薄毛ケアは早めが肝心!適切なケアで健康な髪に

更年期と薄毛の関係とは?50代からの薄毛対策

女性医療クリニックLUNAグループ 理事長  関口由紀さん
監修者
女性医療クリニックLUNAグループ理事長
関口由紀

公開日:2024.09.26

更年期に増える薄毛の悩みは、女性ホルモンと深い関わりがあります。とはいえ、更年期の薄毛は早めに対策をすれば改善が見込めるのだそう。50代からの薄毛対策について、女性医療専門医にお話を伺います。

■監修者プロフィール:関口由紀(せきぐち・ゆき)さん

山形大学医学部卒業、横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学終了。医学博士。横浜市立大学医学部泌尿器病態学講座客員教授。株式会社フェムゾーンラボ代表。女性医療クリニックLUNAグループ理事長。2019年より横浜の元町中華街駅前で生殖年齢向けの女性医療クリニックLUNA横浜元町と更年期以降向けの女性医療クリニックLUNAネクストステージを主宰。

女性ホルモンが髪に与える影響

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beauty-box / PIXTA

50代になると、髪の分け目やつむじの地肌が目立ち始めるなど、薄毛に悩む女性が増えてきます。更年期のこうした薄毛は、女性ホルモンの減少と深い関わりがあります。

女性ホルモンのエストロゲンは、女性らしい丸みのある体を作るホルモンであると同時に、髪の健康をサポートする重要な役割も担っています。

例えば、ヘアサイクルを正常に保つ働き。ヘアサイクルとは、髪の毛が生えて太く長く成長し、自然に抜け落ちてまた新たな髪が生えてくるまでの周期のことです。

更年期に入ってエストロゲンの分泌量が減ってくると、このヘアサイクルが乱れて新しい髪が生えなくなったり、細い毛しか生えなくなったりします。

また、エストロゲンには皮膚の弾力や厚みを維持し、頭皮の新陳代謝を整える働きもあります。そのため、更年期になると紫外線やパーマ、カラーリングなどで受けたダメージの回復力が落ち、抜け毛が増えやすくなります。

ふんわりとした豊かな髪を取り戻すためには、ホルモンバランスを整えたり、頭皮ダメージを軽減するケアが大切。早めのセルフケアで、薄毛の悩みを遠ざけていきましょう。

今日から取り入れたい更年期の薄毛対策5つ

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mits / PIXTA

更年期の薄毛対策のカギは「ホルモンバランスを整える」「頭皮のダメージを減らす」の大きく2つです。女性医療専門医の関口さんに、それぞれに効果的な対策を教えてもらいます。

まずは頭皮のダメージを減らす対策から!コツコツ続けることで、健やかな頭皮に近づいていきますよ。

■更年期の薄毛対策1:紫外線対策をする
過度な紫外線は頭皮や髪にダメージを与え、頭皮環境を悪くさせます。夏を過ぎると紫外線対策がおろそかになりがちですが、9月~10月は初夏と同じくらいの量の紫外線が降り注いでいると言われます。 

秋になっても、外にいる時間が長いときは帽子や日傘をうまく活用して、紫外線を浴び過ぎないように気を付けましょう。

■更年期の薄毛対策2:洗い過ぎはNG!シャンプーは低刺激のものを
更年期の頭皮はデリケート。髪を洗うときは低刺激のシャンプーを選ぶようにしましょう。

髪の洗い過ぎは頭皮を傷める原因になるので、洗髪の頻度は多くても1日1回までに。朝晩シャンプーするのは洗い過ぎです。力を入れてガシガシ洗うのではなく、頭皮全体をやさしくマッサージするように洗いましょう。

これらの頭皮ケアと一緒に取り入れたいのがホルモンバランスを整えるケアです。続けて、今日から実践できる対策を教えてもらいます。

■更年期の薄毛対策3:睡眠時間は6時間以上を確保
睡眠不足はホルモンの分泌に影響を与え、頭皮の新陳代謝を滞らせます。また、髪は寝ている間にもっとも成長するので、睡眠時間が短いと髪が成長しにくくなります。

ホルモンバランスを整え、頭皮環境を健やかに保つために、睡眠時間は少なくとも1日6~7時間を確保するようにしましょう。

■更年期の薄毛対策4:必要な栄養素を積極的に取る

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yoneko / PIXTA

毎日の食事は、ホルモンバランスを整える土台になります。「まごわやさしい」を意識したバランスの良い食事をベースに、女性ホルモンの分泌をサポートするタンパク質と良質な脂質を意識的に取りましょう。

老化予防に役立つ鉄分、亜鉛、カルシウムも、髪の健康のために積極的に取りたい栄養素です。鉄分は牛ももなどの赤身肉やレバーに、亜鉛は牡蠣、卵、ナッツ類に、カルシウムは小魚、大豆製品、乳製品に多く含まれています。

<意識して取りたい食材「まごわやさしい」>

ま…大豆や小豆などのまめ類
ご…ごま、銀杏、栗、アーモンドなど
わ…わかめ、ひじき、海苔などの海藻類
や…にんじん、ほうれん草、白菜など野菜全般
さ…かつお、いわし、さんまなどの魚のほか、エビや貝類などの魚介類
し…しいたけなどのきのこ類
い…じゃがいも、さつまいも、山芋などのいも類

■更年期の薄毛対策5:気にしすぎないことも大事
ストレスの多さは、ホルモンバランスの乱れにつながります。抜け毛が増えたり、スタイリングがうまく決まらないとがっかりしてしまうものですが、気にしすぎはストレスになってしまいます。

女性ホルモンの低下によって髪の量や質が変わるのは、誰にでも起こること。分け目が目立たない髪型にすることで、薄毛の悩みが軽くなる人も多くいます。

日々のセルフケアを続けながら、気にしすぎないようにするのも立派な薄毛対策の一つです。

育毛剤の使用や薄毛治療も選択肢の一つ

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 shimi / PIXTA

薄毛の悩みが深刻な場合は、育毛剤を使ったり、医療機関で相談するのも一つの手です。

関口さんは、「育毛剤については、1本を使い切ってから効果を評価するといい」と話します。

「育毛剤は種類が豊富で、その効果にも個人差があります。使い続けることで、自分に合う・合わないが見えてきますから、適切な洗髪ののち、用法容量を守ってまずは1本使い切ってみることです。

その上で皮膚トラブルがなく、『抜け毛が減った』『ボリュームが出た』などの効果実感があれば、自分に合った育毛剤と言えるでしょう」(関口さん)

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 8x10 / PIXTA

なお、女性ホルモンが原因の薄毛では、医療機関で処方される内服薬や、頭皮に塗布する外用薬が有効なこともあります。

「内服薬では、女性ホルモンに似た働きをする成分や、食事で取りにくいミネラルなどを補給する薬があります。一方、塗り薬では、医学的に発毛効果が認められているミノキシジルと呼ばれるものなどがあります。他に、頭皮のレーザー治療を導入している医院も多くありますよ」(関口さん)

更年期の薄毛は、早めに対策をすれば改善が見込めます。お悩みに合わせた適切なケアを取り入れて、健康的でボリューム感のある髪を保っていきましょう!

ハルメク365編集部

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