大人女性の“ととのう”温泉グルメ紀行 Vol.4
50代、日々に静けさが足りないなら「界 長門」で温泉タイムスリップ
50代、日々に静けさが足りないなら「界 長門」で温泉タイムスリップ
更新日:2025年07月20日
公開日:2025年07月17日
※記事末尾で、「界 長門」ペア宿泊券が当たるプレゼントをご案内しています。ぜひ最後までご覧ください。
タイムスリップしたような気持ちでチェックイン

音信(おとずれ)川沿いを歩いていると現れる、黒を基調としたお屋敷のような建物。白い大きなのれんが、風にはためいている「界 長門」。
ふと、江戸時代にタイムスリップしたような感覚に……。
それもそのはず。界 長門がある温泉街「長門湯本温泉」は、江戸時代に武家の湯治で栄えた町。山口県最古の温泉街です。

そんな歴史ある土地に建つ界 長門も、その文化を踏襲。藩主が参勤交代のときに休む場所である「御茶屋屋敷」をモチーフとした作りとなっています。
のれんをくぐり、石畳を渡りながらフロントへ。
屏風を眺めるように景色を臨む

フロント奥には、音信川に面した大きな窓があります。その手前に黒い囲いが。正面から見ると…

まるで屏風のような眺めに。時間を忘れてついつい見入ってしまいます。


フロントには、宿からほど近い距離にある「深川窯」の萩焼をはじめとした作品が、数々展示されています。まるで小さな美術館。古い歴史を持つ温泉街が歓迎してくれているような、うれしい気持ちになりますね。
「まるで化粧水」な温泉で、お肌つるん

さっそく温泉へ!界 長門の温泉は全国でも屈指のアルカリ度を誇り(温泉分析表の表示:ph9.9)、その湯触りはまるで「化粧水」!とろとろのお湯が全身を包んで、体を癒やしてくれます。

長門温泉は「神授の湯」とも言われており、かつては藩主たちがこぞって湯治を行ったほどのすぐれた泉質。
入浴時にはあいにくのお天気でしたが、雨が岩にしたたり落ちる音もまた心地よく。自分がいま遠くにいることをふと思い出しながら、静かなひとときを過ごせました。
お湯から上がってもお肌がしっとり。アルカリ度の高い長門湯本温泉は、「美肌の湯」の異名もとるのだそうですよ。
湯あがり処には…まさかの「日本酒」

美肌の湯を堪能した後は、湯あがり処でのんびり。ドリンクコーナーには、山口県宇部市で作られた「小野茶」と萩市の名産を使った「夏みかんジュース」。そして……

なんと、日本酒! 山口が誇る老舗「八千代酒造」の人気銘柄「ROOM」は、南国を思わせる華やかな甘味が特徴。温泉あがりのほてった体にしみわたります。
川を眺めながら、どらやきタイム♪

温泉からあがったら、温泉街をそぞろ歩き。正面の門を出てすぐ脇にある「あけぼのカフェ」へ向かいます。
ここは宿泊者以外も利用できる、いわば「どらやきスタンドカフェ」。ゆずきち(山口県のオリジナル柑橘)や夏みかんのジャムを使ったどらやきを楽しむことができます。もちろんノーマルなあずきもおいしいですよ。
自ら抹茶を立てて、お茶を楽しむことができる「どらやき茶かご ~季(とき) の野点~」も体験することにしました。
野点(のだて)とは、屋外で抹茶を楽しむ茶道のこと。目の前を流れる音信川のせせらぎを聞きながら楽しむ、抹茶とどらやきは格別です。

風情があって、歩くだけで楽しい長門温泉湯本。徒歩5分圏内に、足湯や神社、ショップ、カフェなどがありました。


武家の晩餐!? 山口の美味を一度に
さて、お待ちかねの夕食です! 先付けは烏賊(いか)の二色あえ。神社の「茅の輪」をイメージしたという飾りが目を引きます。
酢の物、八寸、お造りを盛り合わせた「宝楽盛り」は目にも華やか。

お造りは、鯛、いか、ヒラマサと、日本海の恵みがぎゅっとつまったラインナップ。 左奥の飾りは長門市の職人による「桶」。「未来の見通しが良くなりますように」という願いを込め、あえて底のない桶にしたのだとか。桶の中には、山口市の無形文化財「徳地和紙」の折染めで作った飾りがあしらわれています。

メインは、「河豚(ふぐ)と鶏の瓦焼き」。こちらは山口県名物・瓦そばをモチーフとしたメニューで、その昔武士が瓦で食材を焼いて食べていたことがルーツとなっているそう。

アツアツの瓦で、最高の地元食材を焼いて食べるという新体験を楽しみました。

そして忘れてはいけないのが、日本酒です!今回は地酒3種飲み比べセットをオーダー。右から「Ohmine 3粒」「山田錦・原田 西都の雫」「貴 濃醇辛口純米80」。いずれも山口県のオリジナル酒米である「西都の雫」を使用しています。香り、味わい、余韻のグラデーションを楽しむ至福の時間でした。
伝統的な「ととのい」体験…大人の墨遊び

夕食の後は、お楽しみのアクティビティ・ご当地楽へ。山口県の伝統工芸である「赤間硯」で墨をすり、書をしたためます。

江戸時代には長州藩の名産で、参勤交代の際に献上品として使われていた赤間硯。手に持つとずっしりとした重みが手に伝わってきました。
そんな赤間硯を使ってゆっくりと墨を擦っていきます。

しばらくすると、まろやかで透明感のある香り。墨の香りはリラックス効果があるそうですが、目を閉じて深呼吸すると、日本酒で少し上がっていた心拍数が落ち着いていくのを感じます。まさにととのい体験。

墨を擦り終わったら、墨を筆につけて、扇形の台紙に文字をしたためていきます。こんなに集中したのは、小学校の習字の授業以来かも……。
お部屋もアーティスティック!「長門五彩の間」
一日の終わりは「長門五彩の間」ゆったりと休みます。

お部屋に入って、まず目を引いたのは、カラフルなヘッドボード!こちらは、徳地和紙を使ったもの。横たわると、なんだか万華鏡に入り込んだような気分になります。
部屋の名前にある「五彩」とは、客室を彩る5つの要素を表しています。ヘッドボードの「徳地和紙」、室内に展示されている「萩焼」「大内塗」、客室入口にあしらわれた「萩ガラス」、そして、窓から見える「四季折々の景色」。
部屋にいるだけで気持ちが晴れやかになる、文化体験となりました。
小さなカフェで、旅の余韻をひとさじ

チェックアウト後にはこの街を去るのが名残惜しくて、界 長門から徒歩5分ほどのところにある「café & pottery 音」へと足を運びました。
築50年の古民家を改装したカフェ&ギャラリーで、地元作家による萩焼の器と、自家製スイーツ、丁寧に淹れたコーヒーが楽しめます。

この日は、「甘夏とヨーグルトクリームのタルト」と「音信ブレンド」を。素朴で味わい深い器に盛られたスイーツは、目にも舌にもやさしく、旅の余韻をしみじみと味わうひとときになりました。
また来たくなる町、長門湯本温泉

界 長門で過ごすひとときは、まさに藩主のような優雅な湯治時間。
宿の佇まい、湯の質、食の楽しみ、そぞろ歩きの風情——すべてが日常を離れた場所で、自分を取り戻すための時間を与えてくれます。
にぎやかな日々の中で、「静けさ」が足りないなと感じたら、 この場所が心と体をゆるめてくれる拠り所になるかもしれません。
今回宿泊した温泉宿はこちら:界 長門
長門湯本温泉に位置する「界 長門」は、藩主が参勤交代の時に休む場所「本陣」として使用した「御茶屋屋敷」をテーマに、武家文化を体現した温泉宿です。長門の自然を感じる温泉を堪能しつつ、山口県の伝統と文化に触れる体験を楽しめます。
「70歳以上限定『温泉めぐり 界の定期券』」の対象施設の一つとして、シニア女性にも人気の温泉宿です。
▼界 長門 住所:山口県長門市深川湯本2229-1
取材・文=島仲こすも(HALMEK up編集部)
「界 長門」ペア宿泊(1泊2食付き)1組2名様

長門の伝統文化と美肌の湯、そぞろ歩きを楽しむ宿
星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランド「界」。長門湯本温泉に位置する「界 長門」は、藩主が参勤交代の時に休む場所「本陣」として使用した「御茶屋屋敷」をテーマに、武家文化を体現した温泉宿です。長門の自然を感じる温泉を堪能しつつ、山口県の伝統と文化に触れられる宿の宿泊券(1泊2日)を、1組2名様にプレゼントします。(有効期限:2025年11月1日~2026年4月末日)
※宿泊券の発送は10月初旬になります。
界 長門ってどんな場所? 滞在レポ動画公開中




