私の生活3本目の柱「旅行」への復帰を果たして(4)

災い転じて福となす。バヌアツで出合えた美しい景色

公開日:2020/03/31

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2016年、C型肝炎を克服してわずか21日後に脳出血になったharumatiさん。生活の3本の柱の一つという「旅」に復帰するために選んだのは約2か月間のクルーズ旅行でした。今回は、予定されていなかった寄港地、バヌアツでの旅行記です。

バヌアツのブルーラグーン

何の期待もなく、予定外に訪れた2つ目の地

久しぶりに安定した晴天、ぐんぐん上がっていく気温、まさにハルメク気配の中で、ウグイスが、ホーホケキョと盛んにさえずっています。

ところで、船旅に行くと決めたとき、私はどんな期待を抱いていたのでしょうか。1年前までさかのぼって、ハルメクWEBに書いた記事を、改めて読み返してみました。

「第103回ピースボートミドルクルーズ―地球の鼓動を全身に感じるオセアニアの船旅へ」を特集した、GLOBAL VOYAGE(発行(株)ジャパングレイス)が初めて手元に届いたのは、2019年2月。約1年前でした。そのことに触れながら、私はこんな記事を書いています。

「送られてきた冊子の中でひときわ輝いて見えたのは、ニュージーランドのミルフォードサウンド。日本から乗船してきた船のまま、半日かけて断崖絶壁の間を進む」と、写真を載せて紹介し、「私の胸は高鳴った。体力をつけよう。不自由であっても楽しめる内容、方法を研究しよう」とその文を締めくくっています。2019年3月に書いた記事です。

大型船のデッキから眺めるのを楽しみにしていたなミルフォードサウンド
大型船のデッキから眺めるのを楽しみにしていたなミルフォードサウンド

これまでのどの記事を読み返してみても、訪れる予定の南太平洋の島々(ニューカレドニア、ガダルカナル、ラバウル)への期待らしきものは、一切書いていません。海のアクティビティとは無縁の身となってしまった私にとって、船に乗ったまま、海ならではの醍醐味を味わえるニュージーランドのミルフォードサウンドは、とりわけ魅力的に思え、楽しみにしていたのでした。

それなのに、予定外に訪れることになった2つ目の地は、よりによって83の島々からなるというバヌアツ。これまで名前も聞いたことがない熱帯の島。早朝に島が見えてきました。着岸地は首都ポートビラ。熱帯雨林がうっそうと茂り、それ以外は何もないように見えます。

バヌアツの旅の始まり

早朝、近づいてきたバヌアツ。何にもないように見えて不安がよぎる。
早朝、近づいてきたバヌアツ。何にもないように見えて不安がよぎる

島国では、それぞれ通貨が違うので、下船したらまず両替をしなければなりません。港のゲートを出たところに、臨時両替所が用意されます。その向こうには、タクシーがズラリ。公共交通機関はないので、どこへ行くにもタクシーを利用しなければなりません。クレジットカードは使えそうにもありません。

混み合うのを避けて、遅がけに両替所に並んでいたその時、「300A$(オーストラリアドル)で1日観光の6人乗りタクシーと交渉ができたのですが、あと2人足りません。どなたかご一緒に行きませんか」と呼びかける声が聞こえてきました。

タクシーといってもその多くが6人乗りのバン。もし夫と二人だけで乗るとすれば、2人で300A$。便乗させていただけるなら、2人100A$ですみます。思わず、「ご一緒させてください!」と声を張り上げました。声を掛けてくださった方をリーダーに、運転手さんを紹介してもらい、自己紹介をし合って、出発! こうしてバヌアツの旅が始まりました。
 

バヌアツは、文字通り手つかずの自然が残る楽園でした

タクシーにクーラーは、付いていないので、窓を全開に。熱帯の熱い風が吹きつけ、髪はクシャクシャ。目が痛くなるので、目を閉じたままデコボコの地道を走ること約30分。脇道にそれて熱帯の木々が生い茂る中を少し行くと、特に観光地らしき看板もない、丸太で作ったゲートがありました。(こんな所に何があるのだろう)と思いながら、15A$の入場料を払ってゲートをくぐると、そこに開けていたのは目を見張る美しさのコバルトブルーのラグーン。

その一部を囲って、生き物の負担にならないように現地の方の監視の下、ヒトデやウミガメと親しめるようにしてあります。大きなヒトデを、頭に乗せたり体中に貼り付けたり、ウミガメに餌やりをしたりして写真を撮り、楽しむことができました。

#いっぱいくっつけた珍しい姿で
いっぱいくっつけた珍しい姿で
生後2週間のウミガメ。バヌアツのきれいな海で生まれ、一定の大きさになるまで保護され、再び海に戻されます
生後2週間のウミガメ。バヌアツのきれいな海で生まれ、一定の大きさになるまで保護され、再び海に戻されます

次は、クルーズ船内に用意されていたタブレットで、夫が調べておいた滝へ。やっぱりデコボコ地道を、窓を開けたまま走るのですが、もうちっとも苦になりません。今度はどんな美しさ、珍しさに出会えるのだろうとワクワク感でいっぱいです。

再び、脇道へそれて熱帯の木々の茂みの中に入り、観光地らしいものは何も見当たらないところで車を降りると、やはり15A$の入場料を払って、さらに深い茂みの中の細い道に入りました。そこで見たのは、湧水の池。底の底まで透き通っている水に、周りの木々や空が映り込み、まるで、映画「The Road of the Rings(ロード・オブ・ザ・リング)」のエルフの世界のような美しさです。

何でもない山の中に滝があるという。山の中を進むと大きな期待が膨らむ景色が
何でもない山の中に滝があるという。山の中を進むと大きな期待が膨らむ景色が


そこからは、急な山道。夫にすがりつくようにしながら10分ほど歩くと、空がパッと明るく開け、いきなり大勢の人たちが登場。そこは滝壺でした。大人も子どもも、何の設備もない中で、自然に溶け込んで水や木と戯れています。私は、歩行が限界に来ていたので、滝を見に行くのは諦め―というよりも、人と自然が一体となったこの場の雰囲気に圧倒されて、しばらくその様子を見ておくことにしました。

滝壺では大人も子どももターザンに。多くはオーストラリア人
滝壺では大人も子どももターザンに。多くはオーストラリア人

帰り道には「Free Restaurant」と、小さい看板を掲げている場所がありました。現地で採れたフルーツを、自由にいくらでも食べられるように次々にカットしてテーブルに並べてくれます。マンゴー、スイカ、バナナ、マンゴスティン、初めて見るので名前も覚えられなかったもの等、すべてが正真正銘の無農薬のオーガニックフルーツ。そのおいしかったこと。一緒に行った仲間とおなかがいっぱいになるほど食べました。

バヌアツの旅で最後に立ち寄ったのは、ポートビラ随一の観光地である「ブルーラグーン」。ピースボートのオプショナルツアーの人たちもここに来ていて、混み合っていました。潮の干満で、海水と淡水が混じり合うことによって生まれる美しい青。老いも若きも水着になって、その青を満喫していました。

バヌアツ随一の名所 ブルーラグーン
バヌアツ随一の名所 ブルーラグーン

最後に免税店などがあるという中心部に行ってもらいましたが、その日は日曜日。1つのスーパーマーケット以外見事に閉まっていました。(いいことだなあ)と妙に感心しながら、スーパーで、現地通貨を使ってしまうべく、アイスクリーム、チーズ、クラッカー、マンゴー等を買って、船に戻りました。

期待していなかっただけに、「災いを転じて福となす」感を強くしたバヌアツの旅でした。

まだ他にも「災いを転じて福となす」出来事がありました。それは、メルボルン訪問でのこと。次回はそのことを書きたいと思います。

次回「友人との再会がよりよい形に!メルボルンの思い出」

harumati

定年退職・年金生活者。45歳~66歳までC型肝炎と共生。2016年奇蹟とも思える完治から1か月もせず、今度は脳出血に襲われました。1年半の闘病、リハビリ生活後、2018年、旅行・ボランティア・夏休みの娘母子とのプチ同居を3本柱にした、悠々自適のリタイア生活を取り戻すべく仕切り直して再出発しました。

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