睡眠の質を良くするはちみつの取り方

寝る前のはちみつで熟睡できるって本当?

公開日:2024.03.21

毎日の元気を支える睡眠。朝までぐっすり眠れると一日を元気よく過ごせますよね。そこで注目したいのが熟睡を助けると言われるはちみつです。はちみつの睡眠への効果や、熟睡につながる使い方について、ミツバチ産品に詳しい医学博士の福島忍さんに伺います。

50代女性の半数が睡眠に満足していない

日本は先進国の中で、睡眠時間がもっとも少ない国です。

さらに、「眠りが浅い」「寝つきが悪い」など、睡眠の質そのものに悩んでいる人もたくさん。大手製薬会社の調査では、50代女性の約半数が「睡眠に満足していない」と答えています。

熟睡できない理由は、ストレスや生活習慣の乱れ、冷えなどさまざまです。更年期の女性では、自律神経の乱れが睡眠に影響していることもあります。

出典:経済協力開発機構(OECD)「Gender data portal 2021」より作成

夜にぐっすり眠るためには、午前中に朝日を浴びる、日中に適度な運動をするなど、健康的な生活を意識するのが一番。そのうえで、睡眠をサポートする食べ物を取り入れるなどプラスアルファの工夫をすれば、毎日の熟睡につながりそうです。

そこでおすすめなのが、寝る前のはちみつ習慣です。はちみつには睡眠をサポートする働きが期待されています。

はちみつが眠りをサポート?

ミツバチ産品に詳しい福島さん(医学博士)によると、はちみつが持つさまざまな健康効果の中には、睡眠の質向上につながるものもあるのだとか。その一つが、血糖値への作用です。

「夜中に目が覚めてしまう理由の一つに睡眠中の低血糖がありますが、はちみつは血糖値が緩やかに上がるため、血糖値を長時間安定させる作用があります」(福島さん)

また、睡眠の質改善につながる腸内環境を整えるのにも、はちみつは一役買ってくれます。

「睡眠を促すホルモン『メラトニン』を作り出すには、必須アミノ酸の一つである『トリプトファン』という栄養素が必要です。トリプトファンは代謝されると腸から吸収されて脳に送られ、朝日を浴びることで幸せホルモンであるセロトニンに変わります。そして夜になると、セロトニンからメラトニンが作られます」(福島さん)

そこで重要になるのが腸内細菌。腸内細菌には、食事で取ったトリプトファンを代謝する役割があります。腸内細菌がたくさんいるような整った腸内環境であれば、幸せホルモンも睡眠ホルモンも作られやすくなるのです。

「はちみつに含まれているオリゴ糖やグルコン酸は、腸内環境の改善に役立ちます。また、はちみつはトリプトファンが脳に届くのをサポートするため、はちみつを習慣的に食べていると、メラトニンの分泌を助ける効果が期待できます。さらに山田養蜂場の研究で、はちみつには人に有用な乳酸菌が含まれていることが明らかになっています」(福島さん)

ちなみにはちみつには、咳(せき)を抑える作用があることもわかってきています。風邪などで、夜間の咳が気になるときにもおすすめですよ。

寝る前のはちみつの効果的な取り方

では、睡眠の質を高めるためには、はちみつをどのように取ると良いのでしょうか。福島さんにお聞きました。

「はちみつは牛乳と一緒に取ることで、熟睡効果が高まると言われています。牛乳約150mLに、大さじ1.5杯程度のはちみつを混ぜて飲んだことで睡眠の質が改善されたという報告があります。牛乳はメラトニン生成に必要なトリプトファンを含んでいるので、はちみつと一緒に取ることで、眠りへの作用がパワーアップするのだと考えられます」(福島さん)

なお、牛乳をホットミルクにすれば深部体温が高まり、自然な眠気を誘う効果も期待できます。はちみつに含まれる成分を壊さないためには、熱すぎない60度くらいの温度がおすすめ。ホットミルクにすることで、はちみつも溶けやすくなります。

質の良い睡眠は、脳と体を休ませるためにも、美容のためにも欠かせません。寝る前のはちみつ習慣で、おいしい快眠対策を始めてみませんか?


お話を伺ったのは:福島忍さん(医学博士)

ふくしま・しのぶ 山田養蜂場 健康科学研究所 学術情報担当。医学博士。入社以来、最先端の研究学術情報を集約・発信する業務に従事する他、10年間、全国各地の大学との共同研究や自社の臨床研究などにも携わり、ミツバチ産品の効果を明らかにしてきた。

取材協力:山田養蜂場健康科学研究所
 


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