私の生活3本目の柱「旅行」への復帰を果たして(6)

意気投合した友人と巡るオーストラリアのおしゃれな町

公開日:2020.04.28

2016年、C型肝炎を克服してわずか21日後に脳出血になったharumatiさん。リハビリを重ね、2019年12月から約2か月間のクルーズ旅行に挑戦してきました。今回は船で意気投合した夫婦と巡ったオーストラリアの町を紹介します。

新型コロナ…強まる制約の中で、感染を広げずに楽しむ

クレソン見つけた♪
クレソン見つけた♪
4月中旬、優しく咲き続ける我が町山奥の桜
4月中旬、優しく咲き続ける我が町山奥の桜

4月中旬のよく晴れた日、1番暖かい時間に町内の山あいまでドライブしました。人っ子一人いない田舎を夫と二人で散歩……そして見つけました。せせらぎの中に茂ったクレソンを。今日の夕飯の1品は、「ハルメク」5月号に載っていた、横山タカ子さんのレシピ「クレソン鍋」に決まり!!

もう少しドライブを続けて北東に進むと、我が町では、4月中旬になっても、まだまだ桜の見どころを見つけることができます。やはり山あいにある寺院「正寿院」。最近とみに「風鈴の寺」「ハートの窓の寺」として、有名になってきていますが、「快慶」作の不動明王や鎌倉時代の十一面観音像もある、実は高野山真言宗に属する、長い歴史を持つ由緒あるお寺です。

「禍を転じて福となす」という言葉がすっかり気に入った私たち。これを機に、これまで見逃したり聞き逃したりしてきた、我が町のよさをたっぷり味わうことにしました。それにつけても、第103回ピースボートの旅の後、東京、名古屋、横浜、大阪、福岡へとそれぞれ散っていった仲良くなった方たちのことが気がかりです。

そんな中、福岡へと帰って行かれた方から、今日お元気そうなお電話をいただきました。このMご夫妻とは、乗船1日目の夕飯のテーブルでご一緒したのをきっかけに親しくなり、オーストラリアの2か所を共に巡るほど、仲良くなった方たちです。
 

仲良くなったご夫妻と巡った、アデレードのワイナリー

一面に広がるブドウ畑を通り抜けてワイナリーへ

「オーストラリアへ行くからには」と、私の限られた行動力でも、絶対外せないと思っていたのが、ワイナリー巡り。

チャンスは思いがけず早くやってきました。大幅な航路変更となったため、多くのオプショナルツアーがキャンセルとなっていました。

私たちは、元々オプショナルツアーには申し込んでいなかったものの、アデレードの港から、オーストラリアワイン発祥の地、バロッサバレーまでは、車で1時間余。車を3時間チャーターするとすれば、かなりの費用がかかってしまいます。オプショナルツアーよりは安く付くから気軽にタクシーを使おうねと決めていたものの、いざとなると迷いが出てしまいました。そんなとき、「申し込んでいたオプショナルツアーがキャンセルになったんだけど、アレデードではどこか行く所を考えてる?」と、Mご夫妻から声がかかったのです。

1も2もなく、直ぐにタクシー割り勘で、バロッサバレーに行くことで即決。楽しい4人旅の始まりです。

見渡す限りのブドウ畑の中を走り抜け、おしゃれなワイナリーに到着。早速テイスティングです(この地では珍しく無料!!)。この時点でみんなご機嫌。買い求めた内の1本を早速空け、チーズやハムを注文して遅がけのランチ。ブドウ畑の中というロケーションや、お店のおしゃれさに大満足。

歩かず、がんばらず、ゆったりした一日を過ごせました。

雰囲気のいい店内で
雰囲気のいい店内で
早速テイスティングして上機嫌
早速テイスティングして上機嫌
歴史を感じさせるテイスティングカウンター
歴史を感じさせるテイスティングカウンター

 

タスマニアの町をMご夫妻と歩く

気さくに声をかけ自転車を止めて道を譲ってくれた現地の方と
気さくに声をかけ自転車を止めて道を譲ってくれた現地の方と

予定と最も大幅にずれて訪れたのがタスマニア。多くの方が、申し込んでいたツアーをキャンセルする羽目に。でも私たちにとっては「禍転じて福」、M夫妻と、再び行動を共にすることができたのです。

私が抱いていたタスマニアのイメージは、固有種の動物が至る所で見られる森。でも入港した港町ホバートは全く違いました。港から中心地の観光案内所まで無料シャトルバスに乗って移動するのですが、そこで見たのは、おしゃれで芸術的でグルメな町。

その昔、捕鯨基地の倉庫だった石造りの建物を、レストランやカフェ、芸術品のショップに改装し、ゆっくりと見て回ることができるおしゃれな町になっていました。まずは4人で路地に入りながら、ガラス工芸、アイアンアート、陶芸、アボリジアンアートなどを見て回りました。誰にもせかされず、売り込まれず、本当にのんびりと回れるのです。

サマランカ広場 かつての捕鯨倉庫が、今はしゃれたショップに
サマランカ広場 かつての捕鯨倉庫が、今はしゃれたショップに

お昼を過ぎておなかが減ってきたので、シーフードのレストランに入ることにしました。レア、フライ、スチームッドetc...あらゆる料理方法のオイスターの盛り合わせと、蟹のサラダをそれぞれの夫婦で1皿ずつ注文しました。やっぱり量は多いのだけれど、盛り合わせ方が美しく、食欲をそそられます。地元のビールと共に楽しみました。

オイスター料理と海老サラダ
オイスター料理と海老サラダ
レストランのトイレへの通路 何もかもがおしゃれ
レストランのトイレへの通路 何もかもがおしゃれ

それから、昔砲台があった高台のバッテリー公園まで歩きました。大きな木が木陰を作り、広々とした芝生では、何組かの親子がピクニック。オーストラリアではどこでも親子連れが多く(もちろん夏休み中と言うこともあるのでしょうが)、みんな穏やかで楽しそうなのです。

木陰のベンチで、坂道を上ってきた疲れを癒やしながら、女性陣はしばらくおしゃべり。男性二人は、思い思いに芝生に寝転がったり、いろいろな記念碑を見て回ったり。

帰りの下り道は、庭木や花、家庭菜園が見事な住宅地を通りました。私たちと同年代のご近所さんが、楽しそうにおしゃべりをしています。いつ頃からこの地に住んでいるのか尋ねてみると、30~40年とのこと。庭に植えられたイチジクや、ピーナッツ、アボカド、パッションフルーツなどのことを、誇らしげに教えてくれました。

スタート地点の、サラマンカ広場まで帰ってきて、カフェのあるチョコレート専門店を発見。

「ちょうどおやつの時間だね」と、誰ともなくちょっと言い訳がましく言って、店内に入り、思い思いのケーキを注文してブレイクタイム。

甘辛両刀のご夫妻も、オーストラリアらしい大きくて甘~い、大きいチョコレートケーキにはびっくり!
甘辛両刀のご夫妻も、オーストラリアらしい大きくて甘~い、大きいチョコレートケーキにはびっくり!

船に帰り、その日の歩行距離をチェックしてみると……何と!2万2914歩。脳出血発症後の最高記録を更新していました。タスマニアの世界一きれいといわれる空気の中で、美しいものを見ながら歩いた2万2914歩。気が合うご夫妻と語り合いながらだったからこそ、しんどくもならずにこんなに歩けたのだと、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

これまで航路の順を追わずに書いてきましたが、ここらで一度、旅した順を整理してみたいと思います。

次回「クルーズ旅の写真の整理とともに旅程を振り返る」

harumati

45歳~66歳までC型肝炎と共生。2016年奇蹟とも思える完治から、今度は脳出血に襲われ右半身麻痺の大きな後遺症が残り身体障害者に。同居する息子と夫に家事を任せての暮らしにピリオドを打ち、2021年11月「介護付き有料老人ホーム」に夫と入居。「小さな暮らし」で「豊かな生活」を創り出そうと模索中です。

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