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2021年02月04日
地域活動でいきいき
「鬼は外、福は内」と立春を祝う季節が到来するも、世の中はコロナ禍第3波のまっただ中。近くの小さな神社の節分祭も、縮小の上に縮小して行われることになりました。
私の住む団地には小さな神社があります。住宅団地に神社があるのは、全国的に見ても珍しいことのようです。団地のモール街の片隅に、広島一の大祭で有名な胡子(えびす)神社の御分霊として創建されたのは1990(平成2)年。 それ以降、モール街の商売繁盛の神様だけでなく、宮司を中心に地域の守り神として地域住民の安寧を祈っています。そして伝統行事を大切にし、日本文化の伝承に一役貢献していると自負して、1年数回の祭祀を15人の総代が行っています。
大方の日本人は、正月は宮参り、お盆は先祖の墓参り、クリスマスと、私たちは八百万の神仏に囲まれています。私も、「餅つきをするから手伝って!」と言われて、そのまま総代の末席に並んで、気がつけば20年近くが経過。「神社は地域住民のコミュニケーションの場」という総代長の言葉通り、私自身も、地域の人たちとの交流の場として楽しんできました。
2020年は、「美鈴神社」創建30年の節目の年で、さまざまな祭事を企画していましたが、コロナ禍ですべて自粛。そして今年の節分祭も自粛ムードで神事だけを総代で執り行いました。静かに宮司の祝詞を拝聴し、祭祀の代表として祭礼長の玉串奉奠(たまぐしほうてん)に合わせて総代たちが拝礼と柏手で終了しました。
例年ですと、近くの市立高校の弓道部が神事の後に弓矢の儀式、そして豆まき、餅まき菓子まきが行われるのです。神事として行われる「追儺(ついな)の儀式」は、東北と西南に向かって弓を三度鳴弦する古式ゆかしいもので、破邪(はじゃ)と清明繁栄を祈るといわれています。
また「邪」と裏書きした的に弓を射る神事も、地域の老若男女が心待ちにしています。静寂の中に的を見据える高校生、放たれる矢の音、そうして割れんばかりの拍手喝采。小さな神社の前広場で繰り広げられるこの光景は感動の坩堝(るつぼ)と化し、その感動が私たち世話人にも伝わってくるのです。
今年の節分は2月2日。でもこの地域では、節分日の前直近の土曜日(2021年は1月30日)に行われます。大人も子どもたちも参加しやすいように土曜日の午後に設定し、そしてこの地で生まれ育った子どもたちの心に残るようなふる里でありたいという思いからです。
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