- ハルメク365トップ
- ハルトモ倶楽部
- 文化部
- 優しい本 「めぐらし屋」 堀江敏幸
幼少の頃から読書が大好きな久田さんが、定期的に行っている読書会についてや、文学にちなんだ場所巡り、おすすめの本について紹介。今回は読書会にて、堀江敏幸「めぐらし屋」を読んだお話です。
読書会で堀江敏幸「めぐらし屋」を読む
「めぐらし屋」のヒロイン,蕗子さんは離れて暮らしていた父が亡くなり父の部屋を片付けにきて幼いころ父の誕生日のお祝いにプレゼントした黄色い傘の絵が描かれているノートをみつける。表紙に筆ペンで「めぐらし屋」と大書きされていた。
『部屋のなかが、すうっと暗くなる。電灯を切ったのではなく、調光つまみを急いでオフのほうにまわして、おびただしい段差をなめらかに滑っていくのに似た光の落ち方だ。バスを降りたころから、春先特有の、靄の立つこまかい雨が降りはじめ、蕗子さんはここまで傘を差して歩いてきた。』
物語の初めのほうに出てくるこの文章がいいなぁと思った。
まるで女性作家が書いたような感じを受け、繊細でやさしいと思った。メンバーのAさんからもそんな意見が出ていた。淡々として流れる父と娘の時間、一緒に暮らしていなくても親子っていいものだと思った。
路子(みちこ)と娘の名前を決めて、届けに行ったはずなのに、役場の人とのやり取りから蕗子(ふきこ)になってしまった。
『路が人をここではない別の土地へと導いてくれる線だとすると蕗はそのわきに生えている草みたいなもの。まっすぐに進むことができずに寄り道ばかりしてもそれが名前なのだと居なおることができる。』
まるで蕗子さんの生き方を一言で表しているとみたいとみんなで言い合った。
父がめぐらし屋を始めたいきさつも丁寧によく描かれている。父の残しためぐらし屋(宿探し)の仕事を蕗子さんもやってみようとするところで物語はおわっているが、最後はやはり傘のお話が出てきて構成はみごとである。
-
子に遺すべき資産は?
「現金」か「不動産」か…どっちが得?メリット・デメリットは?相続や親族間のトラブルに悩まされないためにしておくべき準備とは -
突然の我慢できない尿意
実は多くのハルメク世代が悩んでいる「尿トラブル」…中には上手に対策をしている人も!気軽にできる対策って? -
個人情報管理できてる?
銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が… -
お金の管理が簡単に!
三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です! -
認知症セルフチェック
「もの忘れが増えた」「名前が思い出せない」という症状に心当たりがある方は要注意!それ、「認知機能のレベル低下」が原因かもしれません… -
健気な姿がかわいい!
「思わず笑顔になる」と巷で話題の「永遠の2歳児・ニコボ」!ハルメク世代の2人に、ニコボとの生活にハマる理由をお聞きしました! -
生前親に●●聞き忘れると
老親の契約や登録しているサービス、これらを子が把握していないと将来ムダな出費や面倒なトラブルに発展する可能性が!特に見落としがちなのは… -
50代~お金の増やし方
将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか? -
60日で英語が話せる!
英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは? -
今なら無料でお試し!
将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます! -
おひとり様の備えはOK?
この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生! -
50代から1日1分脳トレ
認知機能を衰えさせないためには、早い時期から「脳を活性化」させることが大切。脳トレ効果がグッとアップするコツって?