精神科医Tomyの「自己嫌悪の抜け出し方」#3
自己嫌悪を手放す6つのワーク!心をラクにする「未来予想図」の作り方
自己嫌悪を手放す6つのワーク!心をラクにする「未来予想図」の作り方
更新日:2025年12月27日
公開日:2025年12月12日
※本記事は『精神科医Tomyの自己嫌悪の抜け出し方』(日本能率協会マネジメントセンター刊)より一部抜粋して構成しています。
第1回では「自己嫌悪してしまう人の問題点」と「自分を嫌いになる人・ならない人の違い」 について、第2回では、私に寄せられたお悩み相談の中から、50代女性にも多い2つの自己嫌悪パターンをピックアップして、心を軽くするための対策を解説してきました。
今回のテーマは、「自己嫌悪を手放す方法」について。あなたを苦しませる「自己嫌悪」をラクにするためのプロセスを、ワーク形式で一緒に考えていきましょう。
教えてくれたのは:精神科医Tomy(トミー)さん
名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局入局。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医。Xのフォロワーは39万人(2025年11月現在)で、テレビ・ラジオなど各メディアへの出演も多数。ベストセラー『精神科医Tomyが教える1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(1秒シリーズ)をはじめ著書多数。ハルメクTV「モヤモヤのち晴れ」 にもゲスト出演中!
【ワーク1】自己嫌悪を「5W1H」で分析する
「悩み」がなかなか解決しないのは、「言語化」されていないからです。「悩み」の輪郭がはっきりしないため、何で悩んでいるのかすらよく理解できません。悩みの正体がはっきりしないと、より不安を感じるものです。
「自己嫌悪」も同様です。自分がどんなとき、何に対して自己嫌悪に陥るのかを、なるべく具体的に書き出す必要があります。
書き出すときのコツは、 英語の「5W1H」を意識すること。例えば、「友人のSNSを見ると、ふっと自己嫌悪に陥る」とします。この“自己嫌悪に陥る”状況を、5W1Hで分析していくのです。
(例)自己嫌悪に陥ったのは…
- When(いつ?)→友人のSNSを見たとき
- Where(どこで?)→オンライン上で
- Who(誰がきっかけ?)→友達
- What(何があった?)→キラキラした投稿
- Why(なぜ?)→自分にはこんな生活はできないと感じた
- How(どのように思ったから?)→うらやましいと思った
上記をまとめると、「SNSで見た友人のキラキラした生活がうらやましい。でも、自分にはこんな生活はできないと感じた。だから自己嫌悪に陥った」という状況が見えてきます。
【ワーク2】自己嫌悪の奥底にある「劣等感」を書き出す
なぜ、自己嫌悪に陥ったのか。その理由を考えていくと、自分の奥底にある劣等感が浮かび上がってきます。前述の、「SNSで見た友人のキラキラした生活がうらやましい。でも、自分にはこんな生活はできないと感じた」ケースを例に考えてみましょう。
例えば、その友人が社会的に成功したり、お金を持っていたりしている「キラキラ感」が原因なら、「ステータス」や「お金」に関して劣等感を持っていることになります。
その友人が著名人とつながっていたり、大勢で遊んでいたりする様子を見て、「うらやましいけど私にはできない」と感じるなら、「友人関係」に劣等感を持つ可能性もあります。
このように、心が重くなる理由を分析し、思い付く限りの劣等感を書き出していくのです。
【ワーク3】劣等感の「妥当性」について検証する
劣等感は、本人が劣っていると思いこんでいるだけで、「実際には劣っているわけではない」ケースが多々あります。「劣等感を克服する」のも一つの解決法ですが、「その劣等感は、本当に気にするべきことなのか」を検証することも、重要なポイントです。
劣等感の妥当性は、次のような方法で検証していきましょう。
1:客観的な数字やデータを出す
自分が劣っていると思うことに関する、具体的な数値があれば出してみましょう。今回の例でいうと、「ステータス」「お金」「友人関係」ですね。
その数値を元に、自分の状況を冷静に見直してみるのです。
- 「ステータス」→私は地元企業でOLをしている。
- 「お金」→給料は、この地域の同世代の平均よりちょっといいほう。
- 「友人関係」→友人は、親友と言える人が2人。日頃から時々飲みに行ったり食事に行ったりする人が10人ぐらいはいる。
このように自分を客観視すると、「別にすごく劣っているわけではないな」などと考えることができます。
2:他人に相談する
もちろん劣等感ですから、誰にでも相談できるわけではないでしょう。「この人なら言える」という存在がいたらでいいと思います。
相談時は、「実は私、〇〇がコンプレックスなんだよね~」と雑談っぽく取り上げると、話しやすいと思います。相手の反応や話しぶりを見て、「自分は自分が思っているほど、悪くないのかも」と思えたら成功です。
【ワーク4】劣等感を「目標」に変え、ゴールを設定する
妥当性を検証しても劣等感や、「〇〇でなければならない」などの思いこみが強い場合は、「劣等感を目標に変える」ことを検討してみましょう。具体的な目標を立てると、自分が「本当に目指したいゴール」に気付く可能性も高まります。
1.劣等感を「目標」に変えるポイント
目標の立て方で大切なのは、下記の2つです。
- なるべく具体的に立てる
- いつまでに、どこまで進めるかを考える
例えば前述の例に対し、「来年までに友達の数を倍に増やす」と目標を立てたとします。
このときに、
「友人が少ないことに劣等感があったけれど、冷静に考えれば今の友人の数で十分だよな」
「これ以上の友人が欲しいわけじゃないな」
と気付けば、「友人関係に劣等感を抱かなくてもいい」などと思い直すことができます。
もし、「やはり、もっと友人が欲しい。遊べる友達を増やしたい」などと思うなら、それを目標にすればいいのです。
2.劣等感を伴わない「目標」について考えてみる
劣等感を伴う目標は「他人軸」であり、“他人に評価される不安”が原動力です。しかし、他人を完全にコントロールすることはできません。そのため、人生の目標がすべて劣等感の穴埋めになってしまうと、どれだけ結果が出ても満足できなくなるのです。
劣等感を伴わない目標の例を挙げるなら、「今のままでもいいけれど、もっと突き詰めてみたい」物事です。純粋に自分がやってみたいことで、他人の評価を必要としないもの。ライフワークとも言えるでしょう。
私の場合なら「文章を書きたい」という目標ですね。もちろん、その文章が評価されるに越したことはないですが、そうでなかったとしても私は文章を書き続けると思います。
3.「目標」を設定する
1と2で見えてきたことを整理して、目標の設定を行いましょう。
今回の例で言えば、
【劣等感を伴う目標】
- 来年には主任になる。できなければ転職も考える
- 給料を5年後には今の1.5倍にする
- 友人の数は今のままで十分。今いてくれる人をより大切にする
【劣等感を伴わない目標】
- いずれ医療の仕事についてみたいと思う。今年中に医療事務の資格をとる
などとなるでしょう。
今までの過程の中で、必要のないと納得できた「劣等感」は小さくなり、また「劣等感」を伴う目標も、具体化することによって少し前向きなものに変わっています。
また劣等感を伴わない「自分軸」の目標を合わせることで、さらにポジティブな目標になっていることに気が付くと思います。
ここまでくれば、もはや「劣等感」の原型はだいぶ消えているはずです。
【ワーク5】目標達成に向けて行動する
人間は、やることがなく頭が「おヒマ」な状態になっていると、よからぬことを考えるものです。その一つが「劣等感」です。
しかし、目標に向かって行動しているうちは、やることがあるので頭がおヒマになりにくくなります。だから、劣等感を具体的な目標に変えると、心がラクになるのです。
より頭を「おヒマ」にしないためには、毎日具体的な目標があるとさらに良いでしょう。
例えば今回の例なら、“ある日の目標”は次のようなものになると思います。
- 医療事務の講座の資料を取り寄せる
- 資格がとれたら働きたい医療機関のリストを作る
- 幼なじみのMさんに、久しぶりに会わないか連絡してみる
【ワーク6】定期的に「未来予想図」を作る
こうして作った目標を、忘れたりサボったりするのを防ぐには、「自分の目標がどれだけ達成されたか」をときどき確認し、自分にフィードバックするとよいでしょう。
数か月後、半年後、1年後……、振り返る時期はいつでもいいです。自分が立てた目標に基づき「いつまでに自分がどうなっていたいか」を考え、なるべく箇条書きで書き出しましょう。これが「未来予想図」となるのです。
そして、振り返ったときに、自分が目標をどれだけ達成できたか確認します。この時点で達成できた項目は除外し、また次の「未来予想図」を作りましょう。
これを行うと、自分の目指しているものが常に意識化され、チャンスがあったときに、見落とさずに取り組むことができます。また、最初は「かなり無謀そう……」と思った目標も、数年経つと達成できていたりするので、「なんとでもなるのだ」という自信にもつながります。
私が「未来予想図」を始めたのは、パートナーが亡くなり、仕事も先が読めずつらい時期でした。あの頃は自分がどうにかやっていけるのか、不安で仕方がなかったです。しかし、「未来予想図」を始めて10年以上がたつ現在、もう作ることもなくなりました。自分がどうしても成し遂げたかったことが達成できて、不安を解消できたからです。
おかげで今は、毎日を大切に楽しみながら生きています。
もっと詳しく知りたい人はTomyさんの著書をチェック!
「7つの自己嫌悪タイプ」への対処法の提案とともに、「自己嫌悪からの抜け出し方」をわかりやすく解説。「どんなにポジティブシンキングが大切だと言われても、自己嫌悪の沼から抜け出せない」「ネガティブなことをぐるぐると考えてしまう……」という人は、ぜひ手に取ってみてください。
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