難聴、耳鳴りを防いで一生「耳の聞こえ」を守る!#3

今日から意識したい「耳を休める」習慣とは?

公開日:2024.01.17

耳の健康にとって最大の敵は「騒音」。長時間聞き続けていると、修復不能なほどダメージを受けてしまうそう。ごく身近な音にも耳の健康を損なう危険性が潜んでいるのだとか。耳の健康を守る特集の3回目では、騒音をうまく避けて耳を休めるコツを紹介します。

教えてくれた人:杉浦彩子(すぎうら・さいこ)さん

教えてくれた人:杉浦彩子(すぎうら・さいこ)さん

1973(昭和48)年、愛知県生まれ。医学博士。98年、名古屋大学医学部卒業。刈谷きこえのクリニック院長。国立長寿医療研究センター非常勤医師。主著に『誰にも訪れる耳の不調・難聴を乗り越える本』(さくら舎刊)がある。

最大の敵は騒音!身近な音にも危険が潜む

最大の敵は騒音!身近な音にも危険が潜む

耳の健康にとって最大の敵は、「騒音」です。音の振動は蝸牛内の有毛細胞の働きによって電気信号に変えられ、音として脳に伝えられます。しかし騒音を長時間聞き続けると、有毛細胞が摩耗して毛が抜け落ち、修復不能なダメージを受けてしまいます。

「一度“過労死”した有毛細胞は二度と生き返りません。そのため、いかに日常生活で騒音から耳を守り、正しく休ませるかが大事なのです」と話すのは、高齢者に起こる聴覚障害の専門家であり、医学博士の杉浦彩子さん。

難聴になる危険性のある騒音レベルと時間の一覧を見ると、ごく身近な音にも、耳の健康を損なう危険が潜むことがわかります。これらをうまく避けつつ、耳の疲労を取るコツを紹介します。

「音量」と「聞く時間の長さ」で決まる耳へのダメージ

最大の敵は騒音!身近な音にも危険が潜む
表出典:Hearing loss due to recreational exposure to loud sounds :A review-World Health Organization 2015より改変

【騒音レベル:80デシベル】
[具体例]
●    幹線道路沿い
●    地下鉄の車内

[聞いていると危険な時間]
半日~1日

【騒音レベル:90デシベル】
[具体例]
●    間近で聞く楽器音
●    パチンコ台の近く

[聞いていると危険な時間]
1~2時間

【騒音レベル:100デシベル】
[具体例]
●    耳元のドライヤー音
●    電車が通過する時の高架下

[聞いていると危険な時間]
 10分前後

【騒音レベル:110デシベル】
[具体例]
●    間近で聞く警報音
●    ロックコンサートのスピーカー前

[聞いていると危険な時間]
 1分前後

【騒音レベル:120デシベル~】
[具体例]
●    飛行機のエンジン音
●    爆発音

[聞いていると危険な時間]
 10秒以内

耳がダメージを受ける音量の基準は、80デシベル。それに満たなければ、一日中聞いていても問題ないとされます。

一方、車のクラクションやロックコンサートでの騒音レベルでは、短時間でもダメージを受けます。やむを得ず聞いてしまった後は、しっかり耳を休めましょう。

耳の健康を守る、耳を正しく休める4つの習慣

習慣1:...

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