電子書籍では味わえないこと

漫画単行本のひそかな楽しみ

公開日:2021.09.20

更新日:2021.09.16

電子書籍が普及してきましたが、紙の書籍ならではの良さがたくさんあります。作品ごとに工夫された装丁もその一つです。

漫画単行本のひそかな楽しみ
『ゴールデンカムイ』のカバーと本体

本を丸ごと楽しむ

私は入院中に、スマホで読む電子書籍の便利さを実感しました。読みたい本がすぐに購入でき、場所も取りません。

それでも気に入った作品は紙の本(こうしてわざわざ呼ぶのも時代の流れを感じますね)で持っていたいと思うのです。カバーデザインをはじめ、紙の手ざわりや本の重みなどを感じながら、作品の世界に浸るのは楽しいものです。

カバーを外してニンマリ

漫画単行本のカバーを外したことはありますか? 私は必ず外して本体を見ます。タイトルだけのそっけないものもあれば、お楽しみが隠れているものもあります。

実例を見てみましょう。

前回「最近完結した長期連載漫画」でご紹介した『大奥』です。

カバーの下には、大奥の美男お局様が‼ 粋ですねー。心臓が止まりそうになりました(笑)。

カバーを外してニンマリ
『大奥』カバー
カバーを外してニンマリ
カバーを外すとこんな絵が!

図鑑のように、ちょっとした情報が載っているものもあります。

『ゴールデンカムイ』は、アイヌ民族の少女と日露戦争退役軍人が繰り広げる、アイヌの隠し金塊をめぐる冒険活劇です。

アクション、グロテスク、ユーモアなど何でもありなのですが、アイヌ文化をきちんと描いているので、そこに興味を持つ人も増えたようです。すべて民族衣装が描かれています。

民族衣装の説明がある『ゴールデンカムイ』全巻違う絵です

読者サービスで、ちょっとしたおふざけもよくあるパターンです。

『黒執事』は、19世紀末イギリス、実は悪魔の有能な執事セバスチャンと、彼と契約した12歳の少年伯爵シエルが女王の密命で難事件解決に挑むダーク・ファンタジーです。

『黒執事』ファンにはこういうのが楽しい

いろいろな作品にお楽しみが隠れているので、みなさんも見つけて楽しんでくださいね!

 

今回の作品

『大奥』よしながふみ 2004年8月~2021年2月 全19巻 白泉社

『ゴールデンカムイ』野田サトル 2014年~ 既刊26巻 集英社

『黒執事』枢(とぼそ)やな 2006年~ 既刊30巻 スクウェア・エニックス 

 

■もっと知りたい■

K・やすな

漫画、アニメ、映画鑑賞、読書が趣味の自称「オタクな主婦」。子どものころは考古学者か漫画家志望。美術館めぐりや街歩きも好きだが、基本的に単独行動。なぜか、どこへ行っても道を尋ねられる。好きな花はカワラナデシコ。

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