進行は20年前から!認知症は先手を打てば防げる#3
認知症の発症を遠ざける毎日の生活習慣~内側のケア~
認知症の発症を遠ざける毎日の生活習慣~内側のケア~
公開日:2024年01月03日
教えてくれた人:新井平伊(あらい・へいい)さん

アルツクリニック東京(東京都千代田区)院長。順天堂大学医学部名誉教授。1984年、順天堂大学大学院修了。同大学大学院精神・行動科学教授などを経て、2019年から現職。世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。「認知症になっても人生終わりじゃない」がモットー。著書は『脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法』(文春新書)など多数。
認知症にならないための食事の仕方
生活習慣9:塩分に気を付けつつ、和食中心の食事を
「認知症にならない特効薬のような食べ物はないですが、おすすめは和食。魚や野菜、大豆食品などを中心としたバランスのよい食事が、脳にも体にもいい。ただし、塩分のとり過ぎには気を付けて」と新井さん。
和食はヘルシーですが、みそ汁や干物、漬物など塩分が多いものも。減塩料理を心掛けましょう。
生活習慣10:お酒とたばこは控えましょう
喫煙と飲酒も認知症の発症リスクを高めます。喫煙は全身の血管を傷つけ、認知症の一因になる生活習慣病を招きます。
また、飲酒は脳の神経細胞に直接的なダメージを及ぼすことがわかっています。「飲み過ぎは脳の萎縮を確実に進めます。特に毎日飲む習慣は見直した方がいい。もの忘れを自覚するようになったら、飲酒はやめるのが得策です」と新井さんは助言します。
生活習慣11:「食事は楽しく」を忘れずに

脳や体によい食事をすることはもちろん重要ですが、こだわり過ぎるとストレスになりかねません。「食べる際の心得は、やはり楽しむこと」と新井さんは強調します。家族や友人と楽しくおしゃべりしながら食卓を囲む、時にはお気に入りのレストランで外食をするなど、食事自体を楽しみましょう。
人生を楽しむことが認知症のリスクを下げる
生活習慣12:「~したい」という意欲を大切にする
脳の健康にとって最も基本となるのは「意欲」だと新井さんは言います。「意欲は脳の前頭葉が担っていますが、加齢に伴って衰える傾向があります。脳の老化を防ぐためにも、趣味や学習、チャレンジなど、『~したい』という意欲を大事にしてください」
生活習慣13:旅行で3つの楽しみを得る
旅行は3度楽しめるといわれます。どこに行って何をしようかとわくわくしながらプランを練る、実際に行って新しい経験をする、そして帰った後はビデオや写真を見たり、思い出を語り合ったり。トリプルの楽しみが脳の活性化につながります。
生活習慣14:おしゃれを楽しむ気持ちを忘れない
認知機能が低下すると、身だしなみにあまり気を配らなくなるといわれます。おしゃれをしたいという気持ちは、脳が元気な証拠。同時に、おしゃれをすることで脳への刺激にもなります。おしゃれを楽しみましょう。
生活習慣15:「2人以上の遊び」を行う

脳トレというとクイズやパズルが有名ですが、新井さんイチオシなのは2人以上で行うゲーム。例えばトランプやマージャンなどです。「相手の手を推理・判断し、決断・実行するという高度な脳機能を使い、さらに仲間と楽しめますので、脳が広く活性化されます」
生活習慣16:人付き合いを絶やさない
人との交流が乏しい、孤独を感じているといった「社会的孤立」も、認知症の発症リスクを上げることがわかっています。家に閉じこもらない、人付き合いを絶やさないなど、社会とのつながりをしっかり保ちましょう。
認知症の検査も治療薬も日々進歩。不安な人は受診を
左/健康な人、右/アルツハイマー病の人(画像提供:新井さん)
アルツハイマー病の主な原因が、脳内に蓄積するアミロイドβ。これがどれだけたまっているかを調べるのが、アミロイドPET検査です(健康保険適用外)。「もの忘れが気になる人は早めに受けるとアルツハイマー病の早期発見につながります」と新井さん。
また、新しい薬の登場も。「アミロイドβを抑える『レカネマブ』という有望な薬が、2023年9月に日本でも承認されました。診断も治療も進んでいますから、希望を捨てないでほしいですね」
以上、3回にわたり認知症対策を紹介してきました。生活習慣を見直して将来を明るく過ごしましょう。
取材・文=佐田節子、イラストレーション=藤原なおこ、構成=大矢詠美(編集部)
※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年2月号を再編集しています。
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