「心のネガティブさん」と上手に付き合う方法#3
もう不安や自己否定で悩まない!精神科医Tomy「心のポジティブ転換術」
もう不安や自己否定で悩まない!精神科医Tomy「心のポジティブ転換術」
更新日:2025年11月28日
公開日:2025年11月10日
教えてくれたのは:精神科医Tomy(トミー)さん
名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局に入局。Xのフォロワー数は39万人(2025年11月現在)で、テレビ・ラジオなど各メディアに多数出演。著書に36万部を超えるベストセラー『精神科医Tomyが教える1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』の「1秒シリーズ」)ほか多数。ハルメクTV「モヤモヤのち晴れ」にもゲスト出演中!
※本記事は『精神科医Tomyが教える心の中のネガティブさんと上手につきあう方法』(アチーブメント出版刊)より一部抜粋して構成しています。
第1回の記事では、黒い感情と思考で心を苦しめる「心のネガティブさん」に好かれやすい人の特徴について、第2回の記事では「心のネガティブさん」に振り回されそうになったときの対処法についてお伝えしてきました。
ところが実は、他にも対策方法があるんです。それは「心のネガティブさん」をポジティブさんに変える方法、「ポジティブ転換」です。今回の記事では、私、精神科医Tomyオリジナルの「ポジティブ転換」の方法を紹介していきます。
【言い換え法】嫉妬・落ち込みを“前向きワード”に変えるコツ
どんな物事も、二面性があります。ある方向から見ればネガティブなことも、ある方向から見ればポジティブなことになる。つまり「物は言いよう」ということです。
この原理で、ネガティブな表現をポジティブな表現に言い換えてみる。それが「言い換え法」です。気軽な言葉遊びぐらいの感覚でも、やってみると意外と効果的なのです。
例えば、「他人に嫉妬してつらい」としましょう。
これは言い方を変えれば、 「誰にも負けたくないポイントがある」ことでもあるわけです。言い方を変えただけですが、「嫉妬してつらい」より「誰にも負けたくないポイントがある」のほうが、自己肯定感が高くなると思いませんか?
ポジティブな言い方は、さらに次のポジティブな気持ちを生み出します。「誰にも負けたくない」なら、自然と「どうしたら負けないだろうか」「次はどうやってみようか」という発想が出てくるはずです。
【包括法】ネガティブな感情も“自分らしさ”と受け入れる
「包括法」は、ネガティブな気持ちも“自分の個性”として、包括的に捉える方法です。
例えば先ほどの「嫉妬してつらい」という感情なら、「これも嫉妬しやすい“自分らしさ”の一部だな」と受け止めるのです。
寂しがり屋、怒りん坊、やきもち焼き、泣き虫……。どんな心のネガティブさんも、自分の個性として捉えると、さほどネガティブには感じません。
生きている以上は、ネガティブな気持ちになるのは当然であり、心のネガティブさんが現れるのも一生懸命生きている証であるからです。
【味わい法】“寂しさ”や“切なさ”を楽しむ心のゆとり
心のネガティブさんを、一概にネガティブなものとして捉えるのではなく、真正面から味わってみるのも一案です。
例えば、秋口に寂しさや切なさを感じることがあります。「寂しいのは嫌だ」「切ないのはつらい」などと考えると、ひたすらネガティブになるものです。
では、このセンチメンタルさを、秋の風物詩として味わってみたらいかがでしょう。「そんなに悪くない」などと捉え方が変わってきますよね。
また、つらい事態が起きても「悲劇のヒロイン」になりきれば、「自分は悪くない」と開き直れたり、立ち向かう気力が湧いてきたりするかもしれません。
結局、楽しんでしまえばこっちのものなのです。どんな映画や物語も、ひたすらポジティブなものはありません。むしろネガティブな部分があるからこそ、喜怒哀楽、人生の醍醐味が生きるのですから。
困ったら「そのままでいい」と考えてみるのも手
ネガティブなときは、たいてい「このままじゃいけない」「なんとかしなきゃ」「本当は〇〇すべきなのに」と考えています。これは現状を否定して、過程の理想を「期待」しているからです。そして、この期待がつらさを生むのです。
しかしこれは、だいたいが思い込みであり、実際には期待通りにならなくてもいいことがたくさんあります。
ですからネガティブになったら、とりあえず「そのままでいいのではないか」と考えてみるのが大切です。大半のことは、それで意外とラクになるものです。
例えば、他人に怒りを抱いてしまったとき、真面目な人は「こんなことで怒るなんて」「自分に余裕がなくてつらい」などと、自分を否定します。そして、「どうしたら怒らない人間になれるのだろうか」と考えます。しかし、怒らない人間になるのは、そんなに簡単ではありません。
そこで「そのまま(今の自分のまま)でいい」と考えてみるのです。そうすると、「まあ、相手も悪いのだし、自分は適当なことが嫌いだし、しょうがないよな」と心がゆるみ、軽くなるのです。
「なんとかしなければいけない問題」からも外れられるので、自分を否定する必要もなくなります。だから、ちょっとラクになるのです。
心がブレない人になるには「自分軸」を持つことが大事
心のネガティブさんに振り回されないためには、「自分軸」を鍛えるのも有効です。自分の考え方や信念、やりたいことがはっきりしていれば、多少のネガティブさんには動揺しません。軸がしっかりしていればブレないのです。
ここで改めて「自分軸」についてまとめていきたいと思います。
まず、「自分軸」の言葉には、はっきりとした定義はありません。もちろん医学用語でもありません。ただ「自分軸」という言葉が、人生で必要なものを示すのに、わかりやすいので私は多用しています。
私は「自分軸」という言葉を、「自分で納得した行動をする」ことだと考えています。そのためには「自分で何を考え、どうしたいのか」を把握し、それをもとに自分の行動を決定する過程が大切です。一方で「他人からどう思われるか」「周りにどう評価されるか」が軸になってしまうことは、「他人軸」と考えています。
人は「自分軸」と「他人軸」がせめぎあって、行動を決定します。しかし、この「他人軸」が考え方の中心になってしまうと、不安定でネガティブな気持ちになりやすくなります。なぜならば、他人が何をどう評価するかは、自分でコントロールできないからです。だから「他人軸」になってしまうと他人がどう思うかばかりに気をとられ、人の顔色をうかがうようになってしまいます。
さらに、「自分は世間から見て、みっともなくないだろうか」などと、不特定多数の他人を軸に置いてしまうと、何をしても満足できなくなります。だからこそ、なるべく「自分軸」の要素を多くしていくことが、心のネガティブさん対策に必要なのです。
ストレスや後悔を減らす!「自分軸」の鍛え方
ではどうしたら、自分軸を鍛えることができるのでしょうか?
その答えは意外とシンプルで、自分が何か行動する前に「ちゃんと自分が納得した行為なのか」をチェックすることです。
例えば、私事で恐縮ですがこんなことがありました。知人からお仕事を頼まれていたのですが、一か月前になって「日程を延期してくれないか」と言われたのです。
しかも、延期する理由もしっかり説明してくれず、延期後の日程もまだわからないとのこと。だけど、「必ずやるので引き続きお願いします」とのことでした。以前の私なら「嫌われたくない」という思いから「はい、わかりました」と答えてしまっていたでしょう。
しかし、「本当に自分は納得しているのか?」と考えてみると、ここで引き受けてもキャンセルや、さらに延期になるリスクがあり、無事に仕事を終えるまでに余計なストレスを抱えてしまうと気付きました。何より、すでに押さえていたスケジュールや準備が無駄になってしまったことも、腑に落ちていません。
そこで私は「自分が納得していない」と考え、「申し訳ありませんが、いったんキャンセルとさせていただきます。また予定が確定しましたら、再度ご相談ください」とお伝えしました。多少勇気はいりますが、結果として余計なストレスをため込む必要がなくなったのです。
このように、うっかり勢いで進めて後悔しそうなことも、「本当にそれで自分は納得しているのだろうか」と一度検証してみると、本当の自分の気持ちが見えてきます。
それを踏まえた上で結論を出す癖をつければ、少しずつ自分軸で考え、行動する力を鍛えていけるはずです。
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心に現れる‟ネガティブさん”と上手に付き合う、「ラクになれる考え方」のコツをわかりやすく解説。生きている限り一生関わり続けるネガティブさんと正しく向き合う方法を知れば、心がグッとラクになるはずです。
※本記事は『精神科医Tomyが教える心の中のネガティブさんと上手につきあう方法』(アチーブメント出版刊)より一部抜粋して構成しています。
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