7月8月に訪れたいおすすめの庭

安曇野ラ・カスタのガーデン、真夏でも美しい驚きの庭

公開日:2021/07/20

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バラを育てて20年。バラ栽培のコツや自作の庭、花に囲まれた暮らしを発信するバラ愛好家・奥野多佳子さんが、お気に入りのガーデンの中から、長野県安曇野のラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデンをご紹介します。

安曇野ラ・カスタのガーデン、真夏でも美しい驚きの庭

ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデンとは

ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン……ずっと行ってみたかったお庭です! 2020年の夏にやっと訪れることができましたが驚きの連続でした。それは長野県安曇野にあって、北アルプスの麓に広がるガーデン。そこで見たのは北アルプスの美しい水と明るい光でした。

ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデンは、化粧品メーカーのアルペンローゼ株式会社が工場敷地内に作った庭園です。「ラ・カスタ」は会社を代表する化粧品ブランドで、テーマが「植物の生命力と癒やし」。それを五感で体感できる庭園を、と造られたそうです。

ハンギングが掛けられたエントランスのアイアンゲート、ここからガーデンが始まります。猛暑の中、美しく咲くボーダーガーデンがお出迎え。

ラカスタガーデン ゲート

計算された色と組み合わせ、緻密な管理は驚きの連続

ボーダーガーデン

ラカスタ ボーダーガーデン

カーブした道を進むと石積みのアーチがあって、夏は咲いていませんがブルー・フォー・ユーや春風など4種類のつるバラが誘引されています。右側のボーダーガーデンにはさまざまな植物が、猛暑だった昨夏でもしっかりと咲いていました。

ふんわり上の方で咲く白い花のペルシカリア、フロックス、リアトリス、下の方ではスティバやフウチソウなどの揺れるグラス、そしてコロカシアでしょうか……黒い葉がアクセントに。

※画像は複数あります。Yahooニュース等でご覧の方はクリックしてご覧ください。

ラカスタ ボーダーガーデンの花

右の、濃い紫のブッドレア「ブラックナイト」がいいですね~。いつか植えたいと思っているのですが、大きくなるので小さな庭では悩んでしまいます。でも香りがとてもよくて個性的……手前の黄色いポンポンダリアや白い花たちとの色合いが素敵でした。

いろんな種類のダリアやユリなどの球根類、そして宿根草など何気に咲いてとても自然な風景ですが、高低差や色合わせなどよく計算されています。

何より 雑に咲いていなくて……。夏になると枯れたり倒れたり花が小さくなったり、庭も疲れが目立ってきて私はぜ~んぶ暑さのせいにしていますが、お手入れ完璧です。猛暑でも美しい庭がある……それが最初の驚きでした。

ラカスタ ボーダーガーデンの花
すがすがしいボーダーガーデンの斜め向かいの芝生の花壇では、コリウスやセンニチコウ、ダリア、ジニアなど、カラフルで明るい色彩でまとめられています。中央はミレット「ジェードプリンセス」。明るい黄緑の葉と赤い穂が個性的!

白樺林、アーチをくぐると高原の景色に

ラカスタ 白樺

アーチをくぐると白樺の林が続きます。華やかな場所から静かな空間へと変化……濃い緑に白樺の白い幹の縦の線が強調され目線も変わります。

ラカスタ 白樺

ここからメインハウスの塔が見え隠れして、いい雰囲気! 横に並ぶコニファーも何本あるのでしょう! 縦の線が並び奥行き感のある風景ですが、塔の向こうには北アルプスの山々が見えていました。

鮮やかなコニファーガーデン

ラカスタ コニファーガーデン

少し奥に行くと、背丈や色合いの違う何種類ものコニファーたち。緑のグラデ―ションが美しい!

ラカスタ コニファーガーデン

そして、ここはすごかったです。きれいに刈り込まれたコニファー「エレガンテシマ」。高さ3m以上あったでしょうか……整然と並びます。混み合うと枝枯れしてくるので、これだけ大きさ高さをそろえて刈り込むのはさぞかし大変!と思いますが、ここも完璧にお手入れされていて驚きです。 

美しい花や木々と溶け合うメインハウス(ファクトリー)

ラカスタ ファクトリー

コニファーガーデンの細い道を抜けるとパ~ッと視界が開け広々とした空間へ……メインンハウスが姿を現します。おとぎの国に迷い込んだみたいに素敵! ここはファクトリーと呼ばれていて、ショップやアロマの体験工房があります。

ラカスタ ファクトリー

遠くから見えていた塔は美しい色合い! フカフカの芝生は、どこを見ても雑草一本ありません。そういえば、落ち葉一枚もなかったような……。

芝生の周りに低く刈り込まれているのは、ツゲではなく2種類のシモツケ(ゴールドフレームとライムマウンド)なんだそうです。春にはかわいいピンクの花が咲くシモツケですが、あの柔らかい枝を刈り込むとこんなドーム状になるんだと驚きました。これがあることで、きちんと感が半端ないです。

ラカスタ ファクトリーの花
建物横の花壇もにぎやか。ダリアやジニアやアゲラタム、バックにブルー系のコニファーがあるとピンクが引き立ちます

ラカスタ エキナセア

エキナセア・プルプレアが群れて咲いているのが素敵です。エキナセアは、そのエキスを製品に配合するので無農薬で農場で育てられているそうで、ガーデンのシンボルフラワー。いろいろな種類がさまざまな場所で咲いています。

メドゥガーデン

ラカスタ メドゥガーデン

建物横には、メドゥガーデン。風が通ると草や小花が揺れ、ベンチに座ると落ち着きます。スティバやグラスがフワフワ……かわいいネジバナがありました。その手前の花壇には赤いジニアとピンクのクレオメ。

時間を忘れるほど圧巻!のウォーターガーデン

ウォーターガーデン

ラカスタ ウォーターガーデン
池の底には白い砂が敷かれていて、コケやゴミなどなく透明感があって本当に美しい!

このガーデンの一番の見どころがブルーの池!感動でした! 

水面に空が映っているのかと思いましたが、 光の屈折でブルーに見えるそうです。いろいろガーデンを見ましたが、ブルーの池は初めて。そして、これほどきれいに管理された池も初めて見ました。お手入れと、清涼な北アルプスの水がなせる業ですね。 

ラカスタ ウォーターガーデン
赤紫のガーデンダリア「フーガ パープルファーヤー」、ピンクはクレオメ、小さな白い花はユーホルビア「F1グリッツ」、紫はヘリオトロープとレースラベンダー、白はエキナセアやアゲラタム、そして素敵だった、表が黄緑 裏が茶色のニューサイラン「ブラックレイジ」(これは絶対欲しい品種ですね;笑)

この花壇は、濃いローズ色のダリアをアクセントに白やピンク、紫色などが混ざり合って、池の透き通ったブルーによく映えています。明るい光、すがすがしい空気がいっそう鮮やかな色彩を生むのでしょうか……ただただ美しい! 時間が過ぎるのも忘れて見惚れていました。

シーズンガーデン

ラカスタ シーズンガーデン

メインハウスの前に広がるのはシーズンガーデン。夏なので色鮮やかなオレンジでまとめられています。マリーゴールドにサルビア、ケイトウ、ダリア、派手な色合いの中でニューサイランの濃い色合いや縦の線がアクセントになっています。

奥の銅葉は我が家と同じ、暴れん坊のアメリカハナズオウ「フォレストパンジー」! ここでは広がりのある空間を引き締めていますね。 

ラカスタ シーズンガーデン

銅葉の木の手前を、オレンジから黄色へ移リ変わる色合いにするとまとまり感が出ますね。オレンジのダリア「マンゴー」と朱色の「シティオブロッテルダム」の組み合わせは銅葉にピッタリ! さまざまな形や色合いの花が混じって、とても自然な景色を作り出しています。

ラカスタ カフェ

この花壇の横にはカフェがあって コーヒーやハーブティーなどがパラソルの下でゆったりいただけます。

このカフェの屋根はバラに覆われていますが、よく見るとつるバラのスパニッシュビューティーの実があふれるように付いていました。我が家のスパニッシュビューティーは、来年を考えて花後すぐに摘んでしまいますが、これだけ実を残すと秋にはオレンジに色づいてかわいいでしょうね……うらやましい!

ラカスタ シーズンガーデン
カフェ近くの大きなガゼボ。手前のハマナスは、もう実が赤くなっていっぱい!

ヒドゥンガーデン

ラカスタ ヒドゥンガーデン

ヒドゥン(秘密の)ガーデンには白いバラが少し咲いていました。ホワイトガーデンです。

ラカスタ ホワイトメディーランド
白いバラはホワイトメディーランド。5月にはロサ・アルバ・セミプレナやジャクリーヌ・ドゥ・プレなど3種類の白バラが咲くそう。見たいです!
ラカスタ エキナセア
今は白いエキナセアやダリアがあふれるように咲いていました

猛暑でも美しいガーデン。その秘密は…

ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデンには、10のテーマのガーデンがあって、ぐるっと回れるようになっています。葉っぱを指で触って匂いを楽しめるアロマガーデンには、北アルプスの天然水が飲める場所もありました。

ラカスタ ナチュラルヒーリングガーデン

そして 建物の2階テラスからの眺めが、それはそれは素敵でした。

ラカスタ ナチュラルヒーリングガーデン
左下ベンチのある場所がフワフワグラスのメドゥガーデン、右の円形の芝生の周りをシモツケがぐる~っと囲んでいるのがわかります

庭を取り囲む樹々の緑のグラデーションの中に、池のブルーが映えて美しい景色です。

ラカスタ ナチュラルヒーリングガーデン

これは先ほどのシーズンガーデンです。カフェのスタッフの方にお花の名前を伺いましたが、よくご存じで、近くの農場で苗を育てているので夏の終わりにはもう秋バージョンになるそうです。

このガーデンの花たちが猛暑でもしっかり立って元気なのは、花を植える時期に合わせて逆算して農場で種を蒔き、温度管理して、一番いい状態の花を補充したり植え替えたりして、常に最高の状態を保とうというこだわりから生まれるようです。いろんなお庭を巡りましたが、夏にこれだけ美しいと感じられるお庭は希少です。

ラカスタ ナチュラルヒーリングガーデン

そして、変わった特別な苗より私も知っている苗が多くて、それを思うとすごく身近なのに、すごく特別感を感じるのは、やはり色合わせや配置のセンスなんですね。 

ラカスタ ナチュラルヒーリングガーデン

ラ・カスタ ナチュラルヒーリングガーデンは今年で15年目を迎えるそうです。

当初は何もない3000坪あまりの更地で、そこにメインハウスが建てられ、取り囲むように木々を植え、丘を造り、石を積み、花壇を耕し……と、気の遠くなるような過程を経て生まれたガーデンです。そして農場で種を蒔き育てた苗を植え、多くのスタッフの方たちの力で丈夫に育てられています。

このガーデンの歴史でブレないことは「美しいガーデン」であること……そこに、美しさを追求する化粧品会社の自負やこだわりを感じました。

ラカスタ ナチュラルヒーリングガーデン

リラックスして五感で楽しめる庭。美しいと眺め、甘い香りで満たされ、触って感じ、アルプスから湧き出る清涼な水を味わい、川の流れや鳥の声を聞く……型にはまらず、心も体も気持ちいいと感じることができる庭作り。一日100名限定ということも、ゆったり庭で寛げることを考えられているからとわかります。

四季の移り変わりを見たいと思える クオリティーの高いガーデンでした。

立ち寄りたいおいしいお店

感動しっぱなしでガーデンを出ると、お昼をとっくに過ぎてお腹がすいていることに気付きました。そこで、おいしいと評判の近くのお蕎麦屋さんへ。「ラ・カスタ」から車で10分もかからないところにある 「つばくろ」に行きました。

つばくろ 長野

おぼろ豆腐や野菜の天ぷらがセットになった「つばくろ蕎麦」(1500円)は、手打ちのおいしいお蕎麦でした。それに天ぷらのおいしかったこと! 地元で取れたお野菜だから新鮮で素材の良さがよくわかります。

ズッキーニの天ぷらがとってもおいしくて……高原野菜を買って帰宅してから作りました♪ お蕎麦のおいしいお店だけに、週末はとても混んでいます。

 

ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン
長野県大町市常盤9729-2
電話:0261-23-3911
※事前予約制
休園:水曜日
入園料:1000円(大人)
ラ・カスタはコロナ対策をしっかりされていました。そしてコロナだからではなく、以前から一日100名までの入場予約制のガーデンなので、サイトまたは電話で必ず予約が必要です。
11月下旬から4月下旬までは休園されています(詳しくはガーデンにお問い合わせを)
http://www.alpenrose.co.jp/garden/

つばくろ
長野県北安曇郡松川村2680-9
電話:0261-62-6107 
営業時間:11時~夕方頃 
定休日:月・ 火曜日(祝祭日の場合は営業)、GW・お盆・蕎麦祭りのときは無休
 

※記事中の価格は2021年7月現在のものです

■もっと知りたい■

奥野多佳子

1952(昭和27)年、兵庫県生まれ、大阪府在住のバラ愛好家。82年にタペストリー制作を始め、2000年に陶芸、04年に庭づくりを始める。豊中市美術協会会員。兵庫県立美術館で解説ボランティアに参加。ブログ「Soleilの庭あそび…布あそび♪」は人気です。

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