50代からの女性のための人生相談・84
人生相談:実家の片付けを強要される義母がかわいそう
人生相談:実家の片付けを強要される義母がかわいそう
更新日:2023年08月05日
公開日:2022年07月19日
61歳女性の悩み「きれい好きの夫が実家の片付けを強要」
「死ぬまでいろいろな物を片付けてほしくない」という85歳の義母と、立つ鳥跡を濁さずとばかりに「片付けを手伝いたい」「親孝行したい」というきれい好きな夫。二人の間に挟まれ、どうしたらいいかわかりません。
私は、義母の気持ちがとてもよくわかります。そのため、夫に『捨てない生き方』という本を買って、すすめてみましたが見向きもしません。
どうしたら2人が納得する関係になれるのでしょうか?
義母の次は私が物を捨てることや、片付けを強要されそうで思いやられます……。
(61歳女性・茶漉しさん)
阿部さんの回答:片付けは気持ちを整理すること

暮らしの必需品や置いておきたい物は、年代とともに、移り変わっていくのが普通です。
と言っても、暮らす人の年代、性格、家族との関係性、人との付き合いや趣味などによって、暮らしの変化は多種多様。年代を経ることで、必需品や置いておきたい物もまた、確実に変化をしています。
これまでの物が、忘れ去られ、目の前にある必需品だけが重宝がられ、忘れ去られた物は、そのままとなり、場所をふさぎ、安全性を欠く、さらに探し物に時間が費やされる、といった問題を引き起こすことになります。
特に、茶漉しさんのお母様世代に、「物を捨てられない」ということは多く見受けられるのではないかと思います。

この世代の方たちは、いろいろと変化に富んだ時代を生きてきました。そのため、現代の人たちの暮らしのように、必需品を厳選し物を捨てながら、暮らしを継続させていく、などという考えは持たず、暮らしを継続してきました。
だからこそ、「死ぬまでいろいろな物を片付けてほしくない」との願いを強く持っているのではないでしょうか。
「モノを捨てる=すべてが無くなる」ではない

私の知り合いも、高齢で亡くなるまで「家はそのままで」とおっしゃていました。そして、その人が亡くなった後、親族が片付けをしたのですが、家中の片付け作業は約半年近くもかかりました!
それに、片付けの費用も、膨大に発生し、経済的な余裕のあった人だけに、「死ぬまでは片付け不要、物を捨てない!」と言い切れたのだと思います。

この年代に限らず、「物を捨てる」と言われるのに抵抗があるのは、誰しもです。私も「物を捨てて」と言われると“すべてが無くなる”という思いに囚われがちになり、「片付け不要」と、言いたくなります。
しかし言葉ではなく、その意味するところを、もう少し理解する必要があるのでは?と思います。言葉の意味を深く考えると、片付けのことが、もう少し幅広く捉えられます。
これからの暮らしのためにも家族で話し合いを

片付けは、これからの暮らしの変化を見据えて、手放したくない物や気持ちを整理していく、という作業なのです。ですから、これまでに忘れられている物や気持ちに焦点を当てて、未来の自分の暮らしにつなげていくための行動ということなのです。
これまでの物、気持ち、現在の必需品まで、何もかも捨て去る、という意味ではないと深く理解する必要があるのです。この点を、ご家族で共通に認識しなければ、いつまでも、平行線のままではないでしょうか。
まずは、「片付けは、すべてを廃棄することではない。今後の未来のために、物、気持ち、思い出などを整理していく行動のこと」と理解してみてはいかがでしょうか。この点をご家族で話し合って、共通の認識を持つことから始めましょう。

その上で、片付けなければならない場所や気持ち、忘れている物や必需品、思い出などを絞り、誰が、いつ、どのように片付けに着手するかを決めて、お互いを認め合った上で、取り掛かってはどうでしょうか。
頭の中だけで、お互いに、片付けへの思いを膨らませたり、拒否したりしていても始まりません。互いに、現実を認識し合って、その上で問題点を表面化させ、どうしたらいいのかを、まずは話し合うことです。
当然のことですが、「死ぬまで片付け不要」とした場合、死後に片付けのための作業時間と費用が発生することも、忘れないでください。
片付けてほしくないという気持ちの真意、片付けたい気持ちの意図など、家族で「片付け」を巡る話し合いをする時間を持つことが必要だと、私は思います。
回答者プロフィール:阿部絢子さん
あべ・あやこ 1945年、新潟県生まれ。生活研究家・消費生活アドバイザー。家事全般や食品の安全性の専門家として活躍。薬剤師の資格を持ち、今も現役で働いている。
50代からの人生相談一覧を読む
- 《片付け》のお悩み 生活研究家の阿部絢子さんが回答
- 《介護》のお悩み 介護・暮らしのジャーナリスト太田差惠子さんが回答
- 《人間関係》のお悩み 住職の名取芳彦さんが回答
- 《お金》のお悩み FPの畠中雅子さんが回答
- 《夫婦関係》のお悩み 夫婦関係カウンセラーの岡野あつこさんが回答
専門家に相談したい質問を募集中です!
連載「50代からの女性のための人生相談」では、専門家の方に相談したい内容を募集中です。下記応募フォームに、人間関係や老後の生き方、お金や介護、恋愛についてなど、相談したい内容を書いてお送りください。




