進行は20年前から!認知症は先手を打てば防げる#2

認知症の発症を遠ざける毎日の生活習慣~体のケア~

認知症の発症を遠ざける毎日の生活習慣~体のケア~

公開日:2024年01月03日

認知症の発症を遠ざける毎日の生活習慣~体のケア~

前回はアルツハイマー型認知症を発症するまでの経緯について詳しくお伝えしました。ではどのような対策をすればよいでしょうか。生活習慣病や難聴などは認知機能を低下させるリスクになります。体をケアして認知症予防につながる生活習慣を詳しく紹介します。

教えてくれた人:新井平伊(あらい・へいい)さん

教えてくれた人:新井平伊(あらい・へいい)さん

アルツクリニック東京(東京都千代田区)院長。順天堂大学医学部名誉教授。1984年、順天堂大学大学院修了。同大学大学院精神・行動科学教授などを経て、2019年から現職。世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。「認知症になっても人生終わりじゃない」がモットー。著書は『脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法』(文春新書)など多数。

認知症のリスクが上がる病気や不調

生活習慣1:糖尿病や高血圧など生活習慣病を予防する 

糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は、認知症になるリスクを上げることがわかっています。

「特に糖尿病の人はそうでない人に比べ、認知症になる確率が2倍高いというデータがあります。日頃から生活習慣病の予防を心掛け、すでに病気がある方は必ず治療を。きちんと治療を受けるとMCIから認知症に進むのが遅れることもわかっています」と新井さん。

生活習慣2:肥満を防ぐ

「肥満と認知症との直接的な関連は明らかではありませんが、肥満は生活習慣病すべてに関係します。太り過ぎず、かといって痩せ過ぎない、適正体重を維持することが重要です」(新井さん)

生活習慣3:「聞こえのよい耳」を守る

生活習慣3:「聞こえのよい耳」を守る

聴力低下も認知機能を低下させる大きなリスクです。「難聴になると脳に入る刺激が減るだけでなく、人とのコミュニケーションに支障を来し、社会生活も制限されていきます。早めに補聴器を使って対処しましょう」と新井さん。

生活習慣4:うつ病を防ぎ、しっかり治療する

うつ病も認知症の発症リスクを上げます。日頃からストレスをためず、睡眠や休養を十分とって、うつ病にならないよう気を付けましょう。

また、うつ病になったなら、きちんと治療を受けることが肝心。「適切な薬物治療を続けて再発を防ぐことで、認知症の発症率が低下したとの報告もあります」(新井さん)

認知症のリスクを下げる日々のセルフケア

生活習慣5:楽しみながら運動をする

運動は認知機能の低下を防いでくれます。「おすすめはウォーキングなどの有酸素運動。10分でもいいので、毎日続けてください。また運動しながら歌う、おしゃべりする、俳句を作るなど、楽しいと思えることを同時に行うと、さらに脳が活性化します」と新井さんは話します。「運動+楽しいこと」で、脳によい刺激を!

生活習慣6:質のよい睡眠をとる

睡眠不足はアミロイドβが脳にたまる一因になります。「アミロイドβは通常、睡眠中に分解されて脳の外に洗い流されます。寝不足が続くとこの排出が不十分になり、アミロイドβの蓄積が進みます」と新井さん。質のよい睡眠をしっかりとりましょう!

生活習慣7:お口の健康をしっかり守る

生活習慣7:お口の健康をしっかり守る

歯と認知症との関係も指摘されており、残存歯が少ない人ほど認知症の発症リスクが上がることがわかっています。

また最近のマウスの実験によると、歯周病菌によってアミロイドβが増え、認知機能が低下したとの報告も。お口の健康を守ることは、脳の健康にもつながります。オーラルケアは念入りに!

生活習慣8:腸内環境を整える

脳と腸は密接に関連し合っているという“脳腸相関”。「腸内環境を良好に保つことは認知症予防にも寄与するという研究報告が近年相次いでいます。MCIの改善効果が認められたビフィズス菌もあります」と新井さん。日頃から腸内環境を整えて、認知症を遠ざけましょう。

次回は、内側からケアする生活習慣について詳しく解説していきます。

取材・文=佐田節子、イラストレーション=藤原なおこ、構成=大矢詠美(ハルメク編集部)

※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年2月号を再編集しています。

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