50代からの女性のための人生相談・23

人生相談:借金・離婚…年金だけでは生活できない!

畠中雅子
回答者
ファイナンシャル・プランナー、CFP(R)
畠中雅子

公開日:2021.06.15

更新日:2023.06.29

「女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が回答するQ&A連載。今回は64歳女性の「年金だけでは生活できない」というお悩みに、ファイナンシャルプランナー・畠中雅子さんが回答します

人生相談:借金・離婚…年金だけでは生活できない!
50代からの女性のための人生相談・23

64歳女性の「年金だけでは生活できない」というお悩み

64歳女性の「年金だけでは生活できない」というお悩み

両親はかなり前に亡くなっており、最初の夫とは死別。再婚相手とは子どもには恵まれましたが、お金にだらしない人で、私は1000万円以上の借金の連帯保証人となってしまいました。

借金に苦しんだ時期がありましたので、何年間かは年金保険料を払えませんでした。現在は年金を受給しておりますが、年金だけではとうてい生活できません。

再婚相手と離婚をした後は、母子家庭で子どもたちを育て上げました。一人で働いて家計を支える中で、自分なりには一生懸命貯蓄をしてましたが、子どもたちの結婚や出産などもあり、今は貯蓄があまりありません。

もちろん、今後も生活費のために働かざるを得ません。幸い、体が健康ですのでできる限りは働きますが、老後の生活に不安はあります。                     
(64歳女性)

畠中雅子さんの回答:老後の不安は子どもへ共有・備えを

老後の不安は子どもへ共有・備えを

再婚相手の借金を背負った上、お一人でお子さんたちを育てられたとのこと。これまでつらく、大変な場面も多かったと思います。ですが、お子さんを授かられたことで、この先、いろいろと助けてもらえる場面もあるはずです。

お金はともかく、手続き面などで助けてもらう機会は多くなりますので、頼みたいことをいろいろ考えた上で、やってほしい事柄は具体的に伝えておくことをおすすめします。

特に介護状態になった場合、どこで介護を受けたいかは、具体的に伝えておかないと、お子さんたちに迷惑がかかる可能性が高くなります。

ご相談者はこの先も働き続けられる予定とのこと。状況的にできる限りがんばって働くのがベストですが、体調が思わしくなくなったり、病気で働けなくなることがあるかもしれません。

そんなときは、国や自治体の助成を活用することも考えてみてはいかがでしょうか。

国や自治体の制度を利用することも検討して

生活保護の申請も検討を

個人的な話になりますが、私は今、月に数時間だけ、ある場所の社会福祉協議会で働いています。生活困窮者の制度に詳しくなりたいと考えたからです。

その仕事の中で、生活費の貸し付けの中には、「返済が不要の制度」もあるなど、知られていない制度がいくつかあることを知りました。

働けなくなったとき、貯蓄が少しずつ減っていくのは恐怖に近いものがあります。将来的に貯蓄がかなり減ってしまい、目の前の生活費にも困るような状況になったときには、緊急的に生活資金の援助を受けることも検討されてはいかがでしょうか。

また、貯蓄が5~7万円程度まで減ってしまったら、生活保護の申請を検討するのが現実的だと思います。

「年金を受け取っていると、生活保護は受けられない」と思い込んでいる方もいますが、生活保護と公的年金の併給は可能です。公的年金を受給した上で、各自治体で生活保護の規定としている金額から、年金受給額を差し引いた金額が受け取れます。

もちろん、生活保護の申請を積極的にすすめるつもりはありません。ですが、貯蓄が減るのが怖くて食事を我慢したり、病気にかかっても、病院受診を控えるような状態に陥ったら、国や自治体に頼ってもよいと思うのです。

そういうときが来るか、来ないかは現時点ではわかりませんが、万が一、制度の助けを借りるとしても、ご相談者は今まで、十分にがんばってこられたと思います。

年を取ったら、自分の思う通りに働くのは難しいのが現実。これまでがんばってきた自分を労わってあげて、足りない生活費分は助けてもらってもいいのではないでしょうか。
 

回答者プロフィール:畠中雅子さん

回答者:畠中雅子さん

はたなか・まさこ 1963(昭和38)年生まれ。ファイナンシャル・プランナー、CFP(R)。『高齢化するひきこもりのサバイバルライフプラン』(近代セールス社刊)他、著書は70冊以上。また「ミニチュアワールドと観光列車」に造詣が深くブログを開設している。

■もっと知りたい■


専門家に相談したい質問を募集中です!

連載「50代からの女性のための人生相談」では、専門家の方に相談したい内容を募集中です。下記応募フォームに、人間関係や老後の生き方、お金や介護、恋愛についてなど、相談したい内容を書いてお送りください。

応募はこちら

ハルメク365編集部

女性誌No.1「ハルメク」の公式サイト。50代からの女性の毎日を応援する「観る・聴く・学ぶ・つながる」体験型コンテンツをお届けします。
会員登録をすれば、会員限定動画を始めさまざまな特典が楽しめます!

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

みんなのQ&A みんなのQ&A

いまあなたにおすすめ

注目の記事 注目の記事