50代からの女性のための人生相談・49

人生相談:親が物を捨てない…ゴミ屋敷になってしまう

人生相談:親が物を捨てない…ゴミ屋敷になってしまう

更新日:2022年08月12日

公開日:2021年12月23日

人生相談:親が物を捨てない…ゴミ屋敷になってしまう

「50代からの女性のための人生相談」は、専門家が読者のお悩みに答えるQ&A連載。今回は54歳女性の「親が物をため込むようになった」というお悩みに、生活研究家・消費生活アドバイザーの阿部絢子さんが回答します。

阿部絢子さん
監修者
阿部絢子
監修者 阿部絢子 生活研究家・薬剤師

54歳女性の「親が物をため込むようになった」というお悩み

54歳女性の「親が物をため込むようになった」というお悩み

父親は現在80歳。10年前にガンを患い寛解したのですが、そのあたりから物に執着するようになりました。

離れた場所で商売をしていた関係で、実家とは別のマンションに一人暮らしていたのですが(父は楽しんでいた様子)、コロナ禍で商売をたたみ実家に戻ってきました。と同時に、マンションで使っていた大量の家具や趣味嗜好品もやってきました……。

今、実家は部屋の中はもちろん廊下、ベランダと物が占領しています。使わないなら捨てましょう、と母が言っても、「家を改築したら置きたい物ばかりだ」と言い張ります。改築の予定など、ないのにもかかわらず、です。

どうしたら、父親は物を処分してくれるでしょうか。このままでは、ゴミ屋敷になってしまいます。

(54歳女性・M.M.さん)

阿部さんの回答:子どもとして何とかしたいのは当然

阿部さんの回答:子どもとして何とかしたいのは当然

 「親の家の片付け」について、多くの子世代の方たちが悩みを抱えている、という話をよく耳にします。

子世代からすると、「もったいない」「いつか使う」「まだ利用できる」「誰かが使う」「モノを大切に」といった親世代のこだわりによる、ある意味「モノへの執着」の理解に苦しむところがあるかもしれません。

また、親世代からすれば、モノの乏しい時代から高度経済成長期へと活力を注いだ時代に身に付けた「モノ活用」の習慣がなかなか捨てきれず、子世代の「モノを整理しスッキリさせる」「いらないモノを整理する」などの「捨てる」という行為への反発が起きる、それもわからないことではありません。

社会状況を異にした時代を暮らしてきた人たちが、一つの問題で意見が異なる。それは仕方ないことかもしれません。

でも、親を思う子の立場からは、例えば「ゴミ屋敷化する」「親の安全確保ができない」「親の生命にかかわる」など、問題が大きくなり手の施しようがなくなる前に、「何とかしなければ」「何とかしたい」「手を打ちたい」と考えるのは当然です。

まずは親の考えを聞き、物の要・不要を聞き出す

まずは親の考えを聞き、物の要・不要を聞き出す

親世代でも、ご相談者の母上のように、問題を真摯に捉えていらっしゃる方もおられます。が、多くの親世代は、「自分はまだまだ」「人生100年、まだ大丈夫」「あともう一花」などと、年齢を過信している(?)のも、私は実感しています。

しかし、年齢は侮れないのです。特に80歳を過ぎたあたりから、次第に体力・気力・集中力などが落ちていくと思われます。ところが、親世代の方たちには、その実感がなく、反対に「まだ大丈夫」との過信からモノを片付けられないのではないでしょうか。

ご相談者の父上の場合が、まさにそうした例であると思われます。まずは父上に、じっくりと、建て替えの話を聞くことから始めましょう。

  • 建て替えプランをどのように考えているか
  • 時期・費用・設計者・工務店は?
  • どんな家にしたいのか
  • 建て替えた後、家に置きたいモノはどれか
  • 付箋を貼って、いるモノを具体的に示してもらう

父上の思う具体的なモノの要・不要を聞き出していくことは大切です。ただ聞き出しには、一回ではなく、少なくとも最低5回以上掛けます。要・不要の決断には、時間が掛かりますから。

モノの要・不要がハッキリすれば、要のモノを残すだけで、不要のモノは始末しても大丈夫ということです。

ただ「捨てる」と、言い募っているだけでは先へ進まないのです。より具体的にするためには、具体的なことを聞いていくことです。

そして、要のモノは1か所に収納する。

こうした一連の作業が、結構大変というわけです。親の家を勝手にできない子世代が、口を出すだけでなく、手も出すのですから、この作業は親子にとって一大決心というわけです。ここを肝に銘じておきましょう。

「口を出すなら費用も出す」と割り切って考える

「口を出すなら費用も出す」と割り切って考える

また、何度聞いても(少なくとも10回は聞きます)、建て替えの話に応じてくれない場合は、「では、建て替えプランはないということで」と確認するようにして、「このままでは安全確保ができない」「もっと年を取り、転んで寝たきりになったらどうするの」「つまづいて入院して寝たきりになったら心配」などの話をし、「私(子ども)に任せてほしい」と責任を持つ話をします。

と同時に、親が快適に暮らせるように、子世代が考えるプランを実行するのであれば、子はド~ンと費用を捻出し、業者と一緒に片付けをするのも一手です。

「口は出すけど、手も費用も出さない」ではなく「口を出すなら費用も出す」と、割り切った考えをするようにしてはいかがと、私は考えます。

回答者プロフィール:阿部絢子さん

回答者プロフィール:阿部絢子さん

あべ・あやこ 1945年、新潟県生まれ。生活研究家・消費生活アドバイザー。家事全般や食品の安全性の専門家として活躍。薬剤師の資格を持ち、今も現役で働いている。

構成=渡邊詩織(ハルメクWEB)


50代からの人生相談一覧を読む

専門家に相談したい質問を募集中です!

連載「50代からの女性のための人生相談」では、専門家の方に相談したい内容を募集中です。下記応募フォームに、人間関係や老後の生き方、お金や介護、恋愛についてなど、相談したい内容を書いてお送りください。

応募はこちら

HALMEK up編集部
HALMEK up編集部

「今日も明日も、楽しみになる」大人女性がそんな毎日を過ごせるように、役立つ情報を記事・動画・イベントでお届けします。