菅沼薫さんに聞く、今の自分に合う美容法(8)

化粧品の使用期限は大丈夫? 保管方法にも注意

菅沼 薫
2018/09/26 12

今使っている化粧品の使用期限はいつまで?と言われて、答えられる人はほとんどいないと思います。第8回は化粧品の使用期限や保管について教えてもらいました。実は勘違いしている人も多い「パラベンフリー」の化粧品の話もお見逃しなく!

【目次】
  1. 多くの化粧品には使用期限が明記されていない
  2. ほとんどの化粧品には、防腐剤が配合されている
  3. 使用期限は、保存と使用の環境によって変わる

多くの化粧品には使用期限が明記されていない

ほとんどの化粧品に、使用期限は記載されていません。ですが化粧品にも使用期限があります。

化粧品の使用期限は未開封で3年、開封後は3~6ヶ月で使い切りましょう。

化粧品は製品を見て「いつのもの」とはわからないので、使い始めるのは購入してから2年半まで、開けてからは半年以内に使い切るのが使用の目安です。

一般的に、化粧品は未開封の場合、製造してから3年は製品が分離や変質しないようにつくられていて、その品質をメーカーが保証しています。また、製品には使用期限のかわりに「ロット番号」という数字が記され、メーカーは製造日や製造状況などが判別できるようになっています。

化粧品のロット番号
パッケージやボトルに記載されているロット番号

製品によっては、開封した製品の品質も製造後3年まで大丈夫なものもあるようですが、開封後は3~6か月で使い切るのをおすすめします。

化粧品の成分は多くが水。水は一番腐りやすい物質ですし、開封することで異物が入るなど、製品が変質する可能性があるためす。

食品にも開封後はお早めに、と書かれていることが多いですよね。化粧品も同じと考えてください。

ほとんどの化粧品には、防腐剤が配合されている

化粧品は水や油、界面活性剤、美容成分などでできています。そして、これらが劣化や変質、分離しないよう、防腐剤や安定剤が配合されています。

化粧品の品質を一定期間保つために、防腐剤は必要なのです。

防腐剤のうち、特にパラベンだけが悪者にされていて「パラベンフリー」だから安全と思っている人がいるようです。ですが、それは間違い。パラベンはかつての「表示指定成分(*1)」で定められていた防腐剤だったために、そんなイメージが浸透してしまったのかもしれません。しかし毒性が比較的低く、皮膚刺激や過敏症なども少ないといわれています。

「パラベンフリー」の場合、パラベン以外の防腐剤が配合されているケースがほとんどで、アルコール(エタノール)などが代わりに入っていることがあります。「パラベンフリー」=防腐剤無配合ではないことを知っておいてくださいね。

「パラベンフリー」だけでなく「防腐剤フリー」を謳った化粧品は、防腐効果のある成分が全く配合されていないものと思っている人がいるようですが、必ずしもそうとは限りません。防腐剤が入っていない場合は、量が少ない使い切りタイプか使用期限が短くなるものです。表示をよく確認して、使い方や使用期限表示を参考に選んでください。

使用期限は、保存と使用の環境によって変わる

今までお話しした化粧品の使用期限は、あくまでも日本国内の標準的な環境下で保管・使用することを前提にしています。化粧品はとってもデリケート。30℃を超える室内や、紫外線を浴びる窓際に置くのは避けるべきです。

化粧品は直射日光のあたらない、20~25度前後の風通しのいい場所に置きましょう。

このほか、湿気のない風通しのよい場所ならなおベスト。これも食品と同じと考えると判りやすいでしょう。

洗顔後や入浴後すぐにスキンケアをするため、浴室側の洗面台に化粧水を置いてもいいかと質問されたことがありますが、それは大丈夫でしょう。人が洗顔できる室温と湿度でしょうし(笑)、適切な量を使用していれば、化粧水などは3ヶ月~半年程度で使い切るでしょうから。

ただし、水分が容器に入らないように気をつけてください。特にクリームなどには水分(湿度)を嫌うものがあるので、製品によっては、他の場所に置くのをおすすめします。

逆に、冷たくて気持ちいいからか? 化粧水を冷蔵庫に入れている人がいるそうですが、「要冷蔵」と指定されている場合を除き、やめた方がいいでしょう。化粧品を肌につけるときは手の平で温めてつける方が良いので、冷蔵庫で冷やすのは逆効果(※第3回参照)。また品質を保つために、冷蔵庫に入れる必要はありません。

今は、なるべく体にイイものを選ぶ時代。日本の化粧品を使うのであれば、涼しく暗い場所に置いて、開けたら半年以内に使うようにすれば、ほとんどの製品は大丈夫。

肌への負担を過度に心配するあまり、「イイ」ことだけをクローズアップした宣伝文句に惑わされないようご注意を。今の自分の肌に合う、使って「気持ちイイ」と思えるものを選んで、使用期限を守って使ってくださいね。

※1)表示指定成分
1980年に薬事法(現、医薬品医療機器等法)で商品へ表示を義務づけられた102種類の原料に香料を加えた合計103種類。2001年4月から全成分表示が義務付けられたので、現在は「表示指定成分」という言い方はしません。

次回、(9)フケの原因!トリートメントは頭皮につけないで

 

取材・文=田中優子


菅沼薫の美容講座」トップへ

化粧品の扱い方についての関連記事はこちら

1年前の日焼け止めを使っていませんか?

化粧パフ、いつから使っている? 洗い方は?

おすすめのファンデのパフとブラシ、使い方

菅沼 薫

すがぬま・かおる ビューティ&ライフ サイエンティスト、武庫川女子大学客員教授、sukai美科学研究所代表。日本顔学会会長をはじめ、日本化粧品技術者会役員、日本香粧品学会評議員などを務める。美容雑誌「VOCE」における化粧品比較実験を長年手掛ける。化粧品と肌のスペシャリストとしてメディアでも活躍中。

この記事が気に入ったら「いいね!」ボタンを押してください。 

編集部へのご意見はこちら

ハルメクWEBメールマガジンを受け取る

更新された記事や最新のプレゼント情報、50代以上の女性のための情報が手に入ります。

※メールの送信をもって、「個人情報保護について」に同意したとみなします。

※受信制限をしている人は、info@halmek.co.jpからのメールを受け取れるようにしてください。

ハルメク halmek

ページ先頭へ