地肌環境を整えて健康な髪を育てる

50代からの薄毛対策!早めのケアで元気な髪に

福島忍
監修者
医学博士
福島忍

公開日:2024.09.19

年齢とともに増えてくる髪の悩み。抜け毛や髪のボリュームのなさが気になり出したら、早めにケアを始めましょう。髪の土台である地肌の環境がよくなれば、健康な髪が育ちやすくなります。50代からのケアのポイントついて、医学博士の福島忍さんに伺います。

薄毛の原因は地肌の硬さ!?

freeangle / PIXTA

50代は髪の曲がり角とも言われ、髪の悩みが増えてくる時期です。中でも多いのは、「抜け毛が増えた」「地肌や分け目が目立つ」「ボリュームがなくなってきた」といった薄毛のお悩み。

50代前後で髪が薄くなる原因には、女性ホルモンの減少や新陳代謝の低下などいろいろありますが、大きな要因の一つに、髪の土台となる頭の地肌の硬さがあります。

地肌は、これまでのダメージの蓄積や血行不良、加齢などによって、徐々に硬くなっていきます。地肌が硬くなると、髪が成長するために必要な栄養素が届きにくくなり、髪が十分に成長できなくなります。その結果、抜け毛が増えたり、髪が細くなってしまうのです。

さっそく今の地肌の硬さを、以下の方法で確認してみましょう。

■地肌の硬さセルフチェック
両手の指を広げてバレーボールをつかむように地肌をつかんだら、そのまま前後左右に指を動かしてみてください。

頭皮の硬さセルフチェック
moss / PIXTA

<チェックポイント>
□指と地肌が一緒に動いていますか?
□前後だけでなく、地肌全体が動きますか?

地肌が動きにくい、前後には動くけれど左右に動きづらい…などと感じた場合は要注意! 地肌が硬くなっている可能性があります。ふんわりとした元気な髪を保つために、地肌環境を整えるケアを取り入れていきましょう。

3つの地肌ケアで薄毛を予防

Ushico / PIXTA

健康な髪を育てる地肌ケアのポイントは「汚れをしっかり落とす」「血流をよくする」の大きく2つです。医学博士の福島さんに、今日から実践できる3つのケアを教えてもらいました。

■地肌ケア1:シャンプー前にブラッシングを
シャンプー前にブラッシングをすると、地肌に付いている皮脂などの汚れが浮き上がり、汚れが落ちやすくなります。

ポイントは、毛先からブラッシングを始めること。最初に毛先のもつれをほどいてから、地肌全体をブラッシングします。ブラッシングの方向は、耳やこめかみ、おでこから頭頂部に向けて動かすのが基本。力任せなブラッシングややりすぎは禁物です。

静電気が起きにくい豚毛のブラシや、適度なマッサージ効果が得られるクッションブラシなどを使うのがおすすめです。

■地肌ケア2:1分間の予洗い
シャンプー前に、ぬるま湯できちんと予洗いをすると、汚れが浮き上がってシャンプーの泡立ちがよくなります。

予洗いする時間は最低でも1分。シャワーヘッドを持って、地肌までしっかりとお湯をいき渡らせましょう。「どんぐりころころ」を4回歌うと1分の目安になります。

■地肌ケア3:マッサージで血行促進
地肌をもみほぐすマッサージは血行を促進し、地肌を柔らかくしてくれます。

やり方は簡単。両手の5本の指先で地肌をつかむようにし、頭を押した状態で円を描くようにもみほぐします。指の位置を変えながら、耳の上から頭の中心に向かってもみほぐしていきましょう。

マッサージの時間は、1回あたり1分~3分くらいが目安です。シャンプーをしながらマッサージをするときは、髪をこすらないように注意しましょう。

健康な髪を育てる栄養素とは

freeangle / PIXTA

健康な髪を育てるには、髪の成長や、地肌環境改善を助ける栄養素を取ることも大切です。

髪にいいとされる栄養素にはいろいろありますが、中でも薄毛や抜け毛予防に効果的とされるのは、タンパク質とビタミン類、そして亜鉛です。毎日の食事で上手に取り入れて、髪の成長をサポートしていきましょう。

■タンパク質

タンパク質は髪の毛や皮膚を健康に保つために欠かせない栄養素。不足すると、髪の質や地肌環境の悪化にもつながります。とはいえ、タンパク質は臓器や筋肉にとっても不可欠なので、摂取量が少ないと髪や地肌にまで栄養素がいき渡らなくなってしまいます。50代からの薄毛対策では、積極的にタンパク質を摂取しましょう。

・タンパク質が豊富な食べ物……肉類、魚類、卵、大豆製品など。

■ビタミンB群
ビタミンB群は適正な皮脂の分泌を保ち、地肌環境を整える働きが期待できます。また、細胞の生成を助けることで、健やかな髪の成長をサポートします。

・ビタミンB群が豊富な食べ物……牛レバー、豚肉、鶏肉、青魚、ナッツ類など。

■ビタミンE
血流を促して、地肌や髪に栄養を届きやすくします。また、抗酸化作用によって、細胞や血管の健康を維持します。

・ビタミンEが豊富な食べ物……ほうれん草、ブロッコリー、アボカド、ナッツ類など。

■亜鉛
髪の主成分であるケラチンが作られるのを助けます。不足しがちな栄養素なので、意識的に取っていきましょう。

・亜鉛が豊富な食べ物……牡蠣、豚レバー、赤身の肉、鶏肉、魚介類など。

また、50代からの薄毛対策では、地肌に直接栄養を与える育毛剤を使うのも一つの手です。育毛剤には、血行を促すものや、地肌の汚れをすっきり落とすものなどさまざまな種類があります。好みの使用感のものや、今の悩みに合ったタイプを選んでみましょう。

なお、福島さんによると、育毛剤ではミツバチ産品のローヤルゼリーを配合したものも薄毛対策に役立つと注目されているのだとか。

「ローヤルゼリーを配合した薬用育毛剤が、毛髪の本数を増やし、成長期の毛髪の割合を増やしたという報告があります。また、この試験では頭皮の水分量も向上しており、健やかな頭皮環境が維持されていることも示唆されています。さらに細胞試験で、ローヤルゼリーを添加すると、添加していない細胞に比べ、髪の成長に関わる因子が増えることもわかっています」(福島さん)

髪に自信が持てると、おしゃれやメイクがもっと楽しくなります。早めの地肌ケアで、ふんわりとしたボリューム感のある髪を保っていきたいですね!
 

取材協力:山田養蜂場健康科学研究所

 

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