ここ数年は、組織の体制を作ることや、そのための戦略また経営的なこと、マネジメント等が仕事の大半を占めるようになっていました。

【2】定年制度

私の職場は、60歳が定年でしたが、「高年齢者雇用安定法」によると、2025年4月からは定年制を取り入れている企業すべてにおいて65歳定年制が義務となります。しかしまださまざまな課題があることも事実だと思います。

現在は、いったん「定年」しても、引き続き同じ職場での雇用が選択できることも一般的になっています。職場を変わらず働けるということは、人や場所に慣れていることや、今までのキャリアが活かせること、雇用条件等の相談がしやすいなどメリットは多いと思います。

でも私は「仕事を辞める」選択をしました。

【3】「仕事を辞める」と決めた理由

一つには私の環境背景、「親の介護」「孫の誕生」等の問題がありました。一言でいうと一般的な問題なのですが、それぞれの家庭の状況でその中身はまったく異なります。今まで、仕事8割モードで続けられたのは、私の周囲の方々のおかげなのです。

その私の大切な人が、私の支援を必要としていました。少しでもそれに対する誠意と行動を示したいと思いました。これは仕事と両立することは不可能だし、私の性格上どちらも中途半端にしてしまいそうです。

もう一つは、とにかく一度線を引きたい、やっている仕事と距離を置きたかったからです。

【4】「定年退職」に理由がいる?

仕事を辞めることを決めた私には、「なんで辞めるん?」「何するん?暇やで~」「ここ(職場)に残ると思ってた」「もったいない」「ボケるよ~」あれこれあれこれ……。

まぁそもそも、「定年」で退職するのに理由なんていらないと、私は思っていましたが……。

小さな子供を置いて深夜に出勤したこと、ほぼ寝ずに子供を看病したこと、学校の役員も断り続けて非難されたこと、義父の入院で懸命に尽くしたこと、休日も電話一本で出勤せざるをえないこと、自分以外の人を守ること、等々。

すべてこの「定年」を目指してがんばってきたのです。

【4】「定年退職」に理由がいる?

退職の日、花束を抱え職場を出た瞬間「わぁ~!やったぁ~!」と思わず叫んでいました。

 

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たこりん

看護職として無我夢中で駆け抜け、気づけば定年。少しゆっくりできればと思う間もなく、いろんな課題が降ってきます。でも今の時間を無駄にするのも輝かせるのも自分次第。環境とともに「しあわせ」の尺度や考え方が変化していく様を、文字にお手伝いしてもらいながら可笑しく前向きにお伝えしていきます。
 

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