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公開日:2025年01月31日
通信制 山本ふみこさんのエッセー講座第9期第4回
随筆家の山本ふみこさんを講師に迎えて開催するハルメクの通信制エッセー講座。参加者の作品から山本さんが選んだエッセーをご紹介します。第9期4回目のテーマは「不意のこと」。玉木裕子さんの作品「呼んでみる」と山本さんの講評です。
「あ……、そこにいたの」
思わずそう言いたくなった。
手にさげているのは、パン屋さんのまっ赤な袋だ。背中はだいぶまるくなり、髪は白髪というより銀色にかがやいてみえる。エスカレーターの手すりをしっかりつかんでいる。
よーく似ていた。
自分に似た人が、地球上に3人はいると聞いたことがある。わたしに似た人に出くわしたことは、まだない。
似ていたのは、わたしの母のうしろ姿。そっくりだった。
エスカレーターにのろうとした時、2~3段前にそのひとはいた。
思いもしなかった瞬間だった。
地上へつづく長い長いエスカレーターに母がいる。
もう母が天国へ引越して何年にもなるとわかっているのに。
ふわっとあたたかいきもちは、突然やってくる。モヘアのセーターに頭を通して、ストンとからだにフィットしたときの、ふわっとしたあたたかさ。
「かあちゃま」(わたしは母をそう呼んでいた)
待ち合わせをすると、人混みの中からわたしをみつけてニコッとするかあちゃま。
ちょっとご無沙汰しているかあちゃまの笑顔をさがしている。
やっぱり呼んでみようか。
「玉木裕子」さんの文体を、見てくださいまし。
「とても、詩的」
「この書き方、あこがれる」
「自分には、この書き方はできないな」
という声が聞こえてきそうです。
これは「玉木裕子」さんの文体であり、世界観でありますから、それを誰か別のひとのものにするのは無理です(真似てみるのは、勉強になる場合がありますけれども)。
それぞれがご自分の書き方、表現方法、雰囲気をつくってくださいましね、とこころから希(ねが)っています。
「呼んで、みる」はやさしくて、佳い作品です。
この感覚を大切に、と申し上げたいと思います。
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は講座の受講期間の半年間、毎月1回出されるテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けられます。
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