【銀河庭園】魅力と個性がはじける6つのガーデン
2023.07.012023年07月01日
北海道恵庭市にあるおすすめガーデン<前編>
大自然に囲まれた色彩豊かで個性的な【銀河庭園】
バラ栽培のコツや花に囲まれた暮らしを発信するブログが人気のバラ愛好家・奥野多佳子さんが、おすすめの庭園を紹介!今回は北海道の「えこりん村 銀河庭園」。広大な自然の中にある庭園をたくさんの美しい画像とともにご案内します。
「銀河庭園」とは
「銀河庭園」って素敵な名前です。これは、銀河が無数の星が散らばって輝くように、いくつもの輝くエリアが集まった庭園を造りたい……と、ガーデンの創業者である故・庄司昭夫さん(レストラン「びっくりドンキー」チェーン本部の株式会社アレフ創業者)が名付けられた、とガーデンの方に伺いました。
広大な敷地にある銀河庭園には30ものテーマガーデンが点在しています。そしてその一つ一つが個性的で楽しいガーデンでした。
今回は大自然の中の銀河庭園をご紹介します。
銀河庭園は 北海道の恵庭市にある、食・農業・環境・文化を発信するエコロジーテーマガーデン「えこりん村」の中にあります。アクセスがよくて、新千歳空港からJRで恵庭駅まで15分ほど。駅からは無料送迎バスがありますがタクシーでも15分なので、飛行機を降りて1時間以内にガーデンに到着!車なら空港から30分ほど。近くてびっくりです。
北海道ならではのイングリッシュガーデン
2000年、イギリスのチェルシー・フラワーショーで何度も受賞経験のあるバニー・ギネスさんにデザインを依頼されるところから、庭作りが始まります。そして10ヘクタールという北海道ならではの広大な土地に、その高低差を生かしたダイナミックなガーデンが、2006年に開園しました。
バニー・ギネスさんがデザインされた英国風だったり、ユーモアがあったり、とても個性的で美しく、楽しい構造物が目を引きます。そして冷涼な北海道の気候の中、植物は元気で伸び伸びと育っています。10年後、吉谷桂子さんがスーパーバイザーになり、花の数を増やして観光に不可欠な華やかさをプラスされた、と伺いました。
銀河庭園は広くてガーデンが30もありますが、その中から10のガーデンを前編・後編に分けてご紹介します。
1.銀河フラワーボーダー
銀河庭園の入り口です。
入り口を入るとボーダーガーデンが続きます。ブルーや白のデルフィニュームの中、紫のミソガワソウが印象的!黄色の小花、メドウバターカップもいっぱい咲いてナチュラルでいい感じです。
黄色と紫の組み合わせ……黄色は膨張色で前に植え、ブルーは縮小色で奥に配置。その組み合わせで遠近感が出て奥行き感が生まれます。
2.パルテール
左右対称の西洋式庭園、パルテールです。ここは主にホスタなどの宿根草を使って、きっちり左右対称を作っています。
花苗はまだ小さく、デルフィニュームも蕾(つぼみ)がいっぱいでこれからですが、ドットのように散らばる赤いクナウティア(ワイルドスカビオサ)が満開でした。
パルテールの中でこんなデコラティブな鉢を見つけました。ダイナミックで個性的!葉っぱやつるを表現しているようですが、西洋式庭園の重厚さや威厳さえも感じてしまって(笑)、めったにお目にかかれない鉢だと感心してしまいました。パルテールはフォーマルな庭園ですが、この鉢一つでぐっと雰囲気が変わります。
3.ローズガーデン
アーチをくぐると、そこは「ローズガーデン」です。紫の ネペタ・シックスヒルズジャイアントがすごい! イングリッシュローズを中心に100種類600株のバラと宿根草が咲き誇ります。
それはもう圧巻! しばらく見とれてしまいました。
4か所の入り口にあるアーチから、中心のガゼボに続く小道があります。その4本の道を境に花壇が色分けされていて、いろいろ表情が違っています。でも4つ花壇に色のつながりを持たせているので、全体がふんわりした景色です。
アリウムがいっぱい! しかもいろんな種類のアリウムが咲いていました。北海道のガーデンは本当にアリウムがきれいです。黄色いアルケミラモリスやローズ色のペンステモンも暑さ嫌いなので、こんなに繁っているのは北海道ならではですね。
それにしても美しい色彩! バラと混植する宿根草は横に広がらず、すっと縦に伸びる植物(スパイクプランツ)を植えることが多い、という吉谷桂子さんのお話を思い出しました。スパイクプランツ……紫のサルビアネモローサや白のリナリアなどがず~と広がっています。それらが混ざり合って、宿根草の美しいカラーバリエーションと形の面白さで一枚の絵のようです。
驚くことに銀河庭園は無農薬だそうです。すごいです! だからなんでしょうね、虫たちがいっぱいいました。夕方になると、無農薬のバラの豊かな香りがたち込めるのだそうです。
4.ロズビィのバラ畑
ローズガーデンはもう1か所あって、ここには約4000株のバラが植えられています。
お手入れされているスタッフの方が、北海道のバラ栽培の大変さを話されていました。
10月には霜が降りて深い雪に覆われるので、その前に雪囲いをして雪どけの後に剪定。寒さに強いバラを選んでいるのに冷害にあったり、雪の重みで折れたりするのもあって、つるバラの枝はなかなか伸びないのだとか。雪国ならではのご苦労があるのですね。
このロズビィのバラ畑では、食べるバラを育てているそうです。そのバラで作ったジャムやシロップなどを、期間限定で営業しているこのショップで販売していました。横にはベンチがあってほっとひと息できます。
色彩や植栽にこだわったローズガーデンと、カントリー風な構造物やショップがあって、人が集える楽しいバラ畑。違った雰囲気でバラが楽しめます。近くに高い山がないので、遮るものなく広がる森の中のガーデン! ダイナミックな自然の中に美しい色彩が凝縮しています。
後編では、さらに趣向の異なる美しい6つの庭園をご紹介します。
■えこりん村 銀河庭園
北海道恵庭市牧場277-4
TEL:0123-34-7800
営業時間:2023年4月26日~9月30日は9:30-17:00、10月1日~31日は9:30-16:00
入園料:大人(高校生以上)1200円、小人(中学生以下)600円、65歳以上1000円など
※えこりん村への入場は無料です。
※最新の情報や詳細はホームページでご確認ください。