今年の日焼け止めの傾向と選び方のポイント
2019.03.272019年04月03日
菅沼薫さんに聞く、今の自分に合う美容法(34)
顔用!おすすめ日焼け止めで塗り忘れ・塗り漏れを防止
最近進化している日焼け止めと選び方のポイントを解説します。化粧下地や乳液などの役割もある高機能な日焼け止めについて、菅沼薫さんに伺いました。アリー、オバジ、スキンアクアなど使用感もレポートします。
SPF・PAだけじゃない!日焼け止めは+αの機能で選ぶ時代に
前回は日焼け止めを選ぶひとつの目安としてSPFとPAについてお話ししました。ですが、ほとんどの日焼け止めの商品が「SPF50+・PA++++」となった今、商品選びのポイントとして注目されているのが、さらに足されている機能です。上手に使えば、スキンケアやメイクの手間と時間を省けるうえに、一つで済むので経済的でもあります。そこで今回は、今人気の+α機能のある日焼け止めを比べてみました。
スキンケア効果のある日焼け止め
まずは、スキンケア効果のある日焼け止め。これは、日焼け止めに美容液成分が配合されたものと考えると判りやすいでしょう。「日焼け止めをつけると乾燥が気になる」「日焼け止めだけをわざわざつけるのは面倒」という人向けですね。
もともと、顔は常に外に出ているため乾燥しやすいパーツです。1つのアイテムで保湿しながら紫外線を防ぐことができれば、こんなに嬉しいことはありません。
実際に肌で試してみたところ、スキンケア商品と同じでテクスチャーやつけ心地に個性があります。
左から、エビータ ボタニバイタル モイストウォーターシールドUV 50g 1,800円(編集部調べ)/カネボウ化粧品、オバジC マルチプロテクト UV乳液 30ml 3,000円/ロート製薬、DEW UVデイエッセンス 40g 3,000円(編集部調べ)/カネボウ化粧品、スキンアクアスーパーモイスチャーミルクピンク/40ml 540円(編集部調べ)/ロート製薬、トワニー センチュリー プライム UVプロテクトセラム 40ml 8,000円/カネボウ化粧品、アリィー エクストラUV パーフェクト 60ml 2,100円(編集部調べ)/カネボウ化粧品
オバジ・DEWの日焼け止めの使用感
ビタミンCで有名なオバジの日焼け止めは、使うほどにUV抵抗力のある強い肌をつくるタイプ。乳液なのでつけ心地が軽めで伸ばしやすく、ベタつく感じが苦手な人向きです。DEWはヒアルロン酸研究から生まれた保湿成分配合の日焼け止め美容液。濃密でなめらかなつけ心地で肌を保湿、均一な膜を形成して紫外線を防ぐ商品で、しっとりしたつけ心地です。
アリーの日焼け止めの使用感
たくさん種類のあるアリィーですが、こちらはミルクタイプ。肌にさらっと伸び広がるため厚塗りにならずベタつきもないので、この後につけるファンデーションがヨレにくい。重ね塗りが苦手な人に向いていると思います。
エビータ、トワニーの化粧下地効果のある日焼け止めの使用感
エビータは、植物エッセンス配合の「保水膜」で肌を包み込むオールインワンタイプの日焼け止め。保湿はもちろん、化粧下地効果もあるので洗顔後のケアがこれ1つで済みます。すぐにメイクができて、忙しい朝に便利そうです。トワニーは、肌にうるおいを与える日焼け止め美容液。つけ心地も香りもリッチで濃厚な感じです。
どの商品も、スキンケアが日焼け止めを兼ねているので、「日焼け止めをうっかり塗り忘れた!」なんていう事態を防げます。スキンケア後の肌に日焼け止めがキレイに塗れないといった「重ね塗り」の悩みも解消できるのも、嬉しいですね。
メイク効果のある、スキンアクア・アリー・SHISEIDOの日焼け止め
今回注目したのが、化粧下地、コンシーラーの機能つきの日焼け止め。第22回ファンデーション|美しく仕上げる下地選びで年齢肌における化粧下地の重要性をお話ししましたが、日焼け止めの上に化粧下地、その上にファンデーションをキレイに重ねてつけるのは大変。化粧下地効果のある日焼け止めなら、紫外線を防ぎながら肌を明るく見せてくれるので、一石二鳥です。
実際に商品を試してみましたが、どれもくすみをなくす効果は満足できるレベルでした。テクスチャーの濃度は低めで、みずみずしく伸び広がりのよいものがほとんど。個人的にはスポンジでつけるよりも指の方がキレイに伸ばすことができ、肌への密着度もよいと感じました。
「これはいい!」と思ったのが、スキンケアクア。ラベンダーカラーが透明感と血色感を出し、肌を明るく見せてくれます。首やデコルテに使えば、顔からつながる肌全体がキレイに見える!これは個人的に「買い」ですね(笑)。
アリィーのBBはファンデーション効果があり、スキンケア後はこれ1つでOK。毛穴までカバーできるタイプなので、メイクを簡単に済ませたい人におすすめです。同じくアリィーのハイライトジェルは、白肌仕上げのグリーンとツヤ肌仕上げのピンク(限定品)の2タイプ。今のメイクの流行が「ツヤ肌」ですし、肌が健康的に見えるので個人的にはピンクがおすすめですね。
日焼け止めではアネッサが有名な資生堂ですが、SHISEIDOラインのパウダータイプのBBコンパクトが気になりました。汗や水で濡れるほどに紫外線のプロテクト機能がアップする仕様なので、大量に汗を掻く真夏や、運動中のメイク崩れも気にしなくて済みそう。メイク直しもさっと塗り直すだけで完了。海や山などのレジャーにもぴったりですね。
日焼け止めは日によって使い分ける
紫外線を浴びる量は天気や季節、環境によって左右されます。いつも同じ条件下にいるわけではありませんし、メイクの度合いも日によって違うでしょう。日焼け止めは、いつも同じである必要はありません。むしろ、これだけ多機能な日焼け止めがたくさんあるのだから、上手に使い分けて肌への負担を減らすべきです。
今日は出かけても近所だけだからスキンケア効果のある日焼け止めとフェイスパウダーだけつける、今日はしっかりメイクをするから化粧下地を兼ねた日焼け止めにする、というように日によって日焼け止めを使い分けるのが、賢い紫外線の防ぎ方と言えるでしょう。
ですがどんなに便利で優秀な日焼け止めも、適量を塗らなければ効果は得られません。第2回(リンク)の日焼け止めの塗り方を参考に、適量を正しく塗るよう心がけてください。
紫外線は皮膚組織とDNAにダメージを与え、「光老化」と呼ばれる深いシワやシミの原因となります。自分に合う日焼け止めと日傘でしっかり防ぎ、美肌維持を心がけてくださいね。
取材・文=田中優子
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