「心のネガティブさん」と上手に付き合う方法#2

考えすぎて不安・失敗の悪循環を断つ「ネガティブさん」に振り回されない方法

考えすぎて不安・失敗の悪循環を断つ「ネガティブさん」に振り回されない方法

更新日:2025年11月21日

公開日:2025年11月10日

考えすぎて不安・失敗の悪循環を断つ「ネガティブさん」に振り回されない方法

「もし失敗したら」「もし嫌なことが起きたら……」と考え過ぎてしまうクセにも、「心の中のネガティブさん」が関わっています。今回は「心の中のネガティブさん」に振り回されそうになったときの対処法を、精神科医のTomyさんに教えてもらいました。

教えてくれたのは:精神科医Tomy(トミー)さん

名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局に入局。Xのフォロワー数は39万人(2025年11月現在)で、テレビ・ラジオなど各メディアに多数出演。著書に36万部を超えるベストセラー『精神科医Tomyが教える1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』の「1秒シリーズ」)ほか多数。ハルメクTV「モヤモヤのち晴れ」にもゲスト出演中!

※本記事は『精神科医Tomyが教える心の中のネガティブさんと上手につきあう方法』(アチーブメント出版刊)より一部抜粋して構成しています。

前回の記事では、黒い感情と思考で心を苦しめる「心のネガティブさん」に好かれやすい人の特徴についてお話ししました。では、実際に「ネガティブさん」が心に現れてしまったら、どうすればよいのでしょう?

今回は、「心のネガティブさん」に振り回されそうになったときの対処法を詳しく解説していきます。

「大事な1割」と「どうでもいい9割」を見分ける

「大事な1割」と「どうでもいい9割」を見分ける
trickster* / PIXTA

「不安の9割は当たらない」といわれますが、心の「ネガティブさん」の声もまた、9割は現実にならないものです。

不安はネガティブさんの声の一つで、心の過剰なアラートのようなもの。しかし、それに振り回されると毎日がもったいないですよね。

例えば、「失敗したらどうしよう」「この選択が間違っていたら」と心配が頭をよぎっても、ほとんどの場合、現実には何も起こりません。とはいえ、「1割でも当たるなら無視できない」と考える人もいるでしょう。実際、1割程度は注意が必要な場合もありますからね。

しかし、残りの9割は「起きるかわからないこと」や「起きたとしても大したことではないこと」が大半。ネガティブさんの声を真に受けて悩むのは、時間とエネルギーの無駄です。

では、どうやって「大事な1割」と「どうでもいい9割」を見分けるか? 鍵は「具体的かどうか」です。

例えば、「健康診断の結果が気になる」なら、病院で検査を受けるという具体的な行動につなげられます。また、「この仕事を放置したら問題になるかも」といった具体的な警告は、行動のきっかけにもなります。

一方、「将来が不安」といった漠然とした心配は、考えても解決しないのでいったん脇に置くのが得策。「ふーん、そういう考えもあるね」と軽く流したほうが、確率的にうまくいく可能性が高いのです。

つまり、やるべきことが明確なものだけ対応すればいいのです。

不安を軽くする「無視する」戦略

不安を軽くする「無視する」戦略
zon / PIXTA

もう一つ、シンプルな提案があります。

それは、ネガティブさんの声を無視すること。心配事が浮かんでも、「本当に大事なら問題が明確になってから考えよう」と割り切るのです。

例えば、「プロジェクトが失敗したらどうしよう」と不安になっても、失敗するかはやってみないとわかりません。仮に問題が起きたとしても、そのときに具体的な対処を考えればいい。実際、困ったことが起きても、意外となんとかなるものです。「あのとき、こうしていれば」と後悔するより、「起きたら考えよう」と楽に構えるほうが心も軽くなります。

この「無視する」戦略は、ネガティブさんの声を小さくし、目の前のことに集中する力を養います。不安に振り回される時間を減らし、今を大切に生きる第一歩になるのです。

もし「これは大事かも」と思ったら、すぐに小さな行動を起こしましょう。それが難しい場合は、「問題がハッキリしてから動こう」と決めて、心を落ち着ければよいのです。

今、ネガティブさんが騒いでいるなら、こう考えてみてください。「9割は当たらない。本当に大事なら起きたときに考えればいい」一歩引いてみると、ちょっと心が軽くなるはずです。

感情を安定させる「正しい休み方」を心がける

感情を安定させる「正しい休み方」を心がける
polkadot / PIXTA

心のネガティブさん対策に有効な方法の一つは、「休む」ことです。

しかし、一口に「休む」といっても、人によって定義は違うと思います。また、「休めといわれても、なかなか休めないよ」「休むといっても、どう過ごしたらいいの?」などと、逆にプレッシャーを感じてしまう人もいるかもしれません。

そこで、正しい休み方、上手な休み方についてお話ししたいと思います。

本記事でいう「休む」は「脳を休ませる」という意味です。もっと具体的にいうと、脳が処理すべき情報量を減らすということです。これにより、脳の機能が回復し、感情が安定するので、「心のネガティブさん」対策にもなるわけです。

しっかりと休日を確保したり、定時に帰ったりできなくても、「休む」ことは十分に可能なのです。

気持ちがラクになる!「脳を休ませる」休み方のポイント4つ

気持ちがラクになる!「脳を休ませる」休み方のポイント4つ
ろじ / PIXTA

次は具体的に、「脳の処理する情報を減らす」方法について考えていきましょう。漠然とした休み方だと、うまく休めなかったり、逆に疲れが取れない休み方になってしまいます。

下記のポイントを元に「脳の処理情報をできるかぎり減らす」という発想を意識するだけでも、だいぶ気持ちがスッキリし、ラクになってくるはずです。

ポイント1:脳に入る情報をカットする

一番手っ取り早いのは、目を閉じること。これにより視覚が遮られ、脳がスッキリします。静かな場所に行く、音量を下げる、耳栓をするなどして、聴覚をカットすることも有効です。

また、普段から無駄なものを捨てたり、部屋をスッキリさせたりすることも、脳が処理する情報を減らす効果があります。

ポイント2:脳が同じ時間に処理する作業量を減らす

簡単にいえば「ペースを落とす」ことです。例えば仕事のペースを落とすだけでも、脳の処理情報は減ります。

また、メモやスケジュール帳などを多用して、“脳が覚えておくべき情報”を減らすことも有効です。マルチに物事をこなすのは、脳が疲れやすくなる一因です。同じ時間帯にやるべきことは、極力シンプルにしたほうが良いでしょう。

ポイント3:人混みを避ける

多くの人間がいるところは、どうしても脳が処理する情報が増えやすいです。できるだけ、接する人間の数を減らすようにすると、脳が疲れにくくなります。

ポイント4:「遊ぶ」ときも脳を使いすぎないように工夫する

休みの日に遊びの予定を入れるときも、計画しすぎて脳の処理情報が増えてしまっては「休み」にはなりません。

予定にゆとりを持たせて、脳を使いすぎないように意識することが大切です。

【まとめ】心のネガティブさんと上手に付き合う2つのコツ

【まとめ】心のネガティブさんと上手に付き合う2つのコツ
星野スウ / PIXTA

これまで説明してきた対策を心がけていても、心のネガティブさんが訪れてしまったら、どのように付き合うのが一番いいのでしょうか。2つのポイントをお伝えします。

1.ネガティブな心の声を相手にしない
前回の記事で、「心のネガティブさんを直接なんとかしようとすると、かえって長く居座ってしまう」と説明しました。それはつまり「相手にしない」が正攻法ということ。「ああ、今ネガティブさんがやってきているなあ」と思っても、放置しておくのです。

心のネガティブさんの正体は、「ネガティブな感情と思考」です。本来は心に湧いた瞬間が一番強く感じるものなのに、なかなか消えていかないのは、相手にすることで何度もネガティブな感情や思考を反芻してしまうからなのです。

2.ネガティブさんを引き寄せやすい「状態」を避ける
もう一つのポイントは、心のネガティブさんを「直接相手にしない」こと。ネガティブな感情や思考が湧きやすい状態(原因)を避けたほうが、うまくいきます。

例えば、カラダが疲れると、ネガティブな感情や思考が湧きやすくなります。それなら、カラダの疲れをとったほうがいい。

また、考え事に没頭してしまうと、ネガティブなことを考えやすくなります。それなら、考えるのを中断して他のことをやったほうが、心のネガティブさんに振り回されずに済むのです。

次回はさらに踏み込んで、「心のネガティブさん」と上手に付き合うコツを紐解いていきます。ネガティブな自分を無理なく受け入れて、自己肯定感を高める方法をアドバイスしていきます。


もっと詳しく知りたい人は、精神科医Tomyさんの著書をチェック!

心に現れる‟ネガティブさん”と上手に付き合う、「ラクになれる考え方」のコツをわかりやすく解説。生きている限り一生関わり続けるネガティブさんと正しく向き合う方法を知れば、心がグッとラクになるはずです。

※本記事は『精神科医Tomyが教える心の中のネガティブさんと上手につきあう方法』(アチーブメント出版刊)より一部抜粋して構成しています。

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HALMEK up編集部
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