菅沼薫さんに聞く、今の自分に合う美容法(7)

泡は乗せるだけじゃダメ!おすすめの洗顔方法

公開日:2018.09.19

第7回は、クレンジング編に続き、洗顔方法を教えてもらいました。ハルメク世代が人生で行った洗顔の回数は、なんと3万回超え! その方法は正しかったかご確認を。肌のうるおいを残す洗顔法、毛穴の黒ずみや角栓をなくす方法もレクチャーします。

正しい泡洗顔のやり方。適量はピンポン玉2つ

メイク落とし同様に、洗顔料にもフォームタイプ、ジェルタイプ、固形タイプなど様々な種類があります。ですが、洗顔においてまず大切なのは、洗顔料の種類ではありません。

泡洗顔で、汚れをしっかり落とすことです。

泡洗顔のよさは、キメの細かい泡が毛穴まで入り込み、汚れを包みこんで落とすことにあります。また、泡がクッションになるので肌への摩擦と負担が少ないというメリットも。ですが、せっかくの泡洗顔もやり方が間違っていては意味がありません。ここで、正しい泡洗顔の方法を確認しましょう。

泡洗顔は、泡を作ることからスタートします。フォームでも固形でも、専用ネットなどを使ってしっかり泡立てるのが基本です。その泡を、メイク落としと同じように、軽い力で指でくるくる円を描くように滑らせて肌になじませます。泡をのせておけば泡が毛穴まで入り込むと思っている人もいるようですが、それは間違い。

泡と肌が接しているだけでは、汚れは落ちません。回転させ攪拌(かくはん)することで、毛穴に小さなエネルギーがかかり、汚れは泡に包まれ浮き出て、肌から剥がれていくのです。

泡立てが苦手な人は、ポンプを押すだけで泡が出てくるタイプの洗顔料を。きめ細かな泡が、肌のうるおいを奪わずに、汚れをすっきり洗い流します。

 

泡洗顔の泡の量は、ピンポン玉2つ分ほど。
泡の量は、ピンポン玉2つ分ほど。顔全体に伸ばせる量で十分です

きちんと泡立てた状態なら界面活性剤が均一に薄まり、汚れを包み込みやすくなる上に、肌にやさしくなり、吸着しにくくなります。

脂性肌、乾燥肌、肌タイプで変わる洗顔方法

肌タイプによって洗い方は異なります。

  • 脂性肌の方は、泡をよくなじませてしっかりめに洗ってください。ただし、こすり過ぎは厳禁。
  • 乾燥肌の方は、手の平で滑らすようにやさしく手早く洗ってください。

どちらの肌タイプもすすぎは十分に行ってください。洗うのが1なら、すすぎは2倍の時間をかけるのが鉄則です。

洗顔クロスを使うと、皮脂や角栓の汚れがきれいに落ちる

ところで、洗顔を素手でしている人って多いのではないでしょうか。その人たちに、ぜひ一度試してもらいたいのが、クロス(布)を使った洗顔です。以前にテレビの情報番組で、トレシー®のメガネ拭きでの洗顔を紹介したら、東レさんが洗顔用のものを作ってくれました(笑)。

洗顔シート

超極細繊維(マイクロファイバー)で泡立てることで、均一で細かいミクロの泡が簡単にできる! 肌とクロスの間に安定した泡の層ができるので泡が消えにくく、毛穴の奥まで入り込んで、汚れをきれいに落としてくれます。皮脂汚れや角栓などの古い角質細胞も取り除けるので、洗いあがりもなめらか。とはいえ、こすりすぎると肌に負担がかかるので要注意。化粧品をつけるときやクレンジングでお話ししたように、圧をかけたりこすったりしないよう”やさしく”を心がけて使ってください。

トレシー®洗顔クロス Mサイズ 650円(税抜/東レ株式会社 トレシー販売室 03-3245-5992)

洗いすぎ注意。でも肌くすみや黒ずみが嫌なら酵素洗顔を

角質層には保湿成分の「天然保湿因子(NMF)」とバリア成分の「脂肪間細胞(セラミドが主成分)があり、その上を皮脂が覆うことで肌のうるおいを保っています。過剰な洗顔は、これらも洗い流してしまい、肌を乾燥させ、さまざまな肌トラブルを引き起こします。

肌のうるおいを残す洗顔料を選ぶ

必要なうるおいを残すため、洗顔料は肌と同じ弱酸性のものや、保湿成分の入ったものを選ぶとよいでしょう。

肌のうるおいが残っているかを見極めるのは、実は簡単。洗顔後に肌つっぱると感じた場合は、肌が乾燥してピンと張ってしまっている、つまり洗いすぎです。うるおいがあれば、肌はつっぱりません。また、肌の水分は洗うことで抜けてしまうので、洗顔後は入念な保湿ケアが必須です。

酵素洗顔は効果的、でもやりすぎはダメ

年齢肌はターンオーバーが遅くなり、肌の再生機能が低下します。そのため、古い角層が皮膚の上に残ってしまい、肌はくすみ、固くなってしまいます。この古い角層を剥がすのに、タンパク質を分解する作用のある酵素洗顔は効果的。

ですが、やりすぎると肌の必要なタンパク質まで分解され、角層のバリア機能が低下するので要注意。また、酵素は皮脂も溶かすので、やりすぎると肌はうるおいを失い乾燥してしまいます。皮膚が薄く敏感になり、肌トラブルを引き起こすこともあるので、商品に書かれた使用頻度を守って行いましょう。

 

酵素洗顔パウダー


毛穴の黒ずみ汚れや角栓、古い角質を取り去り、透明感のある肌に洗い上げる酵素洗顔パウダー。
スイサイ ビューティクリア パウダーウォッシュ 0.4g×32個  1700円(税抜・編集部調べ/カネボウ化粧品 0120-518-520)

朝の洗顔で顔色をパッと明るくする方法

朝の洗顔は、寝ている間についた汚れや余分な皮脂、夜につけた化粧品の残りを洗い流すために行います。

朝起きて、肌が乾いていると感じるなら、ぬるま湯で洗うだけでいいでしょう。

ぬるま湯で洗ってみてベタつきを感じるようであれば洗顔料を使ってください。

タオルオフは肌こすらないよう、おさえる程度に。

やさしく洗っても、その後にタオルでゴシゴシこすってしまっては台無し。タオルで顔を包んで、水分を含ませるように、やさしく抑えるように拭いてください。

洗顔は毎日の習慣。力加減やこすり具合など、長年のクセがついてしまっているので、意識してゆったりやさしく行ってください。

また、洗顔後や化粧水をつけた後に、ツボを押さえるのもリフレッシュできておすすめです。右手で顔の右側、左手で顔の左側を包み、小指で眉間、薬指で眉の上、中指で眉尻、人差し指でこめかみ、親指で耳たぶの付け根、それぞれくぼんだ部分を押さえるだけですが、とても気持ちいいですよ。

洗顔時に押したい顔ツボ
顔のツボの位置とおさえ方

イラストレーション=並河泰平

ぜひ試してみてください。

次回、(8)化粧品の使用期限は大丈夫? 保管方法にも注意


■洗顔についての関連記事はこちら

 

取材・文=田中優子

菅沼 薫

ビューティ&ライフ サイエンティスト、武庫川女子大学客員教授、sukai美科学研究所代表。日本顔学会会長をはじめ、化粧品成分検定協会理事、日本香粧品学会学術委員などを務める。美容雑誌「VOCE」における化粧品比較実験を長年手掛ける。化粧品と肌のスペシャリストとしてメディアでも活躍中。

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