親の入院・介護に備える!基本のき#9
ずっと自宅or早めに施設?親の住み替え3パターン
ずっと自宅or早めに施設?親の住み替え3パターン
更新日:2025年04月23日
公開日:2024年03月25日
教えてくれた人:岡本典子(おかもと・のりこ)さん
ファイナンシャル・プランナー。FPリフレッシュ代表。終のすみか探しコンサルタントとして活動。著書に『イザ!というとき困らないための 親の介護と自分の老後 ガイドブック』(ビジネス教育出版社)など。
高齢親の住み替えは大変!先の住まい方は早めに考えて
親の介護が必要になったとき、親がどこで暮らしているかイメージはありますか? 終の住まいに詳しいファイナンシャル・プランナーの岡本典子さんはこう話します。
「いざとなったら介護施設にと思っているのに実家を大幅にリフォームし、将来の介護のお金が少なくなっては大変です。親の希望を聞きながら、早めに将来の住まい方を家族で考えましょう」

住まい方を決めるために親に確かめておきたいこと
【予算のこと】
1. 預貯金額は?
2. 不動産(売却予定)価格、株価、保険の解約返戻金額は?
3. 月々の年金受給額は?
【親の希望】
1. 誰と暮らしたい?
2. どこで暮らしたい?
3. どんな暮らし方をしたい?
まずは予算となるお金を書き出します。実家や株の売却など、資金を調達する手段も考えてみましょう。そして住まいへの親の希望を聞いてみて。
「地域の人間関係を大切にしていきたいのか、交通の便がいいところで暮らしたいのか、希望は人によりさまざまです」
いくつかある!資金の調達方法
資金の調達方法にはこれらがあります
- 自宅や株を売却
- 生命保険を解約
- 自宅を賃貸にする
- リバースモーゲージ(自宅を担保に借入)
親の住み替え方・おすすめ3パターン
将来の親の住まい方を考えるにあたり、3つのおすすめパターンを紹介します。親の希望も踏まえて、それぞれのパターンについて見てみましょう。
パターン1:なるべく最後まで自宅で過ごしたい

1つ目のパターンは、自宅でなるべく過ごしたいという親向け。
このパターンを選んだ場合、建て替えやリフォームが必要になることも。断熱材を入れたり段差をなくし、快適で安心に暮らすためにお金がかかります。
そして肝心なのは要介護になったときの対応を決めておくこと。在宅介護を選ぶのか、特別養護老人ホーム(特養)や介護付有料老人ホームなどの施設に住み替えるのか、家族で話し合いを。
パターン2:今よりも暮らしを便利にしたい!

2つ目のパターンは、利便性を重視したい親向けです。
年齢を重ねると、大きな一軒家や交通の便が悪い地域で暮らすのは家の管理や買い物が負担になります。おすすめは、駅近のマンションやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)への住み替えです。
サ高住は安否確認・生活相談サービスがあるシニア向けの賃貸住宅。一般のマンションのような住み心地で、一人暮らしでも安心感があります(ほとんどが食事サービス利用可)。
ただし、基本的に介護サービスは付いていないので、介護度が高くなったら在宅介護にするか、施設への住み替えを検討する必要があります。
パターン3:早めに施設に入って安心したい!

3つ目は親が要介護になっても住み替えなくてもいいように、早めに有料老人ホームに入居するパターンです。
有料老人ホームには種類がいくつかあり、この場合は「介護付有料老人ホーム入居時自立型」。自立していないと入居できないタイプです。
入居後に要介護になると介護専用居室に移って介護を受けられるタイプの施設もありますが、最期まで安心して暮らせます。高額ですが、自分で終の住まいを選びたい人におすすめ。
住まいのことはお金がかかる上に、住み替えは気力と体力が必要です。でも住まいは暮らしの礎となる場所。後回しにせず家族で考えてみましょう。
どう違う?代表的なシニア向け住宅
自分の親や家族に合うタイプを見極めましょう。
特別養護老人ホーム
介護保険で入所できる介護施設。料金が安く、介護度が高い入所者が多い。待機が必要なところもあり、介護度が高い、家族がいないなど「緊急度」が高い人から入所できます。
【入居の条件】
65歳~、要介護3~
【費用】
月額5万円~、入所金0円、介護保険自己負担分
【部屋の広さ】
10.65平方m~
【契約方式】
介護老人福祉施設利用契約

サービス付き高齢者向け住宅
シニア向け賃貸住宅。安否確認と生活相談サービスが受けられ、食事や家事支援サービスなどのオプションが付いているところもあります。介護度が上がったり認知症になると退去が必要になることも。
【入居の条件】
自立~
【費用】
月額10万円~、敷金0万円~、介護保険自己負担分
【部屋の広さ】
18平方m~
【契約方式】
建物賃貸借方式
有料老人ホーム
介護サービスが含まれない「住宅型」と介護に対応する「介護付」があります。比較的高額だが、介護付の場合は介護費用が介護度に応じて定額で、24時間いつでも安心して介護が受けられます。
【入居の条件】
自立、要支援、要介護
【費用】
月額12万円~、前払金0円~数億円、介護保険自己負担分
【部屋の広さ】
13平方m~
【契約方式】
利用権方式
※それぞれの条件、費用、サービス内容などは、施設ごとに異なります。各施設に必ず問い合わせましょう
取材・文=井口桂介、大矢詠美(ともにハルメク編集部)
※この記事は、雑誌「ハルメク」2019年12月号を再編集しています




