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高校時代から絵に親しみ、定年後から本格的に油絵に取り組んでいるスミレさん。今回は、デッサンの奥深さと上達のコツを解説します。
幸せと結びついたデッサン
デッサンをするに当たっていろんな角度から見慣れているもの、身近にあって使い慣れてるものをモチーフにした方がいいです。
花なども描いてみればわかりますが絶えず変化する生き物で、植物を描くなら茎や葉や芽それらを描き分けるくらいの観察力がいります。
「モチーフ」は、元はフランス語で「動機」とか「誘因」などという意味の言葉です。絵画に関する言葉としては「描く対象」ではなくて「描く気にさせるもの」です。
モチーフは描きたいものであって誰かに決められて描かされる対象ではありません。とにかく描きたいものを描くのが1番いいです。
目に見えるものなら何でもデッサンの対象になります。時には目に見えない音や風の動きや匂いをモチーフにして描く人もいます。
アジサイの造花を描いてみました。
上手くなる必要はない
何事も初めから上手くはできません。
見よう見まねで続けているうちに開けてきます。誰にも口出しされずに自由に自主的に描けることは、デッサンに限らず絵を描く人にとってみれば幸せの条件です。
描く時くらいは全くの自由でありたいものです。
着衣の人物画
とにかくモチーフと画面の両方を絶えず見比べながら描きます。
描き方は自由ですが決められた時間内にひと通り描ききることをまず目標とし、時間があったら陰影などの細部に入るようにします。
衣服のシワやヒダもその人の個性を表します。特にひざやひじなどの関節の動きは衣服のヒダに表れます。
人間の体は骨格によって支えられていて関節でしか曲がりません。
人体をよく観察する
人体は柔らかく丸みがあり、縦長の筋肉でしっかりと形作られた複雑な構築物です。人体を描くとき、楕円の集合として描きます。
この丸みは他の自然体にも当てはまります。
人物を描く場合、全身を描く場合と顔を中心として描く場合では追求の意図が若干異なります。
顔の場合は表情の描写が主になり、目や口を描くにしても作者のモチーフへの思い入れがにじみ出やすく、形をただ冷静に、プロポーションやバランスや陰影の関係を描くだけでは済まなくなります。
全身を描くとき
骨格やプロポーションなどの冷静な研究対象として描きやすいことから基礎デッサンの対象としては全身を描く方が向いています。
その細部に至るまで誰にでも熟知されているのでごまかしの利かないモチーフです。着衣と裸体でもだいぶ勝手が違います。基礎的なプロポーションや人間の各部位の機能や形態的特徴を研究するためにはもちろんヌードの方がいいし、均質な肌のために質感や立体感も表現しやすいのですが。衣装を着けると全く異なった質が加わり色彩も増え、明暗陰影も格別に複雑になります。
ただし形態やバランスなどはそれほど厳密に描かなくてもよい面もあり、気楽に描けるようでもあります。どちらも魅力です。
ドローイングを身につけると物の見方が変わります。手を動かすことで知覚や思考をイメージに作り変え、目で考える術が身につきます。
全ての痕跡や線に自身を持ちムダな線を引かない、必要な線だけを描く、筆圧の強弱そのものが視覚的なリズムを生み出す。曲がった線を描く時に先細りになったり切れ切れになったりすると勢いのよさが表現できます。
又描くときにためらいがあるとそれは露骨に表れます。
人の重さが描けるようになりたいです。内面の魅力まで描きたいです。
モデルさんは仕事とはいえ、同じポーズは結構大変だと思います。
モデルさんに感謝です。
今回もお読みいただき有難うございました。
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