大自然に囲まれた色彩豊かで個性的な【銀河庭園】
2023.07.012023年07月01日
北海道の大自然の中にあるおすすめガーデン<後編>
【銀河庭園】魅力と個性がはじける6つのガーデン
バラ栽培のコツや花に囲まれた暮らしを発信するブログが人気のバラ愛好家・奥野多佳子さんがおすすめする庭園【えこりん村 銀河庭園】を紹介する第2弾。趣向を凝らした6つの庭と恵庭市の取り組みを、たくさんの美しい画像とともにご案内します。
前回は北海道「えこりん村 銀河庭園」の中から、(1)銀河フラワーボーダー、(2)パルテール、(3)ローズガーデン、(4)ロズビィのバラ畑をご紹介しました。後半では趣向の異なる6つのガーデンをご紹介しましょう。
5.ボートレースガーデン
ローズガーデンでワクワクしましたが、ここでも興奮! 見とれてしまいました。派手な色が一切ありませんが、この美しさ!!
水面に空が映り、ホスタのグリーンのグラデーションと紫の花たちの色合わせが素敵です。遠景の緑の木々をベージュの壁でいったん遮って、ここだけの世界、景色をキープしている感じです。
ケンブリッジ大学とオックスフォード大学の歴史あるボートレースがテーマで、バニー・ギネスさんが2004年チェルシー・フラワーショーでシルバーギルトメダルを受賞したガーデンが再現されています。
敷石には両校のボートレースの歴史が刻まれていて、池はテムズ川を表しているとか。木の柵にはオールが使われ、ベンチにもボートやオールがあって、面白くて楽しい!
夏でもブルー系のホスタがこんなにきれいな葉のままって、うらやましい! シルバーグラスとの相性も素敵です。ライム色のホスタは日差しに強い大型のサムアンドサブスタンス。我が家では半日陰でも夏には葉焼けしてしまうのですが、北海道の日差しはやっぱり本州と違うんですね。
紫の花はゲラニウム・マグニフィカム。この植栽の色合わせを真似したくなります。
6.チェルシーツリーハウス
このツリーハウスも、1995年にバニー・ギネスさんがチェルシー・フラワーショーでゴールドメダルを受賞した「小説家の庭」を、銀河庭園に合わせて再現したものです。楽しいツリーハウス、ワクワクしました!
上がってみると意外と広い! 中に入れます。
古めかしいタイプライターや電話、コーヒーミル、コップ、インク壺、本、コロンの箱……ここに座って外を眺めながら執筆! 落ち着きますね~。
7.トレリスガーデン
ブルーのトレリスやお城の塔のような構造物が目を引きます。完全にブルー、紫、白で統一された世界です。
噴水を中心に4つの花壇があって、花壇や外周はブルーのトレリスで囲まれています。
両サイドのロイヤルブルーの鉢がポイントになっていて素敵です。 ブルーのトレリスの中のベンチはフォトスポットの一つ! 噴水の台にカメラを置いてセルフタイマーでいい感じで撮れますよ。
濃いブルーのデルフィニュームの花穂がたくさん上がってダイナミック! 左で咲いている白いバラはマリー・パヴィ。中央の白い花はエリゲロン。右の淡い紫はゲラニューム、淡いブルーのセント―レアもあってブルー系のお手本のような植栽です。
8.メイズ
そして面白かったのはこのメイズ……迷路。曲がりくねったレンガの道をゆくと、中央のメインツリーにたどり着き、丸いベンチでひと休みできます。
周りは背の低い草花が揺れていい雰囲気! この景色好きです。これを見て、中之条ガーデンズ(群馬県)のスパイラルガーデンを思い出しました。
9.オーチャード
ここではリンゴをアーチ仕立てにしてありました。リンゴが実ったらかわいいでしょうね。
オーチャードだけでなく庭園内でもよく見かけた、ウイロ―・バスケット。しっかりした柳を組んで花壇のように作られています。ナチュラル! 手で編みこまれたものの風合いは本当にいいな~と思いつつも、劣化するから維持するのは大変でしょうね。湿気の多い関西では、この風景は見当たりません。北の大自然のガーデンならではですね。
10.ブラック&ホワイトガーデン
宿根草をモノトーンの色合いでまとめているガーデンです。ユーパトリューム“チョコレート”やアメリカシモツケ“ディアボロ”などがブラック、シラカバの幹やシルバー葉のラムズイヤーなどがホワイト。
点在するガゼボに座っていると、風が通ってそれはそれは気持ちがいいのです。
見渡す限り森が続く悠然とした大地に包まれながら、ゆったりできるひととき……贅沢な時間に思えました。
ファームツアー|トレーラーに乗って庭園をぐるり
銀河庭園は広いので、赤いトラクターに乗ってぐるっと池を周るツアーがあります。草原に放牧されている羊に会えたり、「池の廃墟」という見晴らしのいい場所に停まるので、15分ほどですが楽しめます。入園チケットで乗車できます。
ランチは「森のレストラン Ten-Man(天満)」で
広い庭園を歩くとお腹もすいてきます。ガーデンに一番近い森の中にあるレストラン「天満」でランチをしました。小人の家をイメージして作られたそうです。
店内もカントリーな雰囲気です。ローストポーク付きベジビュッフェをいただきましたが、北海道の夏野菜って本当に新鮮でおいしいですね。お庭を眺めながらゆったりできました。
銀河庭園はガーデンのテーマパークのようで、一つ一つのエリアごとに植栽や構造物に工夫が凝らしてあるので見どころ満載でした。次はどんなお庭?と、ワクワクが止まりません。
北海道の大自然の中に、きらめく星のようなガーデンが詰まっていました。
恵庭市の「花のまちつくり」
銀河庭園のある恵庭市は「花のまちつくり」に力を入れていて、2022年には「ガーデンフェスタ北海道2022」が開催され、素晴らしいイベントでした。旅の途中で2度も立ち寄ったほどです。
街のあちこちに花が植えられた美しい恵庭市の恵み野を中心とした地域では、毎年オープンガーデンも盛んです。
地図を片手にお庭巡りをしてきましたが、それぞれのガーデンにいろんな工夫があってとても見ごたえがありました。春の訪れ遅い北国のみなさんが、花とともに暮らすことを本当に楽んでいることが伝わってきて印象的でした。
1年のほぼ半分を雪に覆われた植物のエネルギーが、大地の人々に伝わって庭作りのパワーにつながっているのでしょうか。恵庭市のオープンガーデンの様子は、私のブログでご覧いただけます。
圧倒的な北の大地のスケールの大きさと、人の手で作り出す美しい色彩……北海道のガーデンは言葉では言い表せない魅力がありました。
■えこりん村 銀河庭園
北海道恵庭市牧場277-4
TEL:0123-34-7800
営業時間:2023年4月26日~9月30日は9:30-17:00、10月1日~31日は9:30-16:00
入園料:大人(高校生以上)1200円、小人(中学生以下)600円、65歳以上1000円など
※えこりん村への入場は無料です。
※最新の情報や詳細はホームページでご確認ください。
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