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- 【書評】『ボーダー 移民と難民』他2冊
雑誌「ハルメク」の編集部員がおすすめする新刊情報を毎月お届けします。今月は、日本語教師として在留外国人と関わった経験も持つノンフィクション作家、佐々涼子(ささ・りょうこ)さんが難民問題を追った渾身作など3冊をご紹介します。
佐々涼子著『ボーダー 移民と難民』
ロシアの軍事侵攻をきっかけに日本に逃れてきたウクライナ避難民のニュースが報じられています。でもそれよりずっと前から、アフガニスタン、イラン、ミャンマーなどの国々から命からがら日本にたどり着いた人々がいます。彼ら彼女らを、この国はどう受け入れてきたのか?
本書は、日本語教師として在留外国人と関わった経験も持つノンフィクション作家、佐々涼子(ささ・りょうこ)さんが難民問題を追った渾身作。
佐々さんが大学の同窓生で、難民支援に奮闘する弁護士と再会し、入管収容施設に拘束され、強制送還される難民たちを目の当たりにするところから話は始まります。希望を持って来日した人を、偏見によって受け入れない日本の現実に気付かされます。
神永 曉著『やっぱり悩ましい国語辞典-辞書編集者を困惑させる日本語の謎!-』
『日本国語大辞典』などの編集に37年間携わってきて、「国語辞典界のレジェンド」と呼ばれる神永暁(かみなが・さとる)さん。意味や使い方が変化した言葉や、成り立ちが不明の俗語など、エピソードを交えながら解き明かす『悩ましい国語辞典』の第3弾です。
国語辞典のイベントで初めてご自身が「レジェンド」と紹介されて驚いたエピソードも収録。レジェンドの本来の意味は「伝説。言い伝え」ですが、「伝説になりそうな人」なら意味が通るとした上で、「私は当てはまらない」と落とします。
コロナが「シュウソク」する願いから「収束」と「終息」についても解説。辞書のように引いても、初めから読み進めても楽しい1冊です。
桜井 莞子著『79歳、食べて飲んで笑って人生で大切なことは、みんな料理に教わった』
2023年2月、79歳の桜井莞子(さくらい・えみこ)さんは、71歳になってから、東京・青山にレストラン「パロル」を開きました。
自身を「生来の食いしん坊」、「パロル」を人生最後の「おもちゃ」と呼び、90代になってもワクワクしたいという桜井さん。本書は、料理やお酒、幼少期からの大切な出来事をつづったエッセーです。
元夫でイラストレーターの黒田征太郎(くろだ・せいたろう)さんとのなれそめも。なんと熱烈にプロポーズしてくれていたとき、実は既婚者だったとか……。
ミートローフのように巨大な「ジャンボシューマイ」、見た目も名前も美しい「エメラルドピラフ」など、思い出のメニュー10品のレシピも公開。見て、読んで、笑顔になれます。
※この記事は2023年3月号「ハルメク」に掲載された内容を再編集しています。
■もっと知りたい■
※雑誌「ハルメク」は定期購読誌です。書店ではお買い求めいただけません。詳しくは雑誌ハルメクのサイトをご確認ください。
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