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コロナ禍をきっかけに始まった、美容サロン通い放題サービス「Viday(ビデイ)」がじわりと人気を広げています。どんな背景から生まれ、どのような層に利用されているのでしょうか?
コロナ禍の美容界を救いたい一心で立ち上げ
月に一定額を支払えば美容院、エステ、リラク・マッサージ、ネイル・まつげ、パーソナルジムといった最大5ジャンルの美容サロンが通い放題で利用できるサービス「Viday(ビデイ)」。2021年6月に『コロナウイルスに負けるな!美容サロン集客支援プロジェクト』と銘打ってクラウドファンディングで開発資金を募ってスタートし、およそ1か月で230万円もの支援金を集めて事業をスタートしました。
「広告費用が一切かからない新たな集客システムを構築することで、コロナ禍で客足が激減してしまった美容業界を救いたかった」と語るのは、Vidayの運営会社ツルツル株式会社で事業担当を務める小原一輝さん。
これまで脱毛総合ポータルや美容クチコミのサイトを運営してきたノウハウを生かし、美容系店舗の経営を圧迫する多大な広告費“なし”で集客できる仕組みづくりを目指しています。
気兼ねなく使え、お気に入りが見つかる
Vidayの事業立ち上げから1年半後、通い放題が利用できる店は、東京都内を中心に約300店舗にまで増えました(2022年3月時点)。私たち利用する側は月額会員として、3〜5ジャンルを選んで利用します。
一番人気は、3ジャンル通い放題の月額1万9800円(税抜、税込みで2万1780円)で、エステ、美容院、パーソナルジムを選ぶ人が多いそうです。4ジャンル利用だと2万9800円(税込みで、3万2780円)、5ジャンル利用だと3万9800円(税込みで4万3780円)というプラン構成になっています。
利用メニューは短時間で可能な施術中心
通い放題メニューとして用意されているのは、美容院の場合はシャンプー&ブローや前髪カット、エステだとハンドマッサージや局所脱毛、食事管理の設計など。短時間施術のサブメニューが中心ですが、回数制限はなし。
お気に入りが見つかるまでいくつものサロンを試せるし、会社帰りにシャンプー&ブローだけをしてもらうといった使い方も「Viday」の会員であれば気兼ねなくできます。カットやカラーといったメインメニューは別料金ですが、Vidayで利用できるメニューと同時に利用するお客様も多いそうです。
利用層は30~40代が中心、50代以上にもじわり拡大
「今までも美容室の通い放題はありましたが、5つものジャンルをまたいで利用できるのは(2022年3月時点では)当社だけ」と小原さん。
3ジャンルで月約2万円からというコストはおいそれとは出せる金額ではありませんが、全身トータルでケアできて自分にぴったりなサロンに出会えるという、費用の分だけ利用者メリットも大きいサービスといえるかもしれません。
気になる利用者の年齢層は、小原さんによると「30代から40代のお客様が約半数を占めていますが、50代以上のお客様も20%ほど占めており、徐々に増加傾向にあります」とのこと。パーソナルトレーニングジムやエステなどもメニューに含まれていることもあって、50代以上にもじわりと人気を広げているようです。
資金力ではなく技術のある店舗を人気に
そもそもなぜ、通い放題サービスが店舗のメリットになるのか、不思議ではありますよね? 小原さんによると、「これまで美容サロンが新規顧客を呼ぶには大手クーポンサイトなどへの広告に頼るしかなく、集客費用の多い・少ないで売上が左右されてきた」のだそうです。
施術者の技術力よりも広告費を多くかけられる資金力のある店舗に人気が集まってしまう……。そんな美容業界の課題を解決するべく生まれた「Viday」は、店舗から広告費は取らず、会員専用の通い放題メニューを用意してもらうだけ。
実際にそのメニューを試してもらうことでリピーターになるかどうかが決まってくるので、スタッフの施術や接客力こそが売上拡大につながるというわけです。
「新型コロナを機に、集客に困っているサロンをサポートする目的で着想したサービスですが、店舗とお客さまの双方にとってより良い方向へ美容業界を変革するきっかけにしたいですね」と語る小原さん。
現状では加入店舗は首都圏に限られていますが、50代からのハルメク世代を対象にした店舗の加盟も増やし、2~3年のうちに関東圏1000店舗を達成しサービスを充実させていくとのことなので、今後にますます期待したいですね。
※掲載の利用料金は2023年4月時点のものです。
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