精神科医Tomyの「自己嫌悪の抜け出し方」#2
50代女性が陥りがちな2つの「自己嫌悪タイプ」精神科医のモヤモヤ解消法は
50代女性が陥りがちな2つの「自己嫌悪タイプ」精神科医のモヤモヤ解消法は
更新日:2025年12月20日
公開日:2025年12月12日
※本記事は『精神科医Tomyの自己嫌悪の抜け出し方』(日本能率協会マネジメントセンター刊)より一部抜粋して構成しています。
前回の記事では「自己嫌悪してしまう人の問題点」と「自分を嫌いになる人・ならない人の違い」 についてお伝えしました。
今回は、私に寄せられたお悩み相談の中から、50代女性にも多い「2つの自己嫌悪パターン」をピックアップして、心を軽くするための対策を解説していきます。
教えてくれたのは:精神科医Tomy(トミー)さん
名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局入局。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医。Xのフォロワーは39万人(2025年11月現在)で、テレビ・ラジオなど各メディアへの出演も多数。ベストセラー『精神科医Tomyが教える1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(1秒シリーズ)をはじめ著書多数。ハルメクTV「モヤモヤのち晴れ」 にもゲスト出演中!
【お悩み相談1】仕事へのこだわりが強すぎて自己嫌悪に…
私はいつも、「仕事はこうするべき」などと考えてしまいます。例えば、「顧客への返事は1時間以内にするべき」「先輩の雑用は私が引き受けるべき」「上司にはNOと言わないべき」などです。
その結果、やることが多くなりすぎて、いつもいっぱいいっぱいに……。そして、そんな自分が嫌いになってしまいます。
「そこまでがんばらなくてもいいよ」と声をかけてもらうこともあるのですが、結局同じことの繰り返しです。 一体どうしたらいいでしょうか?
【自己嫌悪タイプ1】自分ルールに厳しい「~しなければならない」タイプ
このタイプが持ちやすいのが、「べき思考」。「~すべき」「~しなければいけない」と考えるクセは、本人を苦しめます。
ここでは、カウンセリングの代表的技法「認知行動療法」の技法をもとに、解決方法をお伝えしていこうと思います。認知行動療法は、本人を苦しめている「認知の歪み」に気付き、それをより望ましい方法に変えていく手法を用います。
多くの人は、大きな問題でもない限り、自分の考えを他人に共有することはありません。自分の中だけで考えて、完結させてしまうことがほとんどです。
そうすると、自分の“考え方のクセ”に気付かないまま、物事を「判断し」「行動」するようになっていきます。この“考え方のクセ”が修正されないまま、どんどんエスカレートしていった末に生じるのが「認知の歪み」なのです。
「認知の歪み」には、さまざまなものがあります。このタイプの場合は、「~しなければならない」と考えすぎること自体が「認知の歪み」といえます。
処方箋:「認知の歪み」修正トレーニングで、心をラクに!
ここでは、認知行動療法の一つである「認知再構成法」を応用します。
まず、「自分がストレスを感じたときの状況」を、思い出して書き出してみます。そのときの自分の考え方、感情も書き出しましょう。
<例>
- ストレスを感じた状況について書き出す →上司に苦手な仕事について、「できるか?」と聞かれ、「やります」と答えてしまった。
- どう感じたのか「感情」について書き出す
→苦手な仕事だし、今多くの仕事を抱えているので不安に思った。 - その結果、どう考えたかを書き出す。
→上司にNOと言うべきではないと考えた。
こうすると、あなたが今回どう認知し、どう行動したのか。そしてそれがどうあなたのつらさに結びついたのかが具体的に見えてきます。
ここで、「~しなければならない」「~すべきである」という思考パターンが出てきたら、その考えこそが「認知の歪み」であると自覚しましょう。この「認知の歪み」を客観的に認識するだけでも、自分の感情が少しラクになってくるはずです。
さらに、「他の考え方はないだろうか」とも考えてみてください。もっとラクになるような考え方があれば、それを書き出していきましょう。
思いつかないときは、「他人からこんな相談を受けたら、自分はどう答えるだろう?」などと立場を変えて考えてみてください。
<例>
- 「NO」と言えないことで仕事が増える→うまくできなければかえって迷惑がかかる。
- なんでもできるわけではないので「NO」と伝えることも大事。
- 「YES」「NO」だけで判断するのではなく、「今こんな状況なのですが、どうしましょうか?」と相談してもいいのではないか。
このトレーニングを余裕があるときに、何度も行ってみてください。それにより、さまざまな考え方に気付き、少しずつ「認知の歪み」を修正できるようになっていくのです。
【お悩み相談2】人に頼られると断れない…でも自分は誰かを頼れない
頼られやすい性格です。限界まで自分のことに目が向かずに体を壊してしまいました。
周りからは「もっと頼って」と言われますが、難しいです……。
【自己嫌悪タイプ2】‟頼れない人”が陥りがちな「抱え込みすぎタイプ」
頼られると、ついNOと言えなくなってしまう。そして、周りに頼れない性格のため、いったん引き受けたことは抱え込んでしまうパターンですね。
このタイプは、「自分の状況を把握するのが苦手」「断るのが苦手」「報・連・相が苦手」という特徴があります。自分の仕事量を少なめに見積もって、つい仕事を引き受けすぎてしまう傾向もあるので、注意が必要です。
処方箋:「抱え込みすぎない」ための対策を習慣に
頼れない性格の人が、周りを頼れるようになるのはなかなか難しいのです。だから、「最初から引き受けすぎない」「一人で抱え込みすぎない」ように、次の対策を習慣にしてみましょう。
対策1:常に自分の仕事の内容を把握しておく
自分が今抱えている仕事量を把握できるように「TODOリスト」を作成し、いつでも確認できるようにしておきましょう。
対策2:答えをいったん保留にする
抱え込み過ぎる人は、つい「YES」と言ってしまいます。その理由は、「迷惑をかけたくない」「断ったときの相手の反応が不安」「自分の評価が下がるのが心配」などです。
もし断りにくいときは、「わかりました、今の状況を確認し今日中にお返事します」などと言ってしまいましょう。これなら、相手の頼み事にはいったん対応したことになります。
また、検討する時間を確保できるので、「今、仕事を増やせる状況なのか」を冷静に考えることができます。
もちろん、頼られているのに、その場でOKと言えないのは心苦しくもあるでしょう。でも、引き受けたものの手が回らなくなり、誰かに頼るよりは、よっぽどラクだと思います。
対策3:報・連・相は義務化する
「報・連・相」が苦手な人は、タイミングを見失っています。理由は「声をかけづらい」「うまくいっていないことを言いづらい」「迷惑をかけるのが嫌だ」などです。
しかし、「報・連・相」を避けていると、問題が大事になってから「報・連・相」をせざるを得なくなり、さらに迷惑をかけてしまう。本末転倒になるわけです。
これを避けるためには、決まった時間の「報・連・相」を習慣づける方法がおすすめです。問題がないなら、「順調です」と言えばいいだけですからね。「毎日状況を報告します」「毎週金曜日に進捗をメールします」など、タイミングを自分で決めて、宣言してしまうのもいいでしょう。
これにより「問題を一人で抱え込みすぎる」状況が緩和されていくはずです。
このような方法で、少しずつでもいいので行動パターンを変えていきましょう。体を壊してしまっては元も子もありませんからね。
次回は、「自己嫌悪を手放す具体的な方法」 について。あなたを苦しませる「自己嫌悪」をラクにするためのプロセスを、ワーク形式で一緒に考えていきます。
もっと詳しく知りたい人はTomyさんの著書をチェック!
「7つの自己嫌悪タイプ」への対処法の提案とともに、「自己嫌悪からの抜け出し方」をわかりやすく解説。「どんなにポジティブシンキングが大切だと言われても、自己嫌悪の沼から抜け出せない」「ネガティブなことをぐるぐると考えてしまう……」という人は、ぜひ手に取ってみてください。
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