ウェルネスプロデューサー・岸紅子さんの体験談

デリケートゾーンのムズムズ、ニオイ。放置しないで

公開日:2024.09.24

「デリケートゾーンのムズムズ、ニオイが気になる……」50代以降の多くの女性の気がかりですが「まだいいよね」と放置している声を多く聞きます。本当によいのでしょうか?美容と心身の健康を叶えるためのセルフケアを普及する岸紅子さんに聞きました。

岸紅子さんのプロフィール

岸紅子さんのプロフィール

きし・べにこ 1974年生まれ。NPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事、環境省「つなげよう、支えよう森里川海」アンバサダー、サステナブルコスメアワード審査員長。

自身や家族の闘病経験をもとに、2006年に協会を設立。多くの美容・健康・医療関係者とともに女性の心と体のセルフケアの普及につとめ、資格検定や人材育成を行う。また、自らも自然治癒力や免疫力を引き出すためのウェルネス講座を幅広く実施。

50歳からはデリケートゾーンにも“保湿”というお守りが必要

50歳からはデリケートゾーンにも“保湿”というお守りが必要。
 kei.channel / PIXTA

昨今のフェムテックブームに先駆け、2015年頃からデリケートゾーンケアをはじめとするセクシャルウェルネスに注目し、講座などでケアの大切さを伝え続ける岸紅子さん。50代以降の参加者の方々から「デリケートゾーンが乾く」という相談を多く受けるそうです。

「下着やパッドがすれてヒリヒリしたり、ニオイが気になったり。すれることで黒ずみが気になってきたり。みなさん、さまざまに悩んでいらっしゃいます。

しかし、私が『大切なのは保湿』とお伝えすると、みなさん一気に引いてしまうんですよね。デリケートゾーンを見たことも触ったこともない、ましてや保湿なんて……という感じです。見たことがないから、そこで何が起こっているのか、わからないままになってしまうんです。

女性ホルモンの影響で、女性は更年期に入ると、体全体いろいろなところが乾いてきます。特にデリケートゾーンは皮膚が薄く、まさに“デリケート”な部位。放っておくと不快は増す一方です。

閉経後は女性ホルモンというお守りの力が弱まる分、保湿で潤いを与えることが重要なのですが、まだまだ広まっておらずもどかしい気持ちです」(岸さん)

体験談:40代からの保湿&洗浄で、更年期がラクに!

体験談:40代からの保湿&洗浄で、更年期がラクに!

岸さんご自身は、40代前半からデリケートゾーンの保湿を続けているそう。

「更年期を目の前にし、不調やつらさを少しでも避けたかったんです。更年期に現れる不調は、ひどくなると日常生活に影響を及ぼしたり、気持ちもイライラしたりするという話を聞いていました。それを避けるためにケアを始めたのです。

方法としては、入浴後に専用オイルで保湿をすること。ムレやすい時期は少し軽めのミルクタイプを使いながら保湿を続けました。また、泡タイプの専用の洗浄料で、腟まわりをやさしく洗浄。その際は腟の中まで洗わないことが重要です。

ついでに腟まわりや鼠径部のマッサージ、さらに骨盤底筋運動もして、“デリケートゾーンまわりを元気にする”を心掛けました。

成果って数値で出るわけじゃないから私の経験談になるんですが、ケアを続けたおかげか、更年期の真っただ中ではありますが、今のところ体の不調やメンタルの波、そういったことは少ないかなと思うんです。

皮膚と脳は密接につながっています。『皮脳同根』というのですが、皮膚と脳はもともと同じ細胞で、それが分裂を繰り返し皮膚・脳へと発達したという考えです。

だから“皮膚が喜ぶ”ことは“脳が喜ぶ”こと。繊細なデリケートゾーンは、よけいに影響を受けやすいんです」(岸さん)

デリケートゾーンの保湿は、自身が想像する以上にいいことがたくさんあるかもしれません!閉経後の方はもちろん、閉経前でも、早めに保湿をスタートするのがよさそうです。それでも「ケアが面倒」「抵抗がある」という方へ、岸さんが考え方のコツを教えてくれました。 

考え方のカギは“お顔と同じように”愛でること!

考え方のカギは“お顔と同じように”愛でること!
 Ran&Ran / PIXTA

「デリケートゾーンは自分の体の一部なのに、なんとなく『恥ずかしい』と感じ、触れてはいけないという感覚をお持ちの方が多いんです。

だから“お顔と同じように愛でる”。そんな考えでケアするといいと思います。お顔のように丁寧にケアをすると、だんだんしっとりしてくる。すると不思議とかわいく思えてきて『もう少しお手入れしようかな』なんて思えるようになるんです。そういうのって、心にものすごく影響を与えます。

デリケートゾーンは自分しかわからない、本当にプライベートな場所。アーユルヴェーダでいうと生命エネルギーが宿る場所でもあるし、誰もがここから生まれた神聖な部位です。

そういった場所を自分自身で慈しむことは、自信につながり気持ちを前向きに変えていきます。それが、私自身が続け、まわりを見てきた印象です。

デリケートゾーンの保湿を始めると、不思議とどんどん表情が明るくなりかわいくなっていく方が多いんですよ!」(岸さん)

それはすごく素敵ですね!お話を聞いて、筆者自身もついおろそかにしてしまうことがあるので、きちんと続けたいと気持ちを新たにしました。

デリケートゾーンの“潤活”で体も心も元気に!

デリケートゾーンの“潤活”で体も心も元気に!
pearlinheart / PIXTA

最後に岸さんからメッセージです。

「“潤活(うるかつ)”という私たちホリスティックビューティ協会が作った言葉があります。年を重ねるごとに乾燥していく自分の体や心をどう潤していくか……“潤う力を養う活動”が大切と考え、そう呼んでいます。

外側からのケアはもちろんですが、同じくらい大事にしているのが“心の潤活”。

心と体と外見っていうのは双方に密接に影響しあう“三つ巴である”という考え方で、見た目の美しさは心と体の健康な状態によってできているのです。

だから心の潤活はすごく大事だし、体の潤活もとても大事。

そして50代からのカギとなるのが、デリケートゾーンの“潤活”。

何となく不快感がある方は放っておかず、ぜひ保湿をしてみてください。ケアしたときの自分自身の変化を、ぜひ感じていただきたいです」(岸さん)


手軽に潤う「フェミニンオイル」

では実際にケアしたいと思ったとき、どんなアイテムを使えばいいのでしょうか?

「デリケートゾーンは繊細でとても刺激を受けやすいので、とにかくやさしいものが一番。今はさまざまな商品が出ていて迷うことが多いのですが、原材料を見たときに『わかりやすいもの』を選ぶことが一つの基準となります。

その中でこちらの『フェミニンオイル』は天然由来100%、デリケートゾーンのために必要な植物成分が厳選され、とてもやさしく作られています。

オイルですがサラッとしていて使いやすいです。消臭や抗菌効果の高い柿の皮エキスが使われているのもいいですね。

入浴後、体が少し湿ったくらいの状態に少し塗るだけで、デリケートゾーンがふっくら潤った感覚です」(岸さん)

「実は私が審査員長を務める『サステナブルコスメアワード2020』で『SILVER賞』を贈ったことがある製品です。こちらは干し柿を作る際に出る、柿の皮を利用しているのですが、そういったことによる地域への貢献、さらに女性の活動を応援するなど、さまざまな方面から利他性の高い商品です。

同シリーズの『ウォッシュ』も使ってみましたが、こちらも使いやすいですね。もっちり泡で、皮脂を落とし過ぎずやさしく洗えます」(岸さん)

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取材・文=水野 愛(ハルメク 健康と暮らし編集部) 写真=sono

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水野 愛

2019年12月より「ハルメク 健康と暮らし」食品記事編集に携わる。好きなものは漫画・歴史・音楽・一人旅。特技は赤ちゃんをあやすこと。今の夢は、習い始めた三線で、沖縄のおばあ・おじいたちとセッションすること!

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